予測、準備、そしてトレーニング!~「第107回DAM実践セミナー」参加報告~
後期研修医の西村です。
今回は10月14日に静岡市立静岡病院で開催された日本医学シミュレーション学会主催「第107回DAM実践セミナー」に参加してきた報告です。
みなさん、「DAM」と聞いてなんだか分かりますか?お恥ずかしながら私は医者になって救急・集中治療のことを勉強するまではDAMと言われてもピンときませんした(やはり真っ先に思いつくのが、水をせき止めるあのダムです)。
DAMとは「Difficult Airway Management」との略で、つまり「Airway=気道」の確保が困難な症例にどう対応・管理するか、という意味です。
気道=空気の通り道が開通していないと、当然呼吸ができません。呼吸ができないと酸素がとりこめなく、いくら心臓が動いていても死んでしまいます。つまり人間が生きていくには、まずはこの気道を開通させることが最も重要なのです!
その気道確保が困難というのは、例えば、顎が小さい、とても太っている、首が短いなど体系的に難しい場合や、顔面外傷で口の中が血でいっぱい、首を損傷している可能性があり首が動かせない、喉が腫れているなども含まれます。そういった症例に対し、どう対応するかというのを1日ですが学んできました。
まずは気道確保困難を予測し、準備することが大切です。そしていざ気道確保困難です!となったときに、どのような流れでどういった対処をするかを学びました。実際にいろいろなデバイス(器具)を人形に使ってみたりもしました。
またデバイスを使ってもどうしようもないときの最終手段として、輪状甲状靱帯穿刺・切開という方法があるのですが、首のところに直接メスで穴をあけ空気の通り道をつくるというものです。これを本物の豚の喉を使って、実際にやってみました。
意外とコツが必要で、いざというときに数十秒でこれをやらないといけないと思うと、こういったトレーニングは非常に重要だと思いました。
後半は、3人1組のチームになって、人形を使ってのシミュレーションを行い、どんなときにどのデバイスを使って、それが無理だったらどうするかなど、実際に動いてやってみました。
人形といえども、「うまくいかない!」「SpO2が下がってきた!」という展開は焦りました・・・。
今回の参加者は、半数以上は麻酔科のドクターで一部救急科や集中治療科、外科の先生がいました。経験年数も私みたいな後期研修医もいれば、部長クラスの先生方までいて、それほど気道確保というのは重要で、かつ難しいものなんだなと感じました。
講師陣の先生方や経験豊富な麻酔科ドクターの先生方からは、「過去にこういう怖い思いをした」「こういう事態になったことがあるが、こう対処した」など、リアルな実体験が聞け、そういった点も勉強になりました。気道が閉塞すると、本当にあっという間に人間は死んでしまう。だからこそ、予測・準備し、こういったトレーニングをすることが大切だと感じました。
最後ですが、初めて静岡に行ったのですが、非常に都会で、同じ県庁所在地の前橋との違いにびっくりしました。魚もおでんもおいしく、静岡とてもいいところでした。
*過去のコースにも当科スタッフが参加しています。
・第88回・・・http://drheli-gunma.blogspot.jp/2016/07/88dam.html
・第93回・・・http://drheli-gunma.blogspot.jp/2016/10/93dam.html
今回は10月14日に静岡市立静岡病院で開催された日本医学シミュレーション学会主催「第107回DAM実践セミナー」に参加してきた報告です。
みなさん、「DAM」と聞いてなんだか分かりますか?お恥ずかしながら私は医者になって救急・集中治療のことを勉強するまではDAMと言われてもピンときませんした(やはり真っ先に思いつくのが、水をせき止めるあのダムです)。
DAMとは「Difficult Airway Management」との略で、つまり「Airway=気道」の確保が困難な症例にどう対応・管理するか、という意味です。
気道=空気の通り道が開通していないと、当然呼吸ができません。呼吸ができないと酸素がとりこめなく、いくら心臓が動いていても死んでしまいます。つまり人間が生きていくには、まずはこの気道を開通させることが最も重要なのです!
その気道確保が困難というのは、例えば、顎が小さい、とても太っている、首が短いなど体系的に難しい場合や、顔面外傷で口の中が血でいっぱい、首を損傷している可能性があり首が動かせない、喉が腫れているなども含まれます。そういった症例に対し、どう対応するかというのを1日ですが学んできました。
まずは気道確保困難を予測し、準備することが大切です。そしていざ気道確保困難です!となったときに、どのような流れでどういった対処をするかを学びました。実際にいろいろなデバイス(器具)を人形に使ってみたりもしました。
すべて気道確保デバイスです。もっとあります! |
意外とコツが必要で、いざというときに数十秒でこれをやらないといけないと思うと、こういったトレーニングは非常に重要だと思いました。
後半は、3人1組のチームになって、人形を使ってのシミュレーションを行い、どんなときにどのデバイスを使って、それが無理だったらどうするかなど、実際に動いてやってみました。
人形といえども、「うまくいかない!」「SpO2が下がってきた!」という展開は焦りました・・・。
人形を使ってシミュレーションしました! |
今回の参加者は、半数以上は麻酔科のドクターで一部救急科や集中治療科、外科の先生がいました。経験年数も私みたいな後期研修医もいれば、部長クラスの先生方までいて、それほど気道確保というのは重要で、かつ難しいものなんだなと感じました。
講師陣の先生方や経験豊富な麻酔科ドクターの先生方からは、「過去にこういう怖い思いをした」「こういう事態になったことがあるが、こう対処した」など、リアルな実体験が聞け、そういった点も勉強になりました。気道が閉塞すると、本当にあっという間に人間は死んでしまう。だからこそ、予測・準備し、こういったトレーニングをすることが大切だと感じました。
最後ですが、初めて静岡に行ったのですが、非常に都会で、同じ県庁所在地の前橋との違いにびっくりしました。魚もおでんもおいしく、静岡とてもいいところでした。
*過去のコースにも当科スタッフが参加しています。
・第88回・・・http://drheli-gunma.blogspot.jp/2016/07/88dam.html
・第93回・・・http://drheli-gunma.blogspot.jp/2016/10/93dam.html
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