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第20回 前橋市立前橋高等学校 BLS・AED講習会

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前橋市立前橋高等学校での心肺蘇生講習会のご報告 こんにちは。ブログ担当の永山です。 今年も、前橋市立前橋高等学校の高校1年生のみなさんを対象に、心肺蘇生法(胸骨圧迫とAEDの使い方)の講習会を担当させていただきました。 今回で20回目となり、学校の中でもすっかり恒例行事として定着してきた取り組みです。 講習会の目的 この講習会の一番の目的は、 「目の前で人が突然倒れたときに、少しでも早く、そして自信をもって行動できる人を増やすこと」 です。 心停止は、いつ・どこで・誰に起こるか分かりません。救急車が到着するまでの数分間に、その場に居合わせた人が胸骨圧迫とAEDを適切に行えるかどうかで、命が助かる可能性は大きく変わります。 「知っている」だけでなく、「自分の手でやってみたことがある」という経験をもってもらうことを目標に、毎年講習を続けています。 当日のプログラム 当日の流れは、次のような内容でした。 ① 導入講義 心臓が突然とまる仕組みや、胸骨圧迫とAEDの重要性について、スライドを使って説明しました。 ② テニスボールを使った胸骨圧迫の練習 いきなり人形で練習するのではなく、まずテニスボールを使って「しっかり押す感覚」「押して戻すリズム」を体で覚えてもらいました。 ③ インストラクターによる指導 倒れている人を見つけたところから、呼吸や意識の確認、胸骨圧迫の開始までを、インストラクターが分かりやすく指導しました。 ④ AEDの使い方とトラブルシューティング 実際のAEDを用いて、電極パッドの貼り方や音声ガイダンスの聞き方に加え、「人が近くにいるときはどうする?」「胸が濡れていたら?」といったトラブルへの対処も確認しました。 短時間でも内容の濃い2時間 心肺蘇生の講習会は、通常は半日から1日かけて行うことが多く、 今回は2時間という限られた時間の中で、どこまで伝えられるか正直なところ不安もありました。 「詰め込みすぎて、かえって消化不良になってしまわないか」という懸念もありましたが、実際にはその心配は必要ありませんでした。 生徒さんたちの様子 約250名の生徒さんたちは、とても活気があり、最初から最後まで真剣な表情で講習に参加してくれていました。 最初は少し遠慮がちだった手も...

プレホスピタル ドクター独り立ちのご報告(DrHeli 大瀧先生)

こんにちはブログ担当 永山です。 プレホスピタルの独り立ちご報告です。 今月に入り当科のステップアップの規定で「フライトドクターとしての要件」を満たしたので、 大瀧先生がドクターヘリ独り立ちとなりました。 これで当院フライトドクターは11人となります。現場ではいろいろ困難な壁に向き合うもあると思いますので、関係各機関の皆様におかれましてはこれからもご指導とご協力のほどよろしくお願いいたします。 #前橋赤十字病院 #集中治療科 #救急科 #プレホスピタル

研修報告会 井上先生 IN 済生会宇都宮病院

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おつかれさまです。ブログ担当の永山です。 先日、後期研修医による外部研修の報告会が行われました。当院の救急科専門プログラムでは、約3か月間、連携施設へ短期研修に行くことができる制度があります。 今回は井上先生が、栃木県にある済生会宇都宮病院の救急科で研修され、その報告をしていただきました。 地域・病院が変われば「救急」も変わる 救急医療は、地域性や病院の役割によって、搬送されてくる患者さんの疾患や重症度が大きく異なります。ICUの症例や運用も同様で、他施設で学ぶ経験は後期研修医にとって大きなステップアップのきっかけになります。 今回研修先となった済生会宇都宮病院は、栃木県のECMOセンターであり、ドクターカーの運用も非常に活発な病院です。 報告会では、以下のような印象的な症例・エピソードが紹介されました。 心停止寸前の重症外傷患者がプレホスからICU管理を経て、元気に歩いて退院したケース 院内勉強会で、ECMOに関するトラブルシューティングやシナリオを通したシュミレーション ERやICU管理での当院との違い 実際のエピソードを交えてのお話で、とても刺激的な勉強会となりました。 済生会宇都宮病院 救急科HPはこちら 当院の研修プログラムについて 当院では外部研修先は比較的自由にセンター長へ相談することができるのが魅力です。 これまでの実績は、 北は北海道、南は沖縄まで。 全国さまざまな施設での研修を受けた先輩方がいます(限界はありますが…)。 興味のある方は、ぜひ一度見学にお越しください!

救急科勉強会

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2025年11月4日、前橋赤十字病院で 「救急セミナー」 が開催されました。 今回は、飯塚病院からお二人の医師をお招きし、救急・集中治療の現場で注目されている2つのテーマについて講演が行われました。 第一部:「“治せる”だけで立ち向かえない時に」——救急医が知るべき緩和ケアの視点 講師は、 飯塚病院 緩和ケア科 河内咲先生 。 私たち医療者は「 患者さんにより良い医療を提供すること 」を使命としていますが、すべての患者さんが“治る”わけではありません。 ときには、どんなに最善を尽くしても回復が難しい状況に直面することもあります。 「 緩和ケア 」という言葉は一般の方にもなじみがありますが、必ずしも「看取り」と同義ではありません。 病気による 身体的・精神的な苦痛を和らげ、患者さんがその人らしく過ごせるように支える のが緩和ケアです。 しかし、救急医療の現場は一分一秒を争う状況が多く、患者さんご本人が会話できないほど重症であることもしばしば。 その中で「 患者さんにとって何が最善か 」を考えるのは容易ではありません。 河内先生は、医療者がどのようなステップを踏みながら、患者さんの価値観や希望を尊重し、 それに合った医療を提示していくのかを、実例を交えてわかりやすくお話しくださいました。 “ 治すこと ”と“ 支えること ”の両立を考える貴重な時間となりました。 第二部:「明日から実践できるECPRの患者選択戦略」 続いては、 飯塚病院 集中治療科 河内章先生 による講演です。 テーマは、 ECPR(体外式心肺蘇生) の患者選択について。 ECPRでは、「 誰に適応するのか 」「 どのタイミングで導入するのか 」といった判断が非常に重要になります。 一般的には、 ELSOガイドライン で示される心電図波形、発症から搬送・治療までの時間、年齢などが指標となります。 しかし、実際の臨床現場では、病院到着後に“ 元気に帰宅できる患者さん ”にはどのような特徴があるのかを見極める必要があります...

前橋市での集団救急事故合同訓練に参加しました

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こんにちは。集中治療課・救急科の井上です。 10月26日、前橋市で行われた集団救急事故合同訓練に、前橋赤十字病院のドクターカーのスタッフとして、関山Nsと共に参加しました。 今回の訓練は、乗用車とマイクロバスの交通外傷による多数傷病者発生を想定し、前橋市消防局中央消防署の敷地を使って実施されました。シミュレーション自体は約1時間と限られた時間でしたが、第1報から刻々と変化する状況の中で、現場連携と初期対応の重要性を強く実感する機会となりました。 今回の主な取り組み 消防・救急・医療の役割分担と情報伝達 トリアージ(搬送優先順位)の実践 患者の容態変化への対応と搬送判断 ドクターカーの実運用と連携確認 訓練の様子 現場では一瞬の判断が傷病者の救命につながるため、実際の災害さながらの緊張感ある訓練でした。

プレホスピタル ドクター独り立ちのご報告(DrHeli 谷先生,DrCar 萩尾先生)

こんにちはブログ担当 永山です。 ご報告がおくれましたが、プレホスピタルの独り立ちご報告です。 今月に入り当科のステップアップの規定で「カー/フライトドクターとしての要件」を満たしたので、 谷先生がドクターヘリ、萩尾先生がドクターカー独り立ちとなりました。 病院外での活動は、今までよりさらなる現場での決断力、責任感が問われるようになります。 関係者の皆様におかれましては温かく(時には厳しく・・・)これからもご指導の程よろしくお願いします。 #前橋赤十字病院 #集中治療科 #救急科 #プレホスピタル

急性期災害訓練を実施しました(2025)

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2025年10月18日 ・ 19日 、2025年度の急性期災害訓練が実施されました。 この訓練は、毎年秋に行われている恒例のもので、多数傷病者が発生した局地災害を想定し、 1日目は机上訓練、2日目は消防学校での実働訓練と、実践的な内容が盛り込まれた2日間となりました。 🧭 机上訓練 初日は、関係機関が集まり、現場対応から医療搬送までの一連の流れをシナリオに沿って検討しました。 主なテーマは以下の通りです: 情報共有の方法 指揮命令系統の整理 安全確保の優先順位 実際の災害対応を強く意識した内容で、活発な議論が行われ、現場運用をイメージしながら課題や改善点を洗い出しました。 🚑 実働訓練 2日目は 群馬県消防学校 のご協力をいただき、実際の現場を想定した実働訓練を実施しました。 隊員・医療スタッフ・患者役が参加し、以下のプロセスを実際に体験しました: 救助活動 トリアージ 搬送 医療機関での受け入れ 机上訓練で検討した内容を現場で実践することで、普段活動場所が異なる消防との連携の難しさや、コミュニケーション上の課題が浮き彫りとなり、改善点の共有が進みました。 🔸 今後に向けて 災害対応において、多職種の連携は欠かせません。 今回の訓練を通じて、「うまくいった点」と「改善すべき点」を明確にし、今後の対応力強化につなげていきます。 「訓練でできることは、本番でもできる」 この言葉の通り、いざという時に円滑な連携と迅速な対応ができるよう、今後も継続的な訓練と連携強化に取り組んでいきます。