平成30年北海道胆振東部地震の活動報告① 『日赤災害医療コーディネートチーム』

9月に入り“台風21号”そして“北海道胆振東部地震”に伴う大きな災害が続いて起こりました。日本列島に大きな爪痕を残すだけではなく、かけがえのない命が多く失われてしまいました。
亡くなられた方のご冥福を心からお祈りするとともに、被害にあわれた方々のお見舞いをお申し上げます。

台風21号に関しても当院では情報収集を行いながらいつでも支援できるように心構えをしていました。実際には直接お手伝いができないまま「平成30年北海道胆振東部地震」が発生し、最初の最大震度6弱の情報(のちに7と更新)からすぐに院内災害対策本部を立ち上げて本地震に対する活動を開始しました。


僕は地元が北海道ですが、まさかこれほど大きい地震が起こるとは思っていなかったのと同時に約25年前の北海道南西沖地震の際の大きな被害を思い出し、すぐに病院に駆けつけました。
実家にはなかなか連絡が取れず、そしてまさかの北海道全停電・・・何をしてよいかわかりませんでしたが、当院から急な救護班派遣の可能性が低かったことやちょうど北海道に出張予定(その予定は中止)であったこともあり、センター長の許可のもと翌日に地元札幌に帰省させていただき、実家の両親が無事であることを確認できました。ご心配頂いた皆様、心より感謝いたします。

そして日本赤十字社の指示のもと9月8日からそのまま札幌に残り、「日赤災害医療コーディネートチーム」として日本赤十字社北海道支部で活動させていただくこととなりました。チームということで同日当院から高寺看護師、田村主事が駆けつけてくれて、さらに同じくこの日から参加する清水赤十字病院院長 藤城先生とともに、発災当日より日赤北海道支部で日赤災害医療コーディネーターとして活動していた旭川赤十字病院救命センター長 小林先生より任務を引き継ぎました。
 
 
日本赤十字社北海道支部に入る災害医療コーディネーターの任務は、日赤の現地での活動状況を把握し、また北海道庁での会議に参加し他の医療救護組織や保健医療に関わる機関と情報共有し、それらをもとに日赤本社に今後の赤十字医療救護活動が現地のニーズに合わせて行えるように情報提供そして日赤の資材(救護班、物資)の提供を依頼することにあります。
被災都道府県の赤十字支部はとても重要な役割を担っているため、支部職員の負担はとてつもなく大きいものであるためそのサポートをしっかり行うことが大切であり、被災地に入ったコーディネーターや救護班は支部の方針にしっかりしたがって活動する必要があります。

今回9月8~12日の5日間活動させていただきましたが、具体的には被災地から情報が発信しにくい状況のなかから様々な方法で現地の情報を収集し、また道庁の会議で他機関の活動の様子や情報を入手しながら、日赤としての活動も行政や他機関と共有することにつとめました。
また地元の医療機関が再開していたり救護所の受診者数が減少してきていること、その反面で地域の保健師さんや行政職員の疲労など地域の方々の負担軽減も考慮しながら、過剰にならず過少にもならないような救護班派遣計画について毎日支部の方々と頭を悩ませていました。


現地の活動については日赤医療救護班として派遣された藤塚先生から報告してもらいます。
日赤災害医療コーディネーターとして活動してみてまた多くのことを学びました。特に「災害医療救護活動が地域の再興の妨げにならないための活動」を行うために、地元の行政機関、他機関との調整が今後も災害からの復興のキーポイントになることをあらためて振り返ることができました。
最後に今回の活動に関して温かくおもてなしを頂いた日赤北海道支部の皆様、様々な面でサポートしていただいた日赤本社、宮城県支部、そして当院スタッフの皆様、そして北海道のことを心配していただいたすべての皆様、本当にありがとうございました。
がんばろ~、北海道!!

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