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「平成29年度政府大規模地震時医療活動訓練」に参加しました!~空路地域医療搬送の企画調整と実働訓練~

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7月29日に南海トラフ地震を想定とした「平成29年度政府大規模地震時医療活動訓練」が、三重県・和歌山県・大阪府・兵庫県の1府3県を中心に開催されました。 今年度は当院から訓練にプレイヤーとして参加するDMATチームはありませんでしたが、訓練の企画や当日のコントローラーとして和歌山県に町田、藤塚医師、雨宮医師、高寺看護師長、内林事務官、大阪府に城田看護師が参加しました。 またこの訓練の空路による地域医療搬送の企画調整のメンバーとして半年前から参加させていただき、大規模災害時にドクターヘリなど医療搬送ヘリを有効に活用するための方策を練ったり、実際に訓練で実機を飛ばすために様々な機関との調整作業を半年間ずっと続けてきました。 考えがなかなかうまくまとまらなかったり調整にてこずることも多くあり何度もくじけそうになりましたが、そのたびにDMAT事務局、各府県担当者、運航会社の方々をはじめ多くの方々に助けていただき本当にありがとうございました。 また訓練当日は和歌山県の担当をさせていただきましたが、和歌山県庁、ヒラタ航空、和歌山県立医大の方々には和歌山県の関する多くの質問に丁寧にお答えいただき、訓練の計画や実機搬送を行うにあたって本当に大きな助けとなりました。 訓練に関する感想・反省などについて正式な報告会や検証などはこの先になりますので、今日のこのブログでは割愛させていただきます。 ここでは訓練当日に僕がコントローラーとして担当した「和歌山県ドクターヘリ本部」の様子を中心に画像でお送りいたします。 ちなみに南紀白浜空港内に設置されたエアテント内で約9時間の熱い暑い戦いでした・・・ 半年間にわたって空路医療搬送の企画を練り続けました。   訓練前々日は和歌山県庁で医務課の担当者と最後の詰めを行いました。 片道5時間の移動にもすっかり慣れてしまいました。   訓練前日は和歌山県庁から南紀白浜空港に移動して会場設置を行いました。 空港内にエアテントを設置し、ここがドクターヘリ本部となりました。  訓練当日・・・  まずは和歌山県防災ヘリが地域医療搬送を開始。  続けて自衛隊ヘリによる搬送。  ドクターヘリは和歌山県・徳島県・高知県が参集しました。 自衛隊固定翼による広域医療搬

群馬県ドクターヘリ6000件出動を達成しました!

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昨日群馬県ドクターヘリは、運航開始から無事故での6,000件出動を達成しました。 いつも安全を第一に運航を担当していただいている朝日航洋の皆様、また現場活動や安全確保で活躍していただいている消防関係者の皆様をはじめ、ドクターヘリの活動を支えているすべての方々に心から感謝いたします。 今回は7月25日朝の段階で5998件の出動があり、この日も4件要請がありましたが天候や重複要請などによりドクターヘリで1件、防災ヘリドクターヘリ的運用で2件、ドクターカーで1件と様々な手段ですべての要請に応えました。残り1件となったところで翌日は悪天候でドクターヘリは運休でしたがこの日もドクターカーで2件対応しました。 1~1000件目は862日間、1001~2000件目は496日間、2001~3000件目は426日間、3001~4000件は433日、4001~5000件は436日、そして5001~6000件のこの1000件は438日間での達成と数値だけ見ると伸び悩み感がこの3000件は続いていますが、実際にはドクターカーでの活動や他機関ヘリ・カーとの連携がさらに進んでおり、病院前で傷病者と接触する機会は確実に増えています。 「患者さんから見ればにとってはどの機関のヘリ・カーが来ようと同じである」という発想をもとに、群馬県ドクターヘリも隣県活動に積極的に協力しながら皆様の命のために飛び続けていきます。 関係各機関の皆様におかれましては、これからもドクターヘリの安全な活動へのご協力をお願いするとともに、ますますのご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします。

「第39回日本呼吸療法医学会学術集会&呼吸療法セミナー」に参加しました。

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後期研修医小松です。 去る 7 月 15 日及び 16 日に行われた第 39 回日本呼吸療法医学会学術集会に参加してきました。 当科からは劉先生がシンポジウムで発表しました。 「医師主導で取り組む前橋早期離床プロトコールの導入と患者予後改善効果の検討」 学会の内容としては、当院では積極的に行なわれている ECMO や Early mobilization といった日本でも最前線の取り組みの報告や、経肺圧や 2016 年に改訂された ARDS ガイドラインなど最近話題の内容まで多岐に渡っておりました。 15 日に行われた PAD (痛み: Pain 、不安: Agitation 、せん妄: Delirium )に関する講演が聞けなかったのが残念ではありますが、 16 日には J-PAD ガイドラインに沿った内容のハンズオンセミナーに参加することができました。 今後当院でも PAD プロトコールを改定、改良していこうと考えています。 今回の学会参加で得た知識や医療に対する姿勢を今後の診療に積極的に生かしていこうと思います。

「第3回神経集中治療ハンズオンセミナー」に参加しました!

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生塩(うしお)です。 7 月 6 日という平日ではありましたが、富山で行われている日本意識障害学会に併設した『神経集中治療ハンズオンセミナー』に参加してきました。こういう平日にも関わらず、勉強のためだからと行かせてくださる当科のシステムは改めて素晴らしいと思います。 代わりに休日に働かせてもらいます(笑) 神経集中治療ハンズオンセミナーは、 ICU に勤務する医師・看護師を対象として、神経集中治療の代表的な、心拍再開後昏睡 (PCAS) ・重症頭部外傷 (TBI) ・てんかん重積状態 ( 特に NCSE) ・重症くも膜下出血 (SAH) の 4 つのブースに分かれ、シナリオベースで神経集中治療を学ぶハンズオンセミナーです。 内容としては、 PCAS での体温管理療法のコツやシバリングのコントロール方法、 TBI での頭蓋内圧センター挿入実技(穿頭)や頭蓋内圧亢進に対する段階的治療、 SAH の脳血管攣縮と遅発性脳虚血の診断と治療、 SE での持続脳波モニタリングの所見の読み方・・・など学ぶポイントは非常に多かったです。 インストラクターとディスカッションしながら、神経集中治療を学べたことは大きかったです。座学の講義でないハンズオンセミナーのメリットですよね。 そして、当院でしている神経集中治療が標準的であると実感できました。これもセミナーに参加してよかったと思える点でした。 救急外来ばかりをしていた私としては、 PCAS や SAH 、 NCSE の神経集中治療は非常に勉強になりました。特に、持続脳波モニタリングから積極的に NCSE を疑い、専門医にコンサルトできればと思います。 ハンズオンセミナーで学んだことも取り入れながら、今後の神経集中治療の診療に活かしていきます。

『第26回日本意識障害学会』に参加しました。

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小橋です。 7/6-/7 にかけて、富山で開催された第 26 回日本意識障害学会に参加したので報告いたします。 本学会の参加は初めてなのですが、今回のテーマが「意識障害と地域包括ケア ―急性期から在宅医療まで―」ということで遷延性意識障害に関する演題が多く、看護師や理学療法士など、医師以外の職種の方の参加のほうが多かった印象を受けました。 やはり、意識障害の慢性期になると、どのように患者ケア・リハビリテーションを行っていくかが重要になるのだと思います。急性期医療ばかりやっている自分にとっては馴染みがなく、とても勉強になりました。 また、急性期の意識障害の中で topic になっているのが NCSE (非けいれん性てんかん重積)ですが、本学会でも NCSE に関連した演題がいくつかありました。 NCSE はけいれん発作を呈しないてんかんで、その多くが診断されずに見逃されている病態です。昏睡症例では必ず鑑別に入れるべき疾患であり、疑った場合には脳波をモニタリングする必要がある、とされています。 当院でも NCSE を疑う意識障害症例が散見され、 ICU で持続脳波を装着しモニタリングしていますが、当院のように電話一本で臨床検査技師の方が来てくださり、脳波を測定できる病院はほとんどないそうです。 日本は neurocritical care (神経集中治療)においては、他の先進国に比べてだいぶ遅れている状態ですが、社会復帰をめざす心肺「脳」蘇生の時代においては neurocritical care をどのように行っていく必要があるか、を考えさせられました。 次回は大阪で開催されるそうです。  

“Time is Brain!”~日本医科大学 横田裕行先生ご講演~

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中村です. 6 月 28 日(水)第 115 回地域連携学術講演会が開催されました. 一般口演は,当院 脳血管内治療センター長の狩野忠滋先生より『血管内治療による急性期血行再建の現状』を講演頂きました. 中村が脳神経外科医をしていた頃よりも脳梗塞の治療は数段進歩しています.当科は,ドクターヘリや ER での治療において脳梗塞の患者をどれだけ早く,安定した状態で血管内治療に結びつけるかを脳神経外科医と協力し日夜努力しています.『 Time is Brain 』の実践です. 特別講演として,日本医科大学大学院医学系研究科 救急医学分野 大学院教授でいらっしゃいます横田裕行先生にご講演をいただきました.演題名は『救急診療における脳卒中診療の位置づけ』でした. 日本医科大学大学院医学系研究科 救急医学分野 大学院教授 横田 裕行 先生 中村は,救急科医として,現在の救急医療の課題,その課題を解決すべく東京のシステムだけでなく日本のシステムを造ろうとされている横田先生の取り組みに釘づけでした. 講演会後は,前橋市内で懇親会を催させて頂きました.当院脳外科医&救急科医が横田先生を囲み,短時間ではありましたが,親睦を深めることが出来たのではないかと思います. 救急科医として,脳神経外科医の端くれとしてのモチベーションが高まった時間でした.

「日本DMAT隊員養成研修@立川」に参加しました。

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増田衛です.今月 2 回目の投稿となります. 7 月 10 日(月)〜 13 日(木),東京都立川市の災害医療センターにて,平成 29 年度第 3 回日本 DMAT 隊員養成研修を受講しました. まさにその前日,救急外来での勤務中に近隣で 10 名の傷病者が生じた交通事故がありました.院内で情報収集チームを立ち上げ,一早い患者受け入れ態勢の確立へ向けて必死に動いたという経験をしました.幸い黄 2 名,緑 8 名で大事故ではなかったとはいえ,局地災害に近い状況でありました. 多数傷病者事案にいかに冷静に迅速に動くべきか,反省の多い経験をしました.次はもっとうまく動けるように…そのような思いで臨みました. CSCATTT とは.無線の使い方. EMIS 入力の仕方.一次・二次トリアージ.局地災害の机上シミュレーション.広域災害の机上シミュレーション. SCU での広域医療搬送.これまで MIMMS や院内災害研修,勤務中における経験を積んだうえでの参加となりました.復習になったこともあれば,当然新たな知見も多くあり,非常に勉強になりました. うれしいことに,今回は群馬県から高崎総合医療センター 2 名,伊勢崎佐波医師会病院 1 名,そして当院 2 名の計 5 人で参加したのですが,群馬県が最優秀チーム賞をいただき,最終日に表彰されました.災害医療に力を入れているチーム群馬の力を示すことができました.写真はチーム群馬のメンバーです. 当院には統括隊員 7 名を含めた多数の DMAT 隊員がいます.連日朝 8 時から夜 20 時までの濃密な講習を受け,その仲間入りを果たすことができました.同時に,今後は発災したら自分が出動メンバーとなりうるという自覚を新たにし,常に体調管理や物品の準備に意識をしていかなければならない,と感じました.

「群馬Local-DMAT研修」に参加しました!

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こんにちは、佐々木です。 7 月 8 日、 9 日、「第5回群馬 Local-DMAT 研修」に参加してきました。 DMAT とは、災害派遣チームのことで、「 Disaster Medical Assistant team 」の頭文字を取った略称です。 本来は医師、看護師、リハビリ、放射線技師等の業務調整員から構成されるチームですが、今回の群馬 local DMAT は消防隊や救急隊も参加をして頂き、より臨場感に溢れた訓練となりました。 トリアージの方法やトリアージタグの記入のお約束、無線機使用のお約束など、様々なお作法について学びました。 災害時の現場はパニックです。共通したルールのないトリアージ法やトリアージタグの記入方法、自己流の無線機の使用方法により、混乱した現場はさらに混乱します。被災した方を助けるために集まったパワーを有効に活用すべく、ルールの遵守は必須だと学びました。 座学後には実践的な演習も行いました。 各論として、トリアージ法やタグの記入、無線機の使用を実践演習した後、総合的な訓練を行いました。刻一刻と変化する状況に臨機応対応しつつも、 command & control (指揮命令系統)を崩さないことが大事と実感しました。   どうして、ルールだルールだ、規則だなんだ、指揮命令系統だの言っているんだ、特殊な状況だからこそ、臨機応変さが大事ではないか、そう思う方もいらっしゃるかもしれません。   こうして、様々なルールや仕組みができてきたのは、これまでの災害から得た反省がもとになっているそうです。阪神淡路大震災、 JR 福知山線脱線事故、東日本大震災…最近では 2014 年の関越道バス事故において、 DMAT 出動に 2 時間かかったことにより、群馬ルールが作られました。   “常にベストを尽くし、必ず振り返り反省し、これまでずっと進化し続けてきた災害対応。”   これから自分に出動する機会があった時には、今回学んだことを生かして全力で対応し、反省を今後の進化につなげる活動ができるよう、精進したいと思います。

救急医療に対する教育体制も整えています!~「レジナビフェア 2017 東京」に参加~

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皆様、お久しぶりでございます。 9年目になりました、小倉です。月日の流れは早いもので、私は今年から管理職となりました。当科教育担当をしていることもあり、小倉は病院の臨床研修委員会の委員として院内活動をさせていただいております。どうぞよろしくお願いします。 さて、本日はその院内活動の紹介です。当院には毎年たくさんの臨床研修医の皆さんが就職してくれていますが、中でも『救急を勉強したい!』と言って来てくれる若い先生が目立ちます。そんな救急医療に興味のある若い先生が当院にアクセスしてくれるのが、レジナビフェアです。先生と言っても、四年目や五年目の医学部生がほとんどですが、レジナビフェアは、そういう情熱溢れる若い先生達とお話しができる、良い機会です。 麻酔科 柴田副部長と小倉。 後ろでは整形外科 浅見部長自ら質問に応対! https://www.residentnavi.com/hospitals/67 http://kengaku.residentnavi.com/kanto/maebashi/8695/   ・前橋赤十字病院における臨床研修の特徴は? ・前橋赤十字病院の救急科研修はどんな感じ? ・救急科を将来目指すに当たっての前橋赤十字病院での臨床研修のメリットは? ・ドクターヘリは研修医でも乗れるの? 様々な質問を頂戴します。簡単にお答えしますと ・当院の特徴は全科を回るジェネラリスト型と専門療法を長期に回るスペシャリスト型の両方のプログラムがあることが特徴です ・当科の研修は、ERでの初療とICUでの重症管理の両方を期間を分けて学ぶ点に特徴があります ・当科で救急科専門医を目指すに当たっては、当院で初期臨床研修をすると、ある意味の英才教育が受けられます ・選択をして救急科で長期に勉強してくれた研修医の先生のプログラムには、ドクターヘリの同乗実習が含まれます 他にも色々と当院で初期臨床研修医を行なって救急医療の勉強をするメリットがあります。群馬県前橋市という、都内と比べると若干アクセスしにくい土地にあるのが難点ではありますが、興味のある先生がおられましたら、是非、足を運んで当院&当科の教育現場を見ていただけたらと思います。 今後とも、よろしくお願い申し上げます。