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第38回日本小児救急医学会学術集会に参加しました!

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ブログ担当永山です。今回は学会参加のご報告です。 2025年7月4日~6日に東京・虎ノ門ヒルズフォーラムで開催された「 第38回日本小児救急医学会学術集会 」に、当科から 中林先生 と 井上先生 が参加されました。 井上先生の発表 井上先生は、シンポジウム「 地域における救急患者・重症患者の診療体制 」にて、 「地方救命救急センターの当院における、外因系小児搬送例の検討」 という演題で発表を行いました。 この発表では、当院に搬送された外因による小児患者の症例をもとに、地域医療体制や搬送連携の課題について紹介しました。 また、シンポジウムの座長は中林先生が務められました。 中林先生の発表 中林先生は、シンポジウム「 災害時小児医療の取り組みと今後の課題 」にて、 「小児周産期リエゾンが都道府県レベルで訓練企画する際の留意点」 について報告しました。 災害時における小児・周産期医療の対応力強化を目的に、実際に訓練を企画・運営する立場からの具体的なポイントや課題を共有し、今後の災害医療のあり方について議論を深めました。 まとめ 当科では中林先生、井上先生が当科に在籍してくださっており、小児救急や災害医療での小児リエゾン等の話が気軽に相談できる環境であり、日頃大変勉強になっております Facebookページはこちら Instagramページはこちら X(旧Twitter)はこちら

「エラーは宝」から始まる医療安全:救急・ICUの現場が育てる安全文化

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救急外来および集中治療室(ICU)は,生命の危機に瀕した患者を救命し,早期に適切な医療介入を行うための 最後の砦 です。 しかし,高度な治療技術や機器が集まる一方で, 医療安全への配慮が不十分だと,二次的な事故や合併症が発生しやすく なります。 例えば,気管挿管や中心静脈ラインの挿入,人工呼吸管理など侵襲的処置が多いため, 感染管理やデバイス関連合併症のリスク が常に存在します。 これを防ぐには, 手技ごとのチェックリスト運用,ダブルチェック体制,超音波ガイド下穿刺の標準化 などが有効です。 さらに, チーム医療の徹底が医療安全の要 です。 救急外来からICUへ移行する際に, 患者状態や治療経過,リスク要因を漏れなく伝達 することで,継続した安全管理を実現します。 また,多職種カンファレンスの定期開催により, 看護師や臨床工学技士,薬剤師 らがそれぞれの視点で危険因子を指摘し,予防策を練ることが可能となります。 さらに, 医療機器の取扱い教育やシミュレーショントレーニング を通じて,緊急時の手順ミスを減らし,スタッフ全体のスキルと連携を向上させることが求められます。 これらの取り組みが循環することで, 救急医療・ICUにおける患者安全文化 が醸成され, 質の高い医療提供と職員の心理的安全性 の両立が図られます。 今回 2025年度医療安全推進月間の標語に応募し,採用されました。 『エラーは宝.隠さず活かす,学びの力』 マイナスイメージである『エラー』を プラスのイメージに変える ことを考えました。 エラーを起こさないことが最も大事ですが, 起こしてしまったエラーを活かして次につなげること が重要であると考えます。 救急医療および集中治療を行っていく上で, 常に医療安全を念頭に活動 をしていきたいと思います。

一時的ペーシング機器に興味深々

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お疲れ様です。ブログ担当の永山です。 今回は、 後期研修医向けに開催された多職種勉強会 についてご紹介します。テーマは「 一時的ペースメーカー機器 」についてで、講師は臨床工学技士の方にお願いしました。 一時的ペースメーカー機器とは? 一時的ペースメーカー機器とは、 カテーテルを通じて心臓内に電極を挿入し、外部の装置から電気刺激を与えることで一時的に心拍を制御するための医療機器 です。 埋め込み型のペースメーカーに比べて短期間の使用を前提としており、 心臓手術直後や重度の不整脈によって循環が不安定な場合など に集中治療室で使用されます。 知識の壁と、学ぶ機会の重要性 心臓に直結する機器であるため、 誤操作が重大な影響を及ぼす こともあり、正確な理解と技術が求められます。 これまでは先輩に教わったり、自分で調べたりして対応してきましたが、それだけでは不十分な場面もあります。 今回は臨床工学技士の方にお願いし、 実際の一時的ペースメーカー機器を使ったハンズオン講義 を実施していただきました。 現地の熱気と盛り上がり 私はWEBでの参加でしたが、現地の会場は非常に盛り上がっていたようで、 主催の萩原先生から写真が大量に送られてきました(笑) 。 他職種からの講義は、日常業務ではなかなか触れることのない視点が得られるため、後期研修医だけでなくスタッフ全体にとっても良い復習の機会となりました。 さいごに 一時的ペースメーカー機器のような重要機器について、 実際に触れながら学べる機会 はとても貴重です。 今後もこうした多職種連携の勉強会を継続し、チーム全体でのスキル向上を目指していきたいと思います。 講師を務めてくださった臨床工学技士の皆さん、本当にありがとうございました!

令和7年度 DMATコーディネーションチーム研修 in 大阪

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こんにちは。ブログ担当の永山です。 2024年7月3日〜4日に大阪で開催された、 DMATコーディネーションチーム研修 に参加してきましたので、ご報告いたします。 DMATコーディネーションチーム研修とは? この研修は、 大規模災害が発生した際に、本部運営や現場支援を円滑に行うための戦術やロジスティクス(物資や人員の管理・運用) について学ぶものです。 特に、県庁や災害拠点病院に設置される「DMAT調整本部」での業務に関わる方々向けの内容になっており、実戦的な視点で構成されています。 参加者の熱量と多様な経験 参加者は、 北海道から沖縄まで全国各地の医師・看護師・ロジ(事務調整・運用担当) の皆さん。 これまで数々の災害現場で活動してこられた方ばかりで、机上訓練ではそれぞれの貴重な経験を元にした白熱した議論が交わされ、新参者の自分としては非常に学びの多い時間となりました。 進化し続ける内容 実は私自身、 この研修を2年前にも受講 しているのですが、今回の内容は当時と比べて 大きくアップデート されており、非常に濃密な2日間でした。 最新の災害医療の知見や教訓を反映しながら、実際の本部運営をどう支えるかという観点で構成されており、常に「より良い支援体制」を目指す進化が感じられました。 最後に 今後いつ起こるかわからない災害に備えて、このような訓練を通じて 本部運営のノウハウを蓄積・共有 していくことが重要だと実感しました。 災害時に「誰かがやってくれる」ではなく、 自分が何をすべきか、何ができるか を考えることが、支援の質を大きく左右するのだと感じられた実習でした。

ER 災害が起こったときのFirst Action

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災害が起きたとき、当直医はどう動く?講義レポート こんにちは、ブログ担当の永山です。 今回は、「救急外来の当直中に災害発生の一報が入ったらどう動くのか?」をテーマにした講義についてご紹介します。 災害対応のはじまりは「電話1本」から 夜間の救急外来。当直業務に集中している中、「災害が発生しました」という入電が入ったとき、どんな行動が求められるのか… そんな緊張感のある状況を想定した、 災害初動対応の講義 を行いました。 群馬県独自の情報共有システム 群馬県では、災害発生時に、 消防・医療機関・行政が迅速に連携できるシステム が整備されています。 今回の講義ではこのシステムの使用方法も説明し、災害時にどのように情報が集まり、共有されるかを実際に体験しました。 講義内容のポイント 夜間の災害対応の流れ 病院の災害担当者としての役割 日赤医療機関としての行動 DAMT(災害医療支援チーム)としての初動 「初めての方にはちょっとこってりかも…」というボリュームでしたが、実際の現場では時間との戦いになるため、 あらかじめ知っておくことが大切 です。 当直医に求められる“いざというとき”の行動力 講義をしている自分自身も、正直「本当に自分がちゃんと動けるかな…」と感じるほど、やるべきことは多岐にわたります。 後期研修医を中心に、勤務終わりで疲れている中、講義に参加してくれました。 本当にありがとうございました。 講義は“財産”として動画ストック中! 今回のような講義は、 後日聴講できるよう動画として保存 しています。 参加できなかったスタッフや、今後当院に来てくれる研修医のための資源として、講義動画は当科の大きな財産となっています。 中には、「これ、有料にしてもいいんじゃ?」と思えるほどの質の高い講義もあり、 時間があるときに復習できる 環境は、学び続ける私たちにとって非常にありがたい仕組みです。 まとめ 夜間当直中に災害が起きたときの対応を学ぶ講義を実施 群馬県独自の情報共有システムも紹介・体験 災害時に医療者が担う役割は意外と多い 当科では講義動画を保存し、継続学習できる仕組みを構築 日々の備えが、いざというときの安心につながる—...

開胸術後の急変!?コードハートシミュレーション

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緊急時に備える!コードハート・シミュレーション訓練のご紹介 こんにちは、ブログ担当の永山です。 今回は、 杉浦先生主催の「コードハート・シミュレーション」 をご紹介します。 コードハート・シミュレーションって? 心臓手術術後の非常事態に、医療チームがすぐに的確な対応ができるようにするための訓練が「コードハート・シミュレーション」です。 なぜ普通の心臓マッサージではダメなの? 私たちがよく知っている心臓マッサージ(胸骨圧迫)は、多くの場面で命を救う基本手技ですが、 開胸手術後の患者さんには注意が必要 です。 というのも、無理に圧迫してしまうと 心臓が破裂してしまうリスク があるからです。 そのために必要なことは… 心臓が止まった原因の確認 ペーシング(心臓に電気刺激を与える)や薬剤の使用 人工心肺装置(ECMOなど)の迅速な準備 これらの判断を、 限られた時間の中でチーム全体が連携して行う 必要があります。 訓練は多職種で! 当院では、このような緊急時対応を プロトコール化 し、 医師・看護師・臨床工学技士など多職種で共有 できる体制を整えています。 定期的な訓練があるおかげで、いざというときにも落ち着いて動けるようになりました。 恥ずかしながら、私自身もICU管理を担当するようになるまで、このような対応が必要だとは知りませんでした。 医療従事者でも専門外だと知らない方も多いのではないでしょうか。 当院には、他院から研修に来られる医師も多くいますが、 このシミュレーション訓練は大変好評 です。 なにより、 看護師さんや臨床工学技士さんたちも積極的に協力 してくれることが、当院の大きな強みです。 心臓血管外科の先生方にいつでも相談できる環境があることで、集中治療科でも安心して術後管理にあたることができています。 加えて、定期的に訓練を行い、スタッフ全員が緊急時にすぐにうごけるような環境づくりもつづけていこうとおもいます。 まとめ 「コードハート・シミュレーション」は心臓術後の緊急対応訓練 開胸手術後の心停止には特別な注意が必要 多職種連携での訓練が、実際の現場での安心につながる Facebookページはこちら Inst...

JATECコースにインストラクター参加 萩原Dr in 東京科学大学

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こんにちは、萩原です。 先日、 JATEC(Japan Advanced Trauma Evaluation and Care)コース に インストラクターとして参加してきました。 今回の会場は 東京科学大学 。私は初めて訪れましたが、 御茶ノ水駅から徒歩3分というアクセスの良さに驚きました。 都会のど真ん中で、地方出身者の私はそれだけで目を丸くしてしまいました。 本当はERやICUも見学したかった… 非常に興味があったのですが、 時間の都合で見学は叶わず 。 次回チャンスがあれば、ぜひ施設見学もセットでお願いしたいところです。 JATECとは? JATECコースは、 「外傷による防げる死を限りなくゼロに近づける」 ことを目的とした 医師向けの初期診療トレーニングです。 今回も、全国から集まった 情熱あふれる若手医師たち と交流することができ、 私自身も多くの刺激を受けました。 当科の取り組み 私たちの所属する診療科では、 6名のJATECインストラクター が在籍しており、 日常から 実践的な外傷初期診療 を学べる環境が整っています。 重症外傷の現場で即戦力として活躍できる力、 ここで一緒に身につけてみませんか? 最後に 教育は「教える側」にとっても大きな学びです。 私自身も初心を忘れず、これからもアップデートを続けていきたいと思います。 Facebookページはこちら Instagramページはこちら X(旧Twitter)はこちら