救急救命士ができることを増やしたい!~「ビデオ硬性挿管用喉頭鏡講習」~

町田です。
“救急救命士ができることを増やしたい!”というテーマで、前回は「心停止前の末梢静脈路確保」と「血糖測定、低血糖に対するブドウ糖投与」の追加講習について書かせていただきました。
https://drheli-gunma.blogspot.com/2019/01/blog-post_18.html
今回はその第2弾です。

世の中には「気管挿管認定救急救命士」というものが存在しています。
これは心停止患者に対して、決められた研修を受け知識と技術を有し、そしてMedical control(医師の指示)のもとで気管挿管を行える救急救命士のことです。
しかし心停止患者全員に対して行えるわけではなく、患者さんの条件によっては行わないで早期搬送すべきであったり、逆に気管挿管をしたいけど普通の喉頭鏡で行うには技術的に難しい場合などは適応になりません。

群馬県消防学校で開催されている「ビデオ硬性挿管用喉頭鏡講習」に今年度も講師として参加させていただきました。この講習が群馬県でも行われるようになって6年連続の皆勤賞です!
この講習に合格すると「ビデオ硬性挿管用喉頭鏡」を用いた気管挿管が行えるようになり、一般の喉頭鏡では技術的に困難である一部の症例について気管挿管が可能となります。

http://www.pref.gunma.jp/05/p016_00027.html
 救急患者さんでも気道(A:Airway)トラブルは最も緊急度が高く、呼吸(B:Breathing)や循環(C:Circulation)の異常よりも迅速な処置によるトラブル回避が求められます。ちなみに救急医も重症患者であればあるほどA→B→Cの順番で評価と対応を行っていきます。
そのような緊急事態にドクターヘリ・カーが要請されても、ほとんどの場合は救急隊の方が先に現場に到着します。現場で活動する救急救命士が欧米のようにいろいろな手技をできるようになれば、もっともっと多くの命が救われる可能性が高くなりますよね。

その他にも心停止患者に対する静脈路確保、薬剤(Adrenalin)投与を救急隊の連携活動を通して確認する「薬剤投与連携確認」の試験監督などを行いながら、地域の救急救命士と救急医の連携強化にもつながっていくこのような講習会について、これからも当科スタッフは全面的に協力していきます。

ところで消防学校での講習会での一番の楽しみは「ランチのカレーライス」です!
今回もおいしくおなかいっぱいいただきました!!

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