“意外と多い「高齢者てんかん」の話”~群馬大学 山崎恒夫先生ご講演~

後期研修医の西村です。
36日に当院で「第140回地域連携学術講演会」があり、今回は「救急とてんかん」というテーマで、群馬大学 保険医療学科 教授の山崎恒夫先生をお招きしご講演いただきました。

最初に私のほうから一般演題として「当院ERにおける高齢者非けいれん性てんかん発作の特徴」という題で話をしました。
“てんかん”と聞くと、手足をガクガク震わせるけいれん発作をイメージしますが、実際にはそういった体の動きを伴わないてんかん発作があります。具体的には、突然発語がなくなったり、同じ動作を繰り返したり、うろうろ動き回ったりします。そのような“非けいれん性”のてんかん発作が、当院ERにどのくらい来院されているのかを調査し、結果を発表しました。

後半は、山崎先生から『意外と多い「高齢者てんかん」の話:はじめから丁寧に』という題の講演をいただきました。
群馬大学 保健医療学科 教授 山崎 恒夫 先生

そもそも「てんかん」とは何かという話から始まり、典型的な大発作や先ほど述べた“非けいれん性”のてんかん発作の動画を見て、そして実際に先生がこれまでに経験した「高齢者てんかん」の症例を提示していただき、非常に分かりやすく、そして具体的にてんかんのお話をしていただきました。


今回のテーマであった「高齢者てんかん」ですが、タイトルのとおり、意外と多いということがあらためて再認識されました。
そしてやっかいなのが、発作が起こっても気づかれにくく、認知症と誤診がされやすいという点です。山崎先生からも、手足をガクガクさせるてんかん発作ではなく、目が合わずぼーっとし、開眼はしてるが反応はなく、口や手足が同じ行動を繰り返したり、発作後にもうろうとするのが高齢者てんかんの特徴でもあり、これを「てんかんだ!」と気づくのは難しく、また「歳のためだろう。認知症だろう」と思われがちで、なかなか診断にたどり着くのは難しいとのことでした。
しかし、てんかんであれば、薬がよく効き、症状の改善が期待されるため、まずはこういった高齢者てんかんの特徴を知ってもらい、「てんかんかも?」と疑うことが大切であるとのお話でした。


今回の講演会は当院の職員だけでなく、市内の病院から先生や、救急救命士さんも参加されており、みなさん熱心に話を聞いておられました。私自身、発表者ではありましたが、今回の講演会を通して、いろいろ勉強させていただきました。お忙しいところ話をしていただいた山崎先生、大変分かりやすいご講演ありがとうございました。

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