南相馬市における日赤救護班活動報告③

町田です。


夜中遅くにもにもかかわらず、
お出迎えありがとうございました。

昨日23時過ぎに病院に帰還しました。
夜中にもかかわらず前田看護部長をはじめ、当直の病院スタッフの皆さんが救急外来で出迎えてくれました。個人的には3/15に 日赤初動救護班(DMAT)の活動で帰還した時も、夜遅くにもかわらず宮崎院長をはじめ多くの病院職員の方々に出迎えていただきました。病院を支えてくれる方々がいることで、救護班も現地で一生懸命活動することができます。ちょうど統括DMAT研修も重なり多くの当科スタッフが留守にしていましたが、残って病院を支えていた皆さんに心より感謝いたします。




一時帰宅中にペットを
預かるブースもありました。
3日間の活動期間中、2日間にわたって南相馬市馬事公苑での救護班活動を行ってきました。
2日間通じて約900名の一時帰宅者がいらっしゃいましたが、うち救護所を受診した方は1日目14名、2日目21名でした。
今回の救護活動では、南相馬市馬事公苑に来るまでにすでに2,3時間バスに揺られてきていたり、朝方の地震の影響で寝不足であったり、警戒区域内に立ち入る前にすでに体調を崩しかけている方がいらっしゃいました。しかし、状況を考えると“体調悪いので中には入れません。”とは決して言えない状況でした。我慢されている方もいると考えられたため、少しでも顔色がさえない方は入る前に脱水予防をしたりなどこちらから積極的に声をかけるようにしました。参加者全員が一時帰宅することができましたが、1名が警戒区域から救急車で搬出され救護所で診察することとなりました。
イギリスBBCの取材スタッフが
来ていました。
また、一時帰宅から戻ってきてから怪我や脱水症で救護所を訪れる方が多く、創傷処置、内服薬処方、そして脱水補正を行いました。あまり体調のすぐれない方は近隣病院への救急搬送も考えましたが、遠い避難所からきていて入院したとしても退院後に避難所に戻れないなどの問題が直面し、なんとか救護所で帰りの2,3時間の工程を問題なく帰れるような処置を行うことも求められました。また当然のことながら精神的に不安定になってしまう方もいらっしゃり、こころのケアも非常に求められました。最終的に32名が予定通りの帰路につき、1名が帰路中の開業医へ紹介、そして1名が2つ隣町の総合病院に救急搬送となりました。
今目の前にいらっしゃる方の体のことだけではなく、こころの面、そしておかれている状況をすべて含めての救護が必要であることを実感しました。本当に微力でしたが少しでも一時帰宅者に安心を与えられていらればさいわいであり、このことをこれからの救護班にも伝えていきます。

<使用した薬剤一覧>
OS-1 16本(熱中症 1名、脱水症 12名)
破傷風トキソイド 3A(けが&虫刺され 5名)
クラビット 2T、トラベルミン 5T、ナウゼリン 2T、ニポラジン 2T、PL顆粒 2包、SG顆粒 3包、ロキソニン 4T、ガスターD 4T、デパス 5T
リンデロンVG軟膏
酸素

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