大規模災害対応の第一歩を出遅れないようにするために・・・「DMAT自動待機基準」

町田です。
昨晩は発生した「平成28年熊本地震」において、本日21時の時点で9名の尊い命が失われました。心からご冥福をお祈り申し上げます。また多くの方々がけがをされ、また避難生活を送っています。1日も早いけがの回復と、元の生活に戻ることを願っています。
また発災直後より医療、警察、消防、自衛隊、行政をはじめ、あらゆる機関が現地に入り活動しています。医療チームに関してはDMATや赤十字救護班に関しては主に九州地区のチームを中心に活動しており、いまでも多くのチームが活動しています。余震もまだまだ続いているので安全最優先での活動で頑張ってください。


当院では災害情報が入ると、当直帯では当直医長(救急科医師)、当直看護師長、管理事務当直で「情報収集チーム」を立ち上げ、あらゆる手段で情報を入手しながら“10分以内”に「災害対策本部設置&DMAT隊員参集」の発動を決定します。
 

しかし、今回は情報収集チームの立ち上げは行わず、発災4分後には「院内災害対策本部設置&DMAT参集」を行いました。
当院は赤十字病院であり過去の多くの災害において赤十字救護班として活動を行っているとともに、超急性期にもすぐに対応できるようにDMATチームとしての活動も行っています。

そしてDMAT隊員が絶対に忘れてはいけないことの一つに『DMAT自動待機基準』があります。

<DMATの待機要請>
都道府県、厚生労働省等は、自然災害又は人為災害が発生し、被災地域外からの医療の支援が必要な可能性がある場合は、DMAT派遣のための待機を要請する。
・ 待機要請の手順は、派遣要請の手順に準じて行う。
・ 次の場合には、すべてのDMAT指定医療機関は、被災の状況にかかわらず、都道府県、厚生労働省等からの要請を待たずに、DMAT派遣のための待機を行う。

今回は「② その他の地域で震度6弱以上の地震が発生した場合」があてはまりました。ここでいう『自動待機』とは病院からいつでも出動できる準備そしていることであり、つまり病院からの参集指令がなくてもDMAT隊員は病院に集まって準備を始める必要があります。(もちろん病院からはすぐにDMAT隊員に参集依頼をかけ、同時に情報収集を開始しています。)


ちなみに当院の「情報収集チーム立ち上げ」「院内災害対策本部設置」の基準は以下の通りになっています。

1.院内対策本部設置および初動救護班(DMAT)参集を行う前に、『情報収集チーム』を立ち上げる基準
     群馬県内において、災害または事故により、多数傷病者発生または発生の恐れの情報を入手したとき
     群馬県内の消防・警察より、多数傷病者発生および発生の恐れの通報があったとき
     群馬県内に震度5弱の地震が発生したとき
     2ブロックおよび長野県に震度5強以上の地震が発生したとき
     2ブロック以外または長野県以外に震度6弱以上の地震が発生したとき
     上記以外で院内対策本部設置前情報収集チームの設置が必要と判断したとき
 2ブロック*=茨城県、栃木県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県、新潟県

2.院内対策本部設置及び初動救護班(DMAT)参集する基準
   群馬県内において,災害または事故により,死傷者10名以上発生または発生の恐れがあるとき
   群馬県内に震度5強以上の地震が発生したとき
   群馬県より群馬DMATの出動要請があったとき
   群馬県内の消防・警察より群馬DMATの出動要請があったとき
   EMISによる日本DMATの待機要請または出動要請があったとき
   上記以外で院内対策本部設置前情報収集チームが必要と判断したとき


これらは「災害対応の最初の第一歩」を出遅れないようにするための大切な基準です。
あらためて振り返るために今回のブログで紹介させていただきました。

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