「DMAT広域医療搬送実機訓練」に参加しました!

みなさま、こんにちは。堀口です。

先日、DMATの広域搬送実機訓練に参加してまいりました。当院からは訓練生として医師2名、看護師2名、業務調整員1名の1チームが参加したほか、指導者として3名が参加しました。訓練は群馬県の榛名山にある陸上自衛隊相馬原駐屯地で行われ、県内外から41名が訓練を受けました。


DMATの活動には病院支援や救護所での活動などいろいろありますが、その一つに広域医療搬送というものがあります。被災地から離れた地域へ傷病者を搬送しますが、自衛隊の大きな航空機を使って複数の傷病者を搬送します。最も大きな航空機はC-1あるいはC-130と呼ばれる、いわゆる「飛行機」です。この場合、一度に8名~10名の傷病者を一度に搬送でき、DMAT4チームが付き添って飛行します。
今回の訓練ではCH-47(通称チヌーク)と呼ばれるヘリコプターを使って行われました。チヌークでは一度に4名の傷病者を搬送でき、DMAT2チームが付き添います。飛行機よりは小さいですが、ローターを含めて全長30mと非常に大きなヘリコプターです。人員の輸送だけを行う場合は55名を搬送できます。群馬県ドクターヘリのBK117が全長11mですので、その2倍以上、なかなかの迫力でした。
CH-47(“チヌーク”)

訓練ではまず、医療資器材の固定訓練を行いました。
写真のように、バックボードに結束バンドを用いてモニター、輸液ポンプ、人工呼吸器などをがっちり固定します。離着陸時や飛行中も揺れるので固定が大事なのはもちろんですし、機内での活動がしやすいように配置を計算して固定する必要があります。
固定が出来たらバックボードごとチヌークの中に運び込んで機内換装を行い、傷病者を受け入れられるように仕様を変更します。




次に、傷病者を搭載する訓練です。広域医療搬送では広域搬送拠点医療施設 (Staging Care UnitSCU) というスペースが設置され、そこで一度傷病者を安定化させます。
航空機で搬送することが決まると、DMATチームがSCUから航空機まで搬送して機内DMATチームに引き継ぎます。この時の担架の載せ替え、機内での固定を行いました。チヌークの内部は意外に暗く、細かいところが見えにくいのが印象的でした。


最後に、機内環境体験訓練を行いました。実際にチヌークを飛ばしていただき、前橋、高崎の上空を約20分飛行して頂きました。
エンジンの音が大きく、通常の会話はできません。DMAT隊員間や、自衛隊員のかたとのやり取りは、身振り手振りやホワイトボードを用いて行うのが便利でした。太陽との角度によっては機内が暗く、ヘッドランプは必須です。飛行はおおむね安定しており、歩きまわってもあまり危険は感じませんでしたが、時折大きく揺れるので注意が必要でした。
ドクターヘリより高度が高く、上空からの眺めもよかったです。


搬送のシミュレーションはDMAT隊員養成訓練で受けていましたが、実際の機体を使って訓練できたことは非常に良い経験でした。実際の災害派遣時には、今回の経験をしっかり役立てたいと思います。

コメント

このブログの人気の投稿

先日ブログでご紹介した新型コロナワクチン筋注方法について訂正があります

新年度集合写真

OB/OGからのコメントをいただきました。