やっぱり早期医療介入は大事です!

町田です。

10月も1週間が過ぎましたが、群馬も蒸し暑い日が続いています。今日は二十四節季では「寒露」とのことですが、秋が深まる様子はまだ感じません。今年は秋が短くいきなり冬が来るようです。やっぱり異常気象なんですかね?体調管理には十分お気をつけてください。また、台風24号が猛烈な勢いで日本列島にやってきていますのいで、けがや事故などに十分気をつけて下さい。


重症患者さんを救命、社会復帰に導くこと・・・そのためには『早期の初期診療の開始』『迅速な決定的治療の開始』がそろっていないといけません。ここ最近は『迅速な決定的治療の開始のために』という話題をよく書いていましたが、今日はまた『早期の初期診療の開始』についての話題です。

8月に当院で但馬救命救急センターの小林先生にご講演をいただきましたが、その際に大切なことをたくさん教えていただきました。その中に「ドクターヘリの早期要請」の話題もありましたが、群馬県の9月のドクターヘリ要請のタイミングが、今までよりも数段早くなっていました。
これはとても良い傾向です。もちろん119番の電話の内容のみで100%覚知同時要請は無理だとしても、少しでも疑わしい時に「早くスイッチを入れる」という考え方が浸透してきたことを実感しています。
【2013年9月 消防本部ごとドクターヘリ要請タイミング】
現着前(≦5min)→救急隊現着前で、消防覚知から5分以内の要請
現着前(>5min)→救急隊現着前で、消防覚知から5分を超えての要請
現着後→救急隊現着後で、救急隊判断での要請

大部分の消防本部で救急隊現着前の要請が6割を超えています。ただし要請が数件のところから20件近いところもあるので、このグラフがそのまま各消防本部の要請タイミングの考え方を把握しているわけではありません。
要請は早いけどアンダートリアージがある地域、要請は多いけど救急隊判断までなかなか要請がない地域もあります。

原則は、アンダートリアージをゼロにすることです。アンダートリアージは直接患者さんに不具合を与えます。要請は遅い地域でも現場に出た救急救命士によって確実に重症患者がピックアップされているところもあります。しかし、急げば助かった可能性があったけど時間がたってしまったために患者さんに不具合を与えることもあるので、やはり時間を意識して先制して動くことも大切です。

群馬県でも重症外傷患者さんにおいては、発症からフライトスタッフ接触までの時間によって予後の差が出ています。やっぱり早いほど重症患者さんは社会復帰をしている割合が高くなっています。
【予測死亡率50%以上のドクターヘリ外傷症例の予後(2011‐2012年度、当院搬送例)】
上段は消防覚知からフライトスタッフ接触まで30分以内
下段は消防覚知からフライトスタッフ接触まで30分を超える

「ヤバイ!」と思った時にはもう次のアクションを起こすことが必要です。失われた時間は後悔しても戻ってきません。

【2013年度上半期 消防本部ごとドクターヘリ要請タイミング】



コメント

  1. 毎日、ご苦労さまです。
    今日は、ドクヘリ、2回見ました。
    1度目は、太田市の北中への着陸、2度目は16:15頃太田市上空を東に向かい、16:38頃前橋方向へ帰って行く姿でした。

    北中に着陸した時、見に来ていた方は、すぐにヘリに乗せ飛ぶと思っていたようでしたが、ブログで教えていただいたこと(ドクターの早期介入)を説明したら、納得してくれたようです。

    返信削除
  2. 1文字違いさん、コメントありがとうございます。
    このように皆さんにご理解をいただくことが僕たちの大切な任務です。ブログをきっかけに、1文字違いさんを介してまた新たな方にドクターヘリ活動を理解していただいています。このつながりは素晴らしいことですね。心より感謝いたします。

    返信削除

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