「2019年度第3回群馬県ドクターヘリ症例検討会」を開催しました。

町田です。
11月も間もなく終わりですね。まさか明後日から師走とは!
寒さが一気に厳しくなりインフルエンザの爆発的流行が来ないかどうかビクビクしていく日々です。


11月26日に今年度3回目の「群馬県ドクターヘリ症例検討会」を開催しました。
今回は7-9月の3か月の活動の中から5例を抽出し、それぞれの活動中の課題や共有すべきことについてディスカッションを行いました。
今回も150名近い関係者の方々に集まっていただき心より感謝いたします。

事案の詳細はここでは書きませんが、それぞれの事案のテーマは以下の通りです。
「吐血によるショックで現場で気管挿管による確実な気道確保を要した事案」
腹部を自傷した鋭的外傷事案」
「重症熱中症に対してショックに対する心停止前輸液を行った事案」
「医療コマンダーが全体像を把握できなかった多数傷病者事案」
「現場医療スタッフ派遣を考慮すべき事案」
 
上記の内容はどれも初めて取り上げる内容ではありません。しかし繰り返し行うことが大切な内容です。
あらためて上記のテーマをそれぞれ言葉をわかりやすく直して書くと、
医療者が現場で高度の手技を行う判断(本当に現場でやらなくてはいけないのか?)」
「鈍的損傷と鋭的損傷の対応の違い(刺し傷は急いで手術室に向かえばほぼ助かる!)」
「ショックと高体温に対して現場で救急隊ができること(救急隊でできる治療は現場からどんどん行いましょう!)」
「“毎回恒例”多数傷病者対応のポイント(傷病者数とトリアージ区分をヘリに早く伝えて消防と医療の戦略のすり合わせをすぐに開始せよ!)
「現場医療スタッフ派遣の判断(消防と医療でイメージ共有して派遣の適否を判断せよ!)」
といった感じです。


検証のために一事案一事案をきちんと振り返るためには、このような症例検討会ではなく医療スタッフが各消防に足を運んで徹底的に行わないといけません。とはいえこの症例検討会には多くの消防・医療関係者が集まっていただいており、この会で重視していることは「消防と医療の活動の理解とイメージの共有」です。
マニュアルや約束を作ったところでそれぞれの事案ですべてその範囲内で活動できるわけではなく、ほとんどすべての事案においてプラスアルファもしくは全く異なる対応が求められます。その時に相手側がどのような目的で現在の活動を行っているか理解し、さらにこちら側の戦略をうまくマッチングさせ最終的にその時に最もベストな協働ができるイメージ力を高めていくために、これからもこの会が継続されていくと思います。

ただし群馬県ドクターヘリの活動は様々な面においてここ数年停滞が続いています。
今回の症例検討会の中で、先日開催された「館林地域メディカルコントロール協議会症例検討会」の報告をしていただきましたが、やはりその報告内容は秀逸なものがありました。10年たっても叶わない各地域ごとの定期的な症例検討会開催に向けて本当に舵を切りたいところですが、そのためには基地病院から新しい風を入れていきたいと思います!

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