新たなる挑戦!~当科医師を原町赤十字病院に派遣します。~

政府からの休校要請をもとに各自治体で休校の日程が発表されています。当院でもそれに対して医療スタッフの勤務状況などを早急に調査し、週明けからもできる限り通常の医療が提供できるように対応に追われています。
COVID-19対応に関して院内でも検討しなくてはいけないことばかりですが、現場としてはまずは目の前の問題に対してできることを粛々と進めていくのみです。ただし、医療用マスクなどの不足は深刻な事態となっており、やはり医療機関にできるだけ受診しなくてよいように一人一人がさらに感染予防のためにできることを意識していただければ幸いです。


4月より当科で新しい挑戦が始まります!

群馬県のみならず全国的に医師の偏在が問題になっています。
いままでは大学病院が地方に医師を派遣し地域医療を担っていましたが、新臨床研修医制度の導入、医師の都会好みなど様々な要素があり、地方に派遣される医師がどんどん少なくなっています。特に救急医、産婦人科、小児科が不在の地域がどんどん増えてきており、その地域を守っていただいている医療者の負担が許容できる範囲を超えています。

群馬県の救急医療については、以前より「オール群馬」での体制構築を掲げており、ドクターヘリ導入、ドクターヘリ・カーとのコラボ、局地災害時の情報共有ツール、救急後期研修の病院間連携など、様々な試みをしてきています。
しかしながら、ドクターヘリが飛行できる時間は限られていたり(視界良好、日中のみ)、地方の拠点病院への救急医の派遣が行われなかったり、とくに救急医不在の地域には大きな負担を強いてきました。

そこで群馬県では2019年9月に“具体的な医師確保対策を実施する上で関係者間の協議・調整を行うとともに、オール群馬で医師確保に取り組む体制を整備することを目的”として「群馬県地域医療対策協議会(ぐんま総合医会)」というものを設置し、その中で群馬県の面積の20%を占める吾妻地域の唯一の災害拠点病院である「原町赤十字病院」に救急医1人を派遣することを決定しました。

☆県の記者会見の様子 → https://youtu.be/vEmrm7P4y30
原町赤十字病院

そしてその医師を前橋赤十字病院集中治療科・救急科から派遣することになり、4月より当科から初めて他院に救急医を出向させます。大学病院の医局で行ってきたことを市中病院でも挑戦することになります。本来であれば若手スタッフが修練する素晴らしい機会になるのですが、県の方針もあり最初は“ベテラン医師”の派遣となります。

災害拠点病院の拠点化のみならず吾妻地域のMedical control体制の再構築を行うために、いままでその地域を守ってきていただいた医療関係者と消防の方々にアドバイスをいただき歩みをともにしながら、このミッションを軌道に乗せていきたいと思います。
大切なことはスタートだけではなく、この派遣をずっと続ける体制を維持することです。今回のミッションは県からの依頼であり、当科のみならず大学病院救急部、他の救命救急センターにもぜひ協力していただきたいと考えています。

群馬県の救急医療・・・前橋日赤、群馬大学などを本丸とすれば、真田家ゆかりの土地にある原町日赤はまさに“真田丸”として、地方から群馬の救急医療を盛り上げていく時代に突入です!
東吾妻地域:山の向こうは新潟県
西吾妻地域:山の向こうは長野県

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