局地災害対応時こそ平時のドクターヘリ連携が生かされます!

町田です。
皆様の報道等でご存知かもしれませんが、昨夕群馬県内でバスの転落による多数傷病者対応がありました。亡くなられた方がいらっしゃらなかったことが何よりでしたが、けがをされた方々の1日も早い回復を心より願っております。


事故の詳細については本ブログでは特に書きませんが、この災害対応においてはかく関係機関の多大なる協力があったことを紹介させていただきます。

群馬県ではもう当たり前となりましたが、消防指令センターから局地災害発生情報が「統合型医療情報システム」に通知され、その情報を受けた各病院ではすぐに傷病者受入可能数とDMAT出動可否を本システムに入力することで、あっという間に県内の医療体制の概要をつかむことができました。

今回は消防覚知とほぼ同時にドクターヘリ要請、DMAT要請通報があり、ドクターヘリ要請から8分で当院からDMAT 4名をのせて現地に向かいました。またドクターヘリ離陸から数分後には“平時から現場地域で連携活動を行うことがある長野県西部ドクターヘリ(佐久ドクターヘリ)に応援要請”しました。
最終的に群馬県ドクターヘリで4人(医師2・看護師2)、佐久ドクターヘリで3人(医師2・看護師1)のDMAT隊員が今回の事故による傷病者の集積場所としたランデブーポイントに集結し、さらに前橋赤十字病院ドクターカーで3人(医師1・看護師1・業務調整員1)のDMAT隊員が駆け付けました。
消防の指揮隊長と救急隊長、佐久医療センターの医師と何度も活動方針の確認を行いながら、最終的に14名の傷病者を日没までに病院に搬送することができました。

今回の活動で当院災害対策本部でバックアップしてくれたスタッフの方々、現場で多くのアドバイスをいただいた佐久医療センターのスタッフの皆様、ドクターヘリ2機で安全にピストン搬送していただいたヘリクルーの皆様、傷病者の受け入れにご協力いただいた各病院のスタッフの皆様に心より感謝いたします。また傷病者の待機場所としてランデブーポイントにある施設を使用させていただいた行政の方のご協力にも感謝いたします。



活動する場所を撤収する前に現場に残った指揮隊長をはじめとする消防の方々と当院DMATで警察、報道の方も交えてきっちり15分近いデブリーフィングをおこない、次回さらに良い活動するためにアイデアを出し合った後に帰還しました。
消防・警察・医療が一体になって活動する姿は
群馬ではすでに見慣れた光景になってきました!

今回の活動では平時より基地病院間で連携強化を行っている佐久総合医療センターと佐久ドクターヘリの協力をいただきました。すでに遠慮せずに応援要請できる良好な関係、お互いのドクターヘリ症例検討会に参加していることによる強い顔の見える関係、なによりもちょっとの会話だけで共通の活動方針を理解できる関係が存在しています。
災害時のドクターヘリの運用については、やはり平時から行っている連携活動が生かされることを今回まさに強く実感しました。
今回応援に駆けつけていただいた佐久ドクターヘリ!

さらに重症者が増えた場合でも、広域連携エリア外ではあるものの平時の連携活動を行っている栃木県・埼玉県ドクターヘリも応援要請しうまく協働できるイメージも浮かんでいました。実は本災害対応中の県内ドクターヘリ事案に広域連携として埼玉県ドクターヘリが駆け付けてくれました。


平時行っていないことを災害時には急にできません。そのために災害時は平時からちょっとだけ応用した形でできるようにもっと平時からの連携関係を推し進めていきたいと思います。

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