ドクターヘリOJTの1日・・・

町田です。

昨日のドクターヘリ当番では岡森先生がOJTで同乗研修を行いました。すでに当科に来て2年目、そして数回のOJTの経験があり、昨日は付き添い席ではなくドクター席に座ってメインドクターとして活動してもらいました。


岡森先生の活動を振り返りながらOJTの1日を見てみましょう!

朝8時には着替えが終了し救急外来に集合。前日の強風のためドクターヘリは群馬ヘリポート待機のため、病院の車(いつも総務課の方に送迎です。ありがとうございます。)で群馬ヘリポートに向かいます。やや緊張気味の岡森先生に車内で無線のやり取りのポイントを説明。現場診療についてはいつも通りすれば大丈夫!

8時半、群馬ヘリポートに駐機中(機長、整備士はすでに準備済み)のヘリ内で資器材チェック。そして運行前ブリーフィングを行い、続いてストレッチャーの出し入れの安全確認を行います。

機長が病院屋上ヘリポートの風を確認し、朝一番で病院に帰還しました。


氷点下まで冷え込んだ朝であったため、谷川岳の真っ白い頂がよく見え、また平野部も放射冷却で白くもやがかかっていました。群馬ヘリポートから病院までの約3分の間に無線チェックを行います。
『前橋日赤CSからの感度良好です!』
要請が入るまで院内待機です。機長や整備士からドクターヘリのエンジンを見せてもらったり、CS室で運航調整の話を聞いたり、実際に活動するに向けての研究に余念がありませんでした。

昼過ぎに施設間搬送の調整をしているところで現場から要請です。消防覚知同時要請でした。
出動のPHSが鳴り響き、フライトナース、ドクターとともに屋上ヘリポートへ向かいます。
ERから9階まではエレベーターを専用運転にしてあがり、9階から一度外に出てさらにもう1台エレベーターを乗り継いで屋上ヘリポートに到着。整備士の『OK』合図でヘリに乗り込みます。エレベーター2台を使うので、どうしても出動まで4分ほどかかってしまいます。

 

今回の要請は消防覚知同時要請!患者情報よりもまずは離陸で現場に向かうことが優先、いざ離陸というところでキャンセルの一報が入りました。救急隊現着時に軽傷を確認できたとのことです。スタッフ全員安どの色でした。もし重症であったらこの早期要請は本当に傷病者のためになったでしょう。消防の早期要請の姿勢を本当にうれしく思います。だから僕たちも少しでも急ぐために写真のようにいつも本気で走っています!

そのまま調整中であった施設間搬送に続けて出動しました。施設間搬送は実は重症率が高く(重症なので転院搬送になるので当たり前のことですが)、現場出動よりも現場活動が大変になることも多々あります。昨日もランデブーポイントの救急車内で状態悪化があり、岡森先生とともに追加の処置を行って状態を安定させてからヘリに移しての搬送となりました。岡森先生も焦る気持ちを抑えてまずは安定化を優先する指示をきちんと出していました。

ヘリ内でも傷病者に状態に合わせて輸液や輸血を調整したり薬剤を使用し、声掛けをしながら病院に無事搬送することができました。
搬送終了後は次に出動に備えて群馬ヘリポートに移動し給油を行い、そして再び病院に帰還しました。帰還後は電子カルテ相手に使用した薬剤や出動記録の入力を行い、これで1つの出動の活動が終了です。
結局昨日は2件要請1件出動のみでしたが、その出動について運航終了時にデブリーフィングで良かった点、悪かった点と今後につなげるための改善点などを話し合いました。でブリーフィング終了後、ヘリ内の片づけを行いその日のドクターヘリの活動は終了となりました。



メインドクターは実際に無線交信をしながら治療戦略を立てていき、そして現場での診療から搬送先の選定までリーダーとして進めていかなければいけません。付き添い席に座って同乗実習しているときよりもかなりの重圧があったと思いますが、その分多くのことを学び取ったと思います。これから続く未来のフライトドクターの同乗研修でも、若いスタッフが充実した活動をしてもらえるよう一緒に頑張っていこうと思います!

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