0(ゼロ)と1(イチ)の違い。

町田です。

本日未明に福岡市内で病院が火災となり、多数の犠牲者が出るというショッキングなニュースが飛び込んできました。けがをされた方の1日でも早い回復を祈るとともに、亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈りいたします。


昨日は毎月恒例の高度救命救急センターBLS&AEDコースが開催されました。
当科看護師10名、事務職員1名に加えて、県内各病院から7名の看護師の計18名が参加しました。指導スタッフも当院医師、看護師7名に加えて、県内各消防、病院から5名の応援をいただきました。

「目の前で患者さんが急変した」という場面に遭遇した時に、いきなりテキパキと動ける人はそんなにいないと思います。医療関係者でも、病院外でそのような場面に遭遇した時に院内の時と同様に落ち着いて動くことができるでしょうか。それ以前に院内での急変対応でも落ち着いているかどうかも疑問です。
当院の教育研修推進センター(旧看護学校)で行っていましたが、コース中も当院に到着する救急車のサイレン音や離発着するドクターヘリのエンジン音が聞こえてきていました。
しかし現在は119番通報から救急車が現場に到着するまで平均8分以上かかっていて、ドクターヘリもいわゆる“どこでもドア”のように一瞬で到着するものではありません。
つまり救急隊や医師が到着するまでの時間は、すぐその周りにいる人たちがアクションをとらなくてはいけないのです。

でも急に「アクションを起こそう」と言われて何も知らないと何もすることはできないでしょう。約8分間ただただ救急車が来るのを待つだけになってしまうのでしょうか?
いいえ、皆さんにはできることがあります。それは胸骨圧迫とAEDの使用です。たった一度話を聞いたことがあるだけで何か思い出すかもしれませんね。まったくのゼロよりもなにかイチでも知っていることがあれば、きっとアクションを起こすことができるでしょう。

一般市民への一次救命処置の講習も僕たちの大切な仕事です!


1週間後にとある高校の1学年240名に救急救命講習会を開催しますが、なんと80名を超える看護師、消防職員の方々がインストラクターとして集まってくれます。噂を聞きつけて埼玉県の救命救急士、茨城県の看護師さんも駆けつけてくれます。
インストラクターは普段の仕事で急変した患者さんの対応をしていますが、倒れた瞬間から救急隊、そして病院に引き継ぐ流れにおいて、僕たちは第一走者ではありません。みなさんが『命のリレーの第一走者』になっていただくことで、救命率が間違いなく上がるでしょう。
皆さんが一度でも『胸骨圧迫』や『AED』の話を聞くことができる機会を、社会全体で増やしていきたいです。全く知らないこと(ゼロ)と何か聞いたことあること(イチ)は大きな違いです。

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