命の大切さ、応急処置の大切さを伝えるために・・・

町田です。
5月だというのに台風の心配をしないといけないとは・・・日本の四季もとてもおかしな感じになっていますね。これから雨風が強まってくる地方の皆様は十分お気を付け下さい。ECMO、外傷の国際学会からただいま帰国の途についている鈴木先生、藤塚先生、小倉先生、小橋先生、劉先生は無事に帰ってこれるでしょうか?


救急医療に携わっていると、目の前の重症患者さんに対して初期診療、決定的治療、集中治療管理の大切さを日々体感しながら過ごしています。もちろん重症患者の一人でも多くの方の救命、社会復帰を目指して頑張っていますが、ちょっと落ち着いてみると「何とか重症患者の数を減らせないか?」と考えることがあります。

救急医にとって重症患者への対応は最も大切な任務でありますが、そのような重症患者の発生を防ぐために一般市民への啓蒙活動がとても重要な意味を持っています。
特に学校での事故は、けがや事故にあった児童・生徒はもちろんのこと教職員や保護者の方々への心のダメージや若い命の喪失という社会に及ぼす影響が大きいです。

ということで今年も当科では児童・生徒や教職員対象の講演会や研修会を開催します。
現時点では以下の予定が決まっています。
1.小学生対象のドクターヘリ見学&命の授業→5月 渋川市内小学校
2.小学生対象の命の授業→6月 みどり市内小学校
3.教職員対象のエピペン&AED講習会→5-8月 前橋市内高等学校(7校)
4.大学生対象の講義(救急医療、ドクターヘリ、災害医療)→7月 群馬大学教育学部(3コマ)
5.養護教諭対象の学校安全講演会→8月 前橋市小中学校
6.生徒対象の救命講習会→10月 前橋市内高等学校
教職員対象の「エピペン&AED講習会」
小学生対象の「命の授業」

また平時の救急・災害医療、ドクターヘリ活動についてご理解いただく意味も込めて、上記以外にも今月は一般市民や専門職向けの方に講演活動を行います。
http://www.lp21.net/cgi-bin/main/spe/topics.cgi
http://scholar.tokyo/


心肺停止患者さんの救命・社会復帰率に関しては、救急隊や応急処置や救急医の初期診療よりもなによりもバイスタンダーによる心肺蘇生(胸骨圧迫、AEDなど)の有無がより大きく左右します。
また子供の命を守るのは周囲の大人の意識がとても大切であり、保護者、教職員などに子供の安全教育と救命講習会を積極的に継続していきます。そして子供たちと「命の大切さ」についてこれからも一緒に考えていこうと思います。

ある小学生が僕たちに教えてくれた大切な言葉があります。
『命を守ることはみんなの笑顔を守ること!』
それを皆様にお伝えすることも救急医の重要な役割です。

コメント

  1. 職員の皆様お疲れ様です。
    この話、全くその通りだと思います。
    ドクターヘリ、救急医療は社会資源として有効活用するべきですが、
    本来ならば、医療・福祉・警察・消防・救急は、訓練と啓蒙活動中心で、何も無いのが一番だと思います。(匿名記入ながら、過去に一度同じことを書きましたが)
    もちろん、急病など防ぐことが難しいものもあるのも事実です。

    今一番足りないものは、事故、外傷など防げるものは防ぐ。
    慌てる前に、先手を打つ(昼間の内に受診を済ませる)。
    患者サイドも再認識するべきだと思いますし、関係機間の方々には、積極的にアナウンスをかけて欲しいと思います。

    返信削除
    返信
    1. コメントいただいありがとうございます。
      地域を守るため一生懸命救急患者の受け入れを行っていますが、本来であれば重症患者さんが発生しないことにこしたことはありません。また一般市民の応急処置によって社会復帰する可能性が高くなれば、これが本当の地域を守ることになると感じています。
      救急医はできる限り地域のみなさんのもとに足を運んで、一生懸命啓蒙活動を行っていく必要があるとずっと思っています。もちろん消防、警察、行政が一体となることが大切ですね。
      一般市民の皆様にも自分の身を守るためにできることや、休日当番医や夜間急病診療所などの有効な利用をしていただきたいと考えております。

      削除

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