「災害医療体験記」~雑誌「救急医学」2019年12月号より~

町田です。
先日講演する機会をいただいた娘の小学校のPTAセミナーについて、保護者の方々から感想が届きました。非常に温かい言葉をいただき、子供と一緒に「いのち」について自分たちができることを伝える活動を続けていてよかったと心から感じた次第です。


今回は医学雑誌に投稿した話です。
へるす出版より毎月出版されている「救急医学」の特集「災害医療体験記」に僕の書いた記事を載せていただきました。

この特集の投稿者はリレー方式になっており、僕は小児救急や病院前診療などでいつも刺激を受けている県立広島病院の多田先生より推薦をいただきました。

タイトルは「関越自動車道高速バス居眠り運転事故~その対応の失敗から学んだこと~」です。

(記事の冒頭)
20113月に発生した東日本大震災において,当院はDMAT,日赤救護班,こころのケアチームあわせて22チームを約11か月にわたって被災地に送り続けた.このことは当院の災害対応の貴重な経験となったと同時に,「前橋日赤は災害対応に強い」という勘違いさせてしまった.「日本のどこでも駆け付ける」という思いを持ったままその日がやってきた.


2012年4月29日に発生した本事故において、もちろんその当時は1人でも多くの救命のために関係各機関は全力を尽くしましたが、いまでも‟局地災害対応”のスピード感についていけなかったことが悔やまれます。
その思いは病院だけではなく県、消防、警察すべてが感じており、そこから群馬県の局地災害対応はどんどん進化していきました。


災害対応はいつも反省が残ります。
しかしその反省を次に生かすかが大切であり、今回の投稿は失敗談に近い内容から始まっていますが、そこから学び得たことを多くの関係者の方に共有できればうれしく思います。
もちろんまだまだレベルアップは必要であり、そのために日々の診療の積み重ね、そして関係各機関との連携強化に努めていきます。

(記事の末尾)
まさに「局地災害対応はスピードが命!」である.同じ多数傷病者事案でも時間,場所,対応するスタッフなど条件によって平時の救急医療対応か局地災害対応かわかれることもある.災害医療と救急医療は別の医療ではなく,特に局地災害における医療は救急医療の延長に過ぎない.群馬県が獲得した局地災害に対する初動体制をしっかり維持するために,平時の救急医療のレベルアップとともに災害時の対応を意識した対応を続けていくことである.



ちなみにこの特集のバトンを僕が次に引き継いだのは、こちらも刺激をいつも受けまくっている日本医科大学千葉北総病院の本村先生です。よろしくお願いします!

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