なんちゃって“気象予報士”!~五感で天気を予想できます!?~

町田です。
今日は朝からとんでもない強風(あまりの強さに恐怖です)が吹き付けていて、屋上の風速計では最大で26m/sec(約50ノット)を記録しました。ちなみに台風とは「北西太平洋または南シナ海に存在する熱帯低気圧で、かつ低気圧域内の最大風速が約17 m/s(34ノット)以上にまで発達したものを指す呼称」とのことで、超大型台風並みの風が吹きつけていたことになります。
今日も青空が広がっていて前橋市ですが、ドクターヘリは終日運休で、救急外来の中にいても「ビュービュー」と風の音が聞こえていました。


ドクターヘリは有視界飛行のため、視界不良時や夜間は運航していませんが、それ以外にも特に群馬県の場合では冬の北風や夏の夕立にもかなり気を使わなくてはいけません。そのため運航クルーが様々な気象サイトも駆使しながら、運航の可否や運航エリアを常に確認しています。
このようにして天候判断は運航クルーに医療スタッフは従うことになりますが、ドクターヘリ業務に10年以上かかわっていると、何となく天気の変化や風の状況が五感でわかることがあります。

北風の強さに関しては、北の山々の見え方である程度分かります。
今日は谷川岳は見えず赤城山の頂には雪雲が流れ込んでいました。
前橋が晴れている状況で、県北の谷川岳まですっきり見えていると風はさほど強くなく、飛行中の揺れなどによるストレスもほとんど感じません。しかし、赤城山・榛名山は頂まで見えるけど、谷川岳が見えないときはやや風が強く、飛行中の揺れに対する患者への配慮が必要になります。そして赤城山・榛名山の頂に雪雲がかかっているときは・・・その日のヘリ運航はあきらめないといけないような状況です。
社会の教科書に載っているように、大陸からの強い風が越後山脈にぶつかり新潟に大雪を降らせ、雪を降らせた後の乾いた風が関東に吹き付けるのが典型的な冬の天気ですが、その風が弱ければ新潟県境の谷川岳まではっきり見え、北風が強く雪雲が流れてくれば県南部に近い山々まで雲に隠れてしまします。ちなみにこの越後山脈からこぼれた雪雲のおかげで、群馬県北部は一大スキーリゾート地となっています。

それ以外にも、冬であれば「病院近くの清掃工場の煙突の煙が斜めならまだ運航可、真横なら運休」、「南風が吹けば天気が崩れる」、夏であれば「昼過ぎに空気のにおいが変われば夕立が来る」など、五感で天気を感じることが少しずつできるようになりました。


詳細な気象図を読めたりするわけではないですが、なんちゃって“気象予報士”の気持ちで、なんとなくヘリ当番の日は勝手に天気の変化の予想をしています。ちなみに某気象予報士(元都知事の息子)が「天気予報がいつも当たったらドキドキしなくてつまらないだろ!」とテレビで迷言を吐いてくれたので、予想が外れていても気にしていません。
救急車搬入口には北風ブロックのシャッターがついています。

コメント

  1. 天気予報において、スーパーコンピューターが計算して出す予測情報もありますが、
    それ以上に、毎日ヘリに乗って実際に「空」を飛ばれている方、その土地に住んでいる人の肌感覚、
    経験知、観天望気に勝るものはないと、20数年気象業務をやっていて感じる所です。
    ドクターヘリ安全運航の為にも是非その経験知の共有をお願いできればと思います!
    (一応本物の気象予報士より)

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    1. 本物の気象予報士さん、コメントいただきありがとうございます。
      医療スタッフはやっぱりなんちゃってですが、運航クルーはかなり天候の変化に敏感である印象があります。ドクターヘリはいつ要請がかかるかわからないので、常に天気を気にしながら待機しています。

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