“呼吸ECMOの将来性”~広島大学 大下慎一郎先生ご講演~

増田です.
213日,当院で恒例行われており今回138回目となる地域連携学術講演会が開かれました.今回は,当科・呼吸器内科合同での企画で,間質性肺疾患に対するECMOを含めた集学的治療に焦点を当てた会でした.


僭越ながら一般演題を増田が担当させていただきました.当院で間質性肺疾患による重症呼吸不全に対し,ステロイド投与に加え深鎮静筋弛緩・ECMOPMXCHFrTM,といった手段を用いて寛解へ導けた2症例の報告と,当院ECMOセンターの取り組みの紹介をしました.

その後の特別講演に,広島大学から大下慎一郎先生をご招きして,『呼吸ECMOの将来性』と題した最新の知見をお話いただきました.
大下先生は呼吸器疾患のみならず救急・集中治療をも専門とされており,広島県ドクターヘリのフライトドクターでもあります.そして国内のECMOプロジェクトにも関わり,今年3月に広島で行われるECMOシミュレーションのディレクターとなられています.
広島大学 救急集中治療医学 准教授 大下 慎一郎 先生
 従来,間質性肺疾患による重症呼吸不全は主に緩和の方針となることが通例でした.しかし,ダメージを受けた肺を“休める”ためにECMOを用いて生命を維持し,その間に上記のような治療を行う.これにより,もう一度患者が自宅に帰って穏やかに過ごす時間を作れる可能性が広がる,と思いました.

 
 
終了後は懇親会が開かれ,ワインをお嗜みになるという大下先生を囲み,赤ワイン片手に盛り上がりました.


“前橋日赤の若手の先生は臨床,学会発表,論文作成など非常に生き生きと頑張っている”とのお言葉をいただきました.うれしく感じたと同時に,これに甘んじず,当科・当院が救急・集中治療を学びたい医療者にとってさらに好ましい環境となるにはどうすべきか,今後も考え続けていかなければと思いました.

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