“体内炎症の原因は人の起源にあり!”~東北大学 久志本成樹先生ご講演~

藤塚です。

3月18日に開催された地域連携学術講演会において、東北大学大学院医学系研究科外科病態学講座救急医学分野教授・東北大学病院高度救命救急センター部長 久志本成樹先生が当院に来院しご講演頂きました。
東北大学 久志本 成樹 先生
 
 
まずは一般演題(座長:藤塚)として当科スタッフより以下の発表を行いました。
 
小橋大輔先生
Listeria髄膜炎による敗血症性ショックに対し集学的治療にて救命しえた一例』
・早期診断と全身管理が救命の鍵
・敗血症におけるβ blockerの有効性
 


小倉崇以先生
Traumatic Bleeding Severity Score(TBSS) :Massive Transfusion Protocol 発動基準のカットオフ設定と Gray Zone Approach
・大量輸血の開始基準となるTBSSをさらに検討し、実際に臨床導入するにあたっての改善
・全国的な前向き検討研究がおこなわれる予定


 
 
続いて、いよいよ久志本先生による特別講演(座長:中野部長)です。
 
久志本成樹先生
『変化する侵襲病態の捉え方:ミトコンドリアからDAMPsへ』
 
普段怪我をしたとき、感染症にかかった時、体内でどのような反応を起こしているのか?
何が原因になっているのか?を丁寧にお話しいただきました。
 
ミトコンドリアは細胞内構造物の一つであり、エネルギーを産生しています。このミトコンドリアは、細胞内共生といい、細胞と共存して生き残ってきました。そんなミトコンドリアは我々の細胞一つ一つに存在しています。これが外傷や感染症などで細胞が破壊されると、ミトコンドリアDNAや色々な物質が放出され、それが原因で全身性の炎症を引き起こします。詳細はこれだけではありませんが、このように我々の進化の過程で得たものが実は状態悪化の原因になっていたと。非常に面白いと思います。

 
 
講演後は、久志本先生を囲み、懇親会を開かせて頂きました。先生はなんと朝3~4時に起き、1200件ものメール対応し、執筆などもすぐに返答!!しているそうです!!我々の医学研究や臨床姿勢を考えさせられました… 若手の我々は、先生に負けないように日々努力しなければいけません。
 
 
 
色々なことにがんばります!久志本先生、ありがとうございました。また宜しくお願い致します。

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