「AMRM(Air Medical Resource Management)訓練」に参加しました。

お久しぶりです,吉野です.
727日に新木場の東京へリポートにて,AMRM訓練を受けてきました.参加者は当院からは吉野,金畑先生,山田先生,生塩先生が,他施設の参加者は千葉県,埼玉県,茨城県の若手医師/看護師フライトスタッフ,朝日航洋のCS/操縦士/整備士の20余名でした.


そもそもAMRMAir Medical Resource Management)とは,航空業界の訓練であるCRMCrew Resource Management)を医療従事者用に改編したものです.今回は前半90分が講義,後半90分がグループディスカッションという構成でした.


前半の講義内容は最悪の航空機事故として挙げられる【テネリフェ空港ジャンボ機衝突事故】(死者583名)を例に,ノンテクニカルスキルを獲得し,如何にヒューマンエラーを防げるかといった内容でした.


後半は2症例を題材に3グループに分かれてグループディスカッションを行いました.

高速道路上での事故(道路上着陸不可)で,直近のインターチェンジ出口にRP設定するも,フライトDrRP設定されていないサービスエリアに「直近だから降りたい」と言い出し,CSがゴリ押しで消防から許可を得るも,実は消防はNEXCOに許可をとっておらず後から苦情が入ったという症例.

天候下り坂の中,重複要請がかかって2件目を管理Drが陸路搬送指示するも,容体悪化しヘリ搬送に切り替え.しかし1件目を基地病院に搬送し燃料補給し迎えに行って(飛行時間10分程度),帰ってくるときには雷雨に遭いギリギリだったという症例.


他の病院のみならず,朝日航洋のスタッフさんの目線から医療よりではなく運航に重きを置いた話を聞けて,改めて安全運航第一の心がけと,陸上/機中でのスタッフ間でのコミュニケーション,デブリーフィングの重要性を感じました.尚,北海道ではRP設定外の場所への着陸は事後承諾でいいらしいです.すごい.

訓練後は朝日航洋の格納庫と,東京へリポートを見学させてもらいました.各テレビ局の報道ヘリや見慣れたMD機もあり,またヘリポート自体はアジア最大らしく(ヘリパットが40以上ある),夜になればここからデ〇ズニーの花火も観られるらしいです.

 知り合いの施設では,自施設内で定期的にこのAMRM訓練を行って安全の認識を高めているところもあります.無事故なのは当然として,これからもより安全に運行を続けていくため,こういった機会を設け続けてスタッフ全員で共有できるといいなぁ…と思います.

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