1分1秒を無駄にしない!~救命救急センターは時間との戦いです~
町田です。
このような数字が報告されました。
前橋市消防局管内で発生した心肺停止症例の前橋市内の病院ごとの受入数です。
<平成25年>心肺停止患者搬送総数:338件
・前橋赤十字病院受入:123件
・群馬県ドクターヘリ:37件
・前橋ドクターカー:6件
⇒当院スタッフでの対応率:49.1%(146/338件)
<平成26年>心肺停止患者搬送総数:370件
・前橋赤十字病院受入:180件
・群馬県ドクターヘリ対応:25件
・前橋ドクターカー対応:15件
⇒当院スタッフでの対応率:59.5%(220/370件)
<平成27年1月>心肺停止患者搬送総数:43件
・前橋赤十字病院受入:19件
・群馬県ドクターヘリ対応:6件
・前橋ドクターカー:3件
⇒当院スタッフでの対応率:65.1%(28/43件)
当院だけの数値が伸びているわけではありません。残念ながら救急対応する心肺停止患者の数は増えており、どの病院も年々対応数が増えている傾向があります。
当院やドクターヘリ・カーでの対応数が増えているのはとても大きな意味があります。
以下の図をご覧ください。
カーラーの救命曲線 |
病気もケガもやはり迅速な初期対応が必要になります。
では次の図を見てください。
ドリンカーの救命曲線 |
当然ことながら早ければ早いほど良いのです。そして注目しないといけないことは3分を超えて急激に蘇生率が下がってしまうことです。
内因性心停止の多くが心臓の病気が原因で、そのうち電気ショックが有効な不整脈である場合が結構あります。その電気ショックをすぐに行えるために、いまあらゆるところにAEDが置かれるようになりました。
AEDによる除細動成功率 |
そうなのです。僕たちの世界は1分1秒の時間との戦いなのです。
迅速に病院で受け入れることで救急隊の現場での滞在時間がより短くなり、また積極的にドクターヘリ・カーを活用することでさらに早い段階で治療を開始することができます。
そういう意味で当院の対応数が増えていることは、当科スタッフにそのような力も少しずつついてきた証でもあります。
でも絶対に忘れてはいけないことがあります。
どんなに救急隊が急いでも、病院の受入れ率が上がっても、まずはそのような病気やけがにならないように普段から気を付けること、そしてもしそのような場面に居合わせたときに何かすることが大切です。
救命の連鎖 |
そして皆様にそのようなことを知っていただくために講習会や講演会、学校の授業などで積極的に活動することも僕たち救命救急センターに課せられた役割です。
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