現場にドクター・ナースを派遣するために!

町田です。

前橋はまだまだ朝から暑い日が続き、今日も最高気温が35度を超えました。
夏休みもそろそろ終わりの時期に近づいていますが、疲労や暑さからまだまだ事故が多く連日重症外傷の対応が続いています。皆さん、体調管理をいまいちど振り返っていただき、良い夏の思い出が残るようにお気を付けください。
ここ数日は山で雲はわきますが平野部に夕立は来ないので、
朝からむし暑い日が続いています・・・

当院は現場に医師を派遣する手段として、災害時のDMAT対応をのぞけば残念ながらドクターヘリしかありません。ドクターカーも所有はしていますが、安全面やスタッフの問題などにより現場への医療チーム派遣には今のところ原則使用していません。

そのような中、今日も朝からドクターヘリ要請があり、ドクター、ナースはいつものように屋上ヘリポートへ駆け上がりました。屋上につくあたりでCSから「直近ランデブーポイントは当院ヘリポート。」という情報が入ったため、その時点でヘリでの出動は時間のロスだけと判断しヘリでの出動はやめました。しかしほかに現場に出る手段がなく(走るには遠すぎる距離なので・・・)ちょっと困っていたところで、すでにCSと消防本部で調整して現場派遣用の指揮車を当院救急外来入口まで回してくれました。
すぐに屋上から1階にもどりその指揮車に乗って現場に向かって出動しました。現場近くで救急車とドッキングしあとはいつもと同じ活動です。早期医療介入が有効な症例であり、CSと消防本部の機転を利かせた調整に心より感謝します。


現場に医療チームを派遣すること・・・それは早期から医療を開始することで救命率、社会復帰率をあげることが目的です。近年ドクターヘリの出動数が増えてきて、オーバートリアージを許容する姿勢の見直しを求める声が出始めていますが、運航開始して3年半しかたっていない群馬県ドクターヘリではまだまだアンダートリアージ症例がある限り制限をかけるレベルには達していません。
プレホスピタルや救急外来での外傷対応の教育が確立されてきている今の時代では、やはり『アンダートリアージは罪であり絶対ゼロにしなくてはいけないもの』と考えています。

一昨日の8件出動の際のドクター、ナース分断やセカンドドクターの起用など、僕たちもなんとか1人でも多くの傷病者に1秒でも早く接触できる調整をしていますが、今回のように消防本部の機転でヘリにこだわらず地上から傷病者に早く接触するために調整していただいたことは本当にうれしいことです。ただし今回の件での当院の対応はたまたまうまく回っただけであって、当院としては急にドクターカーを運用するかどうかという話よりも、病院直近現場のドクター・ナース派遣が必要な際の準備を今の体制でできる範囲で検討を開始しなくてはいけなさそうです。

本日は前橋市で日本集中治療学会関東甲信越地方会が
開催されていました。参加されていた皆様、暑い中お疲れ様でした。

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