日没との戦い!~『ポトン』という名のスタッフ送り込み~

町田です。

群馬県は海がありません。リンクさせていただいている各病院のブログで時々海の画像があると、ちょっとうらやましくなることがあります。
海はありませんが、榛名山と赤城山の山頂にそれぞれ榛名湖と大沼というきれいな湖沼があります。ここは冬になると氷結しワカサギ釣りのメッカになります。数年前は暖冬、最近は原発事故の影響でワカサギ釣りが禁漁となっており、地元の方々は今年こそワカサギ釣りの解禁をという願いが強いようです。
氷結した大沼(赤城山山頂)です!

日没時間が徐々に遅くなり、群馬県も17時台に突入しました。
もともと夕方など人が動く時間は救急出動も多く、ドクターヘリも夕方の要請が比較的多い傾向にあります。

群馬県ドクターヘリの基地病院である当院屋上ヘリポートも群馬ヘリポートも夜間照明施設がなく、残念ながら日没時間までのヘリは基地病院が群馬ヘリポートに帰還しなくてはいけません。
少しづつ日が長くなってきて人が動き出す時間に再び活動できるようになってきたためか、ここ最近は再び要請受付終了時間近くの要請が増えてきました。

ドクターヘリの最大の目的は、現場にドクター、ナース、医療機器を送り込み早期医療を開始することです。そのために日没時間にヘリが戻ることさえできれば、現場に送り込みだけを行うこともあります。もちろんヘリが帰還してもドクター、ナースは現場で医療を行い、そのまま救急車に同乗して搬送先病院まで行きます。
もちろん早期搬送が優先される場合もあり、この時は機長が算出した現場滞在可能時間から現場に向かいながらナースや無線で現場救急隊と作戦をたて、場合によってはヘリ内にすぐに搬入しヘリ内で治療を行いながら搬送することもあります。

この1週間で夕方にスタッフ送り込みが4日あります。ちなみに僕は当番3連続で送り込み、もう1回はセンター長・・・群馬ではいつの間にかこのスタッフ送り込みのことを『ポトン』と呼ぶようになりました。
残り時間を考えて現場に向かいながら作戦会議。
傷病者の状態によって現場処置優先か早期搬送かを決断します。
ヘリでは戻らないという決断も重要なことがあります!
ヘリは日没までに帰還します。

実はまだ早い日没時間によりドクターヘリが早く運航終了する時間の活動を補填するために、明後日2月1日から『ドクターカー』の運航がはじまります。
エリアは前橋市消防局管内のみで、要請可能時間もドクターヘリ要請終了時間(日没30分前)から17時45分とかなり限定的な試行事業です。もちろんドクターヘリ同様に時間ぎりぎりの要請も可能です。これを足掛かりにドクターカーの本格運行も目指していく予定です。

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