救急医療は奥深い・・・病院事務スタッフは見た!
Web担当の伊藤です。
高度救命救急センターのホームページに救急外来というページがあります。
http://www.gunma-redcross-icuqq.com/er/index.html
このページを作るとき、これが救急医療の基本だよ、とかなんとか言われて、ページ内に使用するように渡された写真が左の写真です。
最初、この写真を見たとき、何が救急医療の基本なのか、正直全くわかりませんでした。
きっと、医療に関係ない方には、もっとわからない写真だと思います。
(写真の男性患者は模擬患者です!)
この写真は感染予防ガウンを着用した当院のセンター長が、気道に異常がある、或いは切迫したDがある患者さんに気管挿管をしているところです。その周りに救急隊員、医師、看護師が集まり、レントゲン写真、心電図、FAST所見が用意されています。そういった瞬間を撮影した写真です。
当院高度救命救急センターには、複数科の高度な加療が必要となる患者さん、重篤な状態にある患者さんが救急車、またはドクターヘリで運ばれてきます。例えば、交通事故で頭を打って意識を失っている、大出血をして意識を失っている、そのような患者さんは、救急隊員が病院に運ぶまで、またはフライトドクターが到着するまでに症状がどんどん悪くなってしまう可能性があります。
救急隊の方は、場合と場所によってはドクターヘリを要請して、フライトドクター出動を求めてきます。フライトドクターが到着するまでに、救命救急士は患者さんの症状がこれ以上悪くならないように、さまざまな処置を施します。これを「病院前救護」といいます。救命救急士の方々は、日頃そういった研修を受け、活躍されています。
それが当院で開催されている研修コース「群馬外傷コース、県央JPTECコース」「群馬ITLS Advancedコース」「群馬ISLS/PSLSハイブリッドコース」です。
救命救急士の方々は、研修コースで学んだことを実践に活かし、患者さんが病院に到着するまでに、意識の改善、症状の安定化を図り、救急外来の医師に引き継ぎます。
また、医療関係者も受講することで救急隊の病院前の活動を理解し、また共通言語で話すことができるようになります。
私なりに様々なコースを見学や勉強して、病院前救護から引き続く救急外来での初期診療についてまとめてみました。
医師は、救急車が到着し、患者さんを引き継ぐまでの間、スタッフを集め、患者情報の共有、感染防止対策(ガウン着用)、診察の準備(血液検査や放射線のオーダー)を行います。そして運ばれてきた患者さんが「防ぎえた死」を招かないために、患者さんに呼びかけ、気道(A)の評価、呼吸(B)の評価、循環(C)の評価、意識レベル(D)の評価、体温(E)の評価の順番に診察を行い、異常があった場合はそれに対応した蘇生処置をして、患者さんの生命の安全を確保します。
なぜABCDEの順番なのかと言えば、空気中の酸素というのは、気道(A)を通って肺(B)へ、そして肺から心臓・血管へ循環し(C)、脳に到達します(D)。
つまり、鼻や口から吸った空気が気道を通らなければ全身に酸素が回りません。だから、まずは気道を確保するのです。救急外来に搬送時、気道に異常があった場合は、ただちに気道確保のため挿管し、空気を体に送りこみます。
気道確保されたら、呼吸が正常にされているかを呼吸数やサチュレーション(酸素飽和度)で評価します。呼吸が安定していれば、C(循環)の評価です。この時点で医師は患者さんの体の中に大きな出血がないか、胸部・骨盤レントゲン、FASTと呼ばれる超音波検査で確認をしていきます。もちろん内出血だけではなく外出血の評価も必要です。循環の安定化がはかれれば、次は意識レベルについて診察です。
意識(中枢神経障害)の評価はGCSというスケールを使用します。GCSは数字が小さくなればなるほどレベルが悪くなります。それ以外に、瞳孔所見や四肢麻痺の有無をみます。GCSが8点以下になった場合、瞳孔異常や四肢麻痺がある場合は切迫したDといいます。早期の頭部CT撮影が必要になってきます。
A〜Dの次はEの評価です。患者さんの服を脱がして、全身を観察し、体温が低ければ保温して体温を保ち、見落としのチェックがないかどうか確認し、生命の安全を確保します。
1月28,29日と当院教育研修センターで開催された『JATEC前橋コース』を見学させて頂きました。
2日間のコースが終わった後、改めてこの「救急外来」に使用した写真を見て、その意味がよくわかりました。
上記のように、感染予防ガウンを着用した気管挿管施行中のセンター長の背景には、レントゲン画像、超音波の機器、サチュレーションモニターなどが揃っているんですね。
まさに、救急医療の基本中の基本の写真!
そして救急医療の奥深さ、重要さ、魅力を、Web担当ながら、しみじみと感じました。
このJATEC前橋コースの紹介は近日ホームページに公開予定です。
高度救命救急センターのホームページに救急外来というページがあります。
http://www.gunma-redcross-icuqq.com/er/index.html
このページを作るとき、これが救急医療の基本だよ、とかなんとか言われて、ページ内に使用するように渡された写真が左の写真です。
最初、この写真を見たとき、何が救急医療の基本なのか、正直全くわかりませんでした。
きっと、医療に関係ない方には、もっとわからない写真だと思います。
(写真の男性患者は模擬患者です!)
この写真は感染予防ガウンを着用した当院のセンター長が、気道に異常がある、或いは切迫したDがある患者さんに気管挿管をしているところです。その周りに救急隊員、医師、看護師が集まり、レントゲン写真、心電図、FAST所見が用意されています。そういった瞬間を撮影した写真です。
当院高度救命救急センターには、複数科の高度な加療が必要となる患者さん、重篤な状態にある患者さんが救急車、またはドクターヘリで運ばれてきます。例えば、交通事故で頭を打って意識を失っている、大出血をして意識を失っている、そのような患者さんは、救急隊員が病院に運ぶまで、またはフライトドクターが到着するまでに症状がどんどん悪くなってしまう可能性があります。
群馬ISLS/PSLSハイブリッドコースでの 救急隊員による病院前救護のデモンストレーション |
それが当院で開催されている研修コース「群馬外傷コース、県央JPTECコース」「群馬ITLS Advancedコース」「群馬ISLS/PSLSハイブリッドコース」です。
救命救急士の方々は、研修コースで学んだことを実践に活かし、患者さんが病院に到着するまでに、意識の改善、症状の安定化を図り、救急外来の医師に引き継ぎます。
また、医療関係者も受講することで救急隊の病院前の活動を理解し、また共通言語で話すことができるようになります。
私なりに様々なコースを見学や勉強して、病院前救護から引き続く救急外来での初期診療についてまとめてみました。
救急隊から病院スタッフへの患者さん引き継ぎ。 群馬ISLS/PSLSコースデモンストレーションより |
Aの異常に対する気管挿管の実技 (群馬ITLS Advancedコースより) |
つまり、鼻や口から吸った空気が気道を通らなければ全身に酸素が回りません。だから、まずは気道を確保するのです。救急外来に搬送時、気道に異常があった場合は、ただちに気道確保のため挿管し、空気を体に送りこみます。
気道確保されたら、呼吸が正常にされているかを呼吸数やサチュレーション(酸素飽和度)で評価します。呼吸が安定していれば、C(循環)の評価です。この時点で医師は患者さんの体の中に大きな出血がないか、胸部・骨盤レントゲン、FASTと呼ばれる超音波検査で確認をしていきます。もちろん内出血だけではなく外出血の評価も必要です。循環の安定化がはかれれば、次は意識レベルについて診察です。
群馬ISLS/PSLSコースではJCS、GCS評価における 切迫するD、脳ヘルニア徴候について学びます。 |
A〜Dの次はEの評価です。患者さんの服を脱がして、全身を観察し、体温が低ければ保温して体温を保ち、見落としのチェックがないかどうか確認し、生命の安全を確保します。
1月28,29日と当院教育研修センターで開催された『JATEC前橋コース』を見学させて頂きました。
2日間のコースが終わった後、改めてこの「救急外来」に使用した写真を見て、その意味がよくわかりました。
上記のように、感染予防ガウンを着用した気管挿管施行中のセンター長の背景には、レントゲン画像、超音波の機器、サチュレーションモニターなどが揃っているんですね。
まさに、救急医療の基本中の基本の写真!
そして救急医療の奥深さ、重要さ、魅力を、Web担当ながら、しみじみと感じました。
このJATEC前橋コースの紹介は近日ホームページに公開予定です。
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