「災害薬事業務従事薬剤師研修会」に講師として参加しました。

中村です.
34日に,災害薬事業務従事薬剤師研修会に講師として参加しました.
この研修会は2014年度から行われており,今年で4年目とのことでした.会場は,前橋赤十字病院 博愛館で行われました.

出席者は,全部で59名(薬局薬剤師さんが31名,病院薬剤師さんが11名,行政に係わる薬剤師さんが11名,卸さんが6名)でありました.
講師は,前橋赤十字病院から6名(医師1名,看護師1名,主事1名,薬剤師3名)に参加してもらいました.


研修会の開始は1030分でしたが,講師陣は9時に集合し,当日のシミュレーションの資料打合せを行いました.どうしても準備は直前になってしまいます・・・.
研修会のプログラムを添付します.

災害時の活動には大きく分けて『受援』と『支援』があります.今回の研修会ではその両方の状況を学べるようなプログラムとしました.

最初に,共通項目として,『災害医療と薬剤師の役割』という題目でCSCATTTおよびCSCAPPPの話をしました.CSCATTTは有名な文言ですが,PPPとはPharmaceutial Triage(薬事トリアージ),Preparation(準備),Provide medicines(供給・調剤)であり,災害時薬事支援の内容となります.

次に,『受援』の内容として,災害想定俯瞰演習(MAPD)をCSCAの机上演習を行いました.MAPDでは,関東平野北西縁断層帯主部による地震を想定して前橋,高崎,藤岡,渋川,太田断層による地震を想定して桐生,太田での被害想定等を地図に落としこみました.
受講者の薬剤師さんは最初戸惑っていましたが,徐々に机に乗り出して地図に被害状況を書き込んでいました.その後,各市の被害状況の発表を行ってもらいました.被害はかなり甚大であります.そのことを実感して頂けたのではないかと思います.
CSCAの机上演習では,6つに分けた班をそれぞれ,薬局,病院,卸,行政に分けて,自分たちの組織の指揮命令系統や連絡をとる可能性がある組織について考えてもらいました.薬事的な連絡場所も各組織でマッチせず,今後適切なフロー図の作成が必要であることも判明しました.

『支援』としては,薬剤師として災害支援に行かれた高橋理事の経験や,武智会長から五師会(医師会,看護師会,薬剤師会,歯科医師会,柔道整復師会)による災害時の医療活動についておよび薬剤師向けの災害研修の話をして頂きました.

最後に,1995年の阪神淡路大震災,2011年の東日本大震災,2016年の熊本地震における課題とその課題からの国の施策および20177月に出された『保健医療活動に係る体制の整備』について話をさせて頂きました.


今後も,このような研修を続けていき,災害時には多職種と連携図れる体制作りを目指していきたいと思います.

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