「日本救急医療財団 医師救急業務実地修練」に行ってきました。

みなさま、こんにちは。堀口です。

10月末から11月初めにかけて、標記の研修に行ってきました。
この研修は日本救急医療財団が、「救急医療を行っている医療従事者に日常の救急業務能力の向上を目指すとともに、救急医療の連携及び普及に資することを目的として」行っている事業です。全部で5-60人の医師が参加していました。

研修は2つのパートに分けて行われます。
前半は「施設研修」として全国各地の救急施設に3-5人ずつのグループで2日間伺い、救急部門の管理運営に関することや地域において救急医療施設が果たすべき役割などについて、見学したり討論したりします。
後半は「合同研修」として東京の研修所に全員が集まり、施設研修でえられた問題点、改善点、アピールする点などを踏まえつつ、地域医療や病院前救急医療体制、災害医療や法的問題点などまで幅広く、講義とワークショップ形式でのディスカッションを行います。


私は施設研修では神戸ポートアイランドにあります「神戸市立医療センター中央市民病院」へ行ってまいりました。
神戸市立医療センター中央市民病院ホームページより
同院は2011年に新築して移転したのですがすでに増築工事を行っており、地域のニーズが高い病院のようでした。病床は708床、救急病床が救急ICU8床を含めて62床あります。救急関連のデータとしては救急受診者数年間3-4万人、救急車搬送年間8-9000台、ヘリコプターによる患者受入年間5-60件、ワークステーション方式のドクターカー出動年間2-300件あり、とても活動性の高い救命救急センターです。

まず驚いたのは救急外来部門のハード面です。
多くの患者さんを受け入れられるようにかなりのスペースを取ってあり、一次診察室10室、点滴・観察用ベッド9床、二次診察室6床、感染症診療室2、三次初療室5床あり、それぞれのエリアも十分な広さがありました。ここで日中は救急医2名研修医2名、夜間は救急医2名研修医3名で診療するのですが、広すぎて全体を一目で見渡せないという問題があります。これに対して電子カルテ上で、どこで、だれが、どの患者を診療していて、どこまで進捗しているか、を把握できるようなマップビューがあり、上級医はそれを見ながら研修医の診療補助をうまくやっておられました。
また、この夏から身体疾患を合併した精神疾患患者さん用の病床(MPU)を新たに8床作られており、うまく運用されておられるようでした。

ソフト面では、特に教育の面で充実していると感じました。
回診でのプレゼンでは、どのように考えてその結論に至ったのかという思考・判断プロセスを重視しており、各症例毎にしっかり時間をかけて討論しておられました。勉強会もしっかり行われており、疾患などの知識だけでなく、医学教育、医療倫理、チーム作り、医療経済から論理学に至るまで多岐にわたっていて、ここで研修していると相当な力がつくのではないかと思いました。



当院も2018年に新築移転を控えており、身体疾患合併の精神科病床も作る予定です。今回の神戸での研修で得られたことは、当院・当科での診療にも還元していければと考えております。

市立医療センター中央市民病院のみなさま、ありがとうございました。



ちなみに同院には以前当院で一緒に働いていた蓮池先生がいらっしゃって、総合内科で大活躍されています!

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