“ダメージコントロール”と“トラブルシューティング”

町田です。
COVID-19に伴い亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、入院治療や自宅・施設などで待機を余儀なくされている皆さまに心よりお見舞い申し上げます。また今まで、そしてまさに今この時間もCOVID-19対応をしている医療者を、どうか暖かい目で見守っていただけると幸いです。
https://jadm.or.jp/sys/_data/info/pdf/pdf000121_1.pdf



先日ジャーナリストの方の講演を拝聴する機会をいただきました。
紛争地域で逃げる人々と逆行しなくてはいけないのがジャーナリストと医療者であり、その時に大切なことは「“ダメージコントロール”を行い最小限の被害におさえることを目標に活動する必要がある」という言葉が印象に残りました。

以前僕は尊敬する先生に「安全な医療はない」と教わりました。
多くの方々にとっては信じられないようなことかもしれませんが、薬を処方しても副作用の可能性があったり、注射であざを残したり、手術ではちょっとでも切るところを間違えれば大出血をしてしまうなど、医療行為自体がリスクのかたまりかたまりといっても過言ではありません。

安全管理という言葉は本当は間違いであり、リスク管理で得られる結果が安全です。
だから医療者は常にリスクと戦っている日々を過ごしています。
写真はイメージ(研修会)です。


しかしながら多数傷病者が発生するような事案や大規模災害対応においては、残念ながらすべての傷病者に100%完璧な対応ができることはありません。そのなかでいかにダメージを少なくするように活動を行うかが大切になっていきます。

そのためにあらゆる事態を想定してその対応法をある程度イメージしておくことが大切です。
一般的に安全といわれる診療においても、マニュアル通りやれば問題ないという思いは捨てて、常にリスクを評価して、予定外のことが起こっても落ち着いて“トラブルシューティング”を実行できるようにしていかなくてはいけません。
写真はイメージ(訓練)です。


今のご時世だからこそ、今回のジャーナリストの方のお話が胸に響きました。
確かに以前在籍していた病院で、手術中に先輩から「手術はトラブルシューティングの繰り返しで、そのダメージを最小限にすることで安全に終了できる」とご指導いただき、その言葉を後輩の小手術の助手で入るときに伝えるようにしています。
“ダメージコントロール”と“トラブルシューティング”、この2つの言葉をこれからも常に心に刻んで医療に取り組んでいきたいと思います。



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