救急救命士ができることを増やしたい!~「救急救命士処置範囲拡大追加講習」~

町田です。
昨年に続いて今年も群馬県消防学校で開催されている消防職員特別教育「救急救命士処置範囲拡大追加講習」の講師に参加しています。
講師は指導救命士を中心に行われますが、群馬県内各病院のMedical control検証医も医師講師として参加しており、当院からは中村センター長、雨宮副部長、町田が参加しています。

受講者はすでに「薬剤投与認定(心停止患者へのアドレナリン投与)」を受けている救急救命士で、この講習のために消防学校に入寮し4日間にわたって講義、実習、試験の日々となります。

この講習を受講することで認定される処置範囲拡大は、
・(ショック患者への)心肺機能停止前の静脈路確保
・(低血糖疑い患者への)血糖測定、低血糖発作症例へのブドウ糖溶液投与
の2点です。


まだ今月末に次期講習があるため詳細や会場の写真は今回は割愛させていただきますが、この「処置範囲拡大追加講習」は我々救急医にとってもとても大切なことです。
昨年に第1期生の講習を受講した救急救命士により、ドクターヘリ・カーが患者に接触する前に救急救命士の静脈路確保&輸液投与によってショック状態が改善したり、病院到着前に救急救命士よる血糖測定&ブドウ糖投与によって低血糖による意識障害が改善していることをすでに経験しています。

ドクターヘリ・カーがどんなに早く出動しても、救命センターがどんなに早く救急車を受け入れても、ほとんどのケースで救急医より先に救急救命士が患者に接触します。より早く患者に治療開始できることに越したことがありません。
目の前で患者さんが倒れた時に一般市民へのBLSの普及(バイスタンダーの教育)と最も早く患者に接触する医療関係者である救急救命士への教育(薬剤投与、処置範囲拡大認定など)こそ、患者の救命・社会復帰に向けて最も大切なことの1つであり、その教育に救命センタースタッフとしてこれからもしっかり関わっていきたいと思います。

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