2014年12月31日水曜日

命は尊いもの・・・(2014年最後のアップです。)

町田です。

師走に入り救命センターはかなり多忙な日々でしたが、年末の休みになりさらに忙しさに拍車をかけています。
連日救急外来には100名を超す救急患者の受診があり、いつも以上の混雑を見せています。また、今年最後の今日はドクターヘリ4件の出動に加えて、日没間際の防災ヘリドクターヘリどくたーヘリ的運用、そして日没後に前橋ドクターカーによる出動がありました。今年は各機関との連携が盛んに行われており、まさに今年を象徴する1日になりました。
今年最後の空からの出動は防災ヘリで・・・
最後の最後まで頼りになります!
今年度(4-12月)は666件の出動・・・
無事故でのフライト、本当にありがとうございました。
気が付くと2014年もまもなく終わりとなりますが、まだまだ救急外来も集中治療室も多忙に働いています。そんな中でもう2015年はそこまで来ていますね。


2014年は地震、水害、そして火山の噴火などの自然災害が全国各地で発生し、それぞれで各機関の災害救護活動が行われましたが、残念ながら多くの尊い命が失われました。まだ行方不明になっている方々の1日でも早い発見と、亡くなった方々へ心よりご冥福をお祈りします。

そのような災害の一方で、日本では凶悪な犯罪、世界では戦争で多くの方々の命が奪われています。どのような時も救急医は人を全力で助けることに第一に考えていますが、その反面で人の死に直面する機会が多くあり、特にこのような形で命を失われた方への悔しくて悲しい思いはずっと心に残ります。

2015年は日本中、世界中の皆さんが人を思いやる気持ちをもっと大切にして、命の灯を簡単には消させない世の中になることを心より願っています。そして僕たち救急医もさらに1名でも多くの方々の救命のために命と真剣に向かい合い続けます!


~追伸~
この1年も本ブログのご愛読を頂きありがとうございました。
明日からやってくる2015年が皆様にとって素晴らしい1年になりますように!

2014年12月30日火曜日

各科のエキスパートから学ぶ!~脳神経外科専門治療勉強会~

藤塚です。
今日は、他科の先生たちとの勉強会の1コマを報告します。
 
12/9 当院脳神経外科 山口医師による『超急性期脳梗塞のにおける最新の脳血管内治療』というテーマで勉強会を開きました。
 
 
現在、超急性期の脳梗塞に対し、tPAという薬剤を使用した血栓溶解療法が可能であります。(いくつかの適応基準があります)
これは、発症からある時間内であれば使用できる薬剤療法です。最近、3時間以内から4.5時間以内と適応が変更になりました。

その先の治療・tPA適応外の治療選択の一つとして、脳血管内治療を行います。
MERCIPenumbraStent Retriver など多様なカテーテル方法により、脳血管に詰まった血栓を除去し、血流の改善を図ります。
発症から再開通が早いほど予後がよく、早期診断・治療開始が望まれます。
 
このような治療法があり、早期診断・早期治療につなげることで患者さまの生命予後・機能予後を改善し、救命につながります。


今回学んだことを明日から、いやすぐにでも実行できるようにしていきたいと思います。
日々勉強・実践ですね。

2014年12月29日月曜日

年末年始も安全運転で!~群馬県交通センターでの講習~

中村です.

1212日(金),中野センター長と一緒に,群馬県交通センターに行き,講義をしてきました.対象は,指定自動車教習所の職員であり,目的は,教習所の学生(第1種免許)に応急救護処置を指導するための指導員養成です.


我々が頂いた内容は,『止血法』,『指導方法』でした.午前中に,中村が止血法に関する講義と『ドクターヘリについて』の講義を行いました.受講者は非常に熱心であり,一人も“舟をこいでいる方”はいませんでした.

午後は,中野先生が,指導方法に対して講義し,その後,グループに分かれてのディスカッションや指導のプレゼンテーションを行いました.教習所の指導者の方々であるため話をすることには慣れていましたが,かなり緊張されている様子が伺えました.

研修は,1210日(水)から3日間の予定で,12日は,最終日でした.そのため,『試験』がありました.最後に,その試験対策を行い,研修は終了しました.


『医療従事者で無い方々に,医療内容を指導していただくための指導内容を講義する』のは非常に難しいと感じました.講義を行う側(中村)も中野先生の指導方法の講義を聞いて非常に勉強になりました.

年末年始は何かと移動が多く慣れない道を運転する機会も多いと思いますが、皆さん安全運転でお過ごしください。

2014年12月28日日曜日

日本赤十字社本社・第2ブロック支部災害救護訓練に参加しました。

前橋赤十字病院 集中治療科・救急科 原澤 です.
今年は各地での地震、火山災害など局地災害への対応が多い1年でした。どのような災害にも
急性期対応に引き続いて、家族を含めた中長期的な支援が必要になることが多くあります。
当院も急性期はDMAT(初動救護班)、亜急性期~慢性期は救護班で継続した救護が行えるような体制をとっています。


何かと最近は急性期対応のDMATに目が行きがちですが、歴史が長い救護班活動についても平時より研修や訓練を行っています。だいぶ遅くなってしまいましたが,平成2611月34日と,日本赤十字社本社・第2ブロック支部の合同訓練が開催されました.


日本赤十字社本社(東京・日本赤十字社医療センター)と第2ブロック(茨城県支部,栃木県支部,群馬県支部,埼玉県支部,千葉県支部,神奈川県支部,東京都支部,山梨県支部,新潟県支部)が一同に介し,大規模災害を想定した訓練を行いました.
 
今回の想定は,「112AM10時,埼玉県さいたま市を震源とするM7クラス(震度7)の直下型地震」が発生.「発災翌日(26時間後)に現地参集し活動開始」というものでした.
 
まず「26時間後に参集」というところから,参集する訓練を行いました.12時活動開始を予定して,11時前後の時間帯に,さいたまスーパーアリーナに到着するよう,各支部で運行計画を組み,各支部の車輌で向かいました.我々群馬県支部は,830分に前橋赤十字病院を出発,概ね予定通り,1120分頃に現地へ無事到着できました.各支部とも問題なく参集し,次の活動内容指示を受けました.その内容は,「さいたまスーパーアリーナ内に現場救護所を設営,運用する」というものでした.
 
現場救護所,といってもイメージしづらいと思うのですが,病院外に仮説の病院・診療所を設営し,その中でトリアージと応急処置を行ない,必要に応じてより高度な医療施設への搬送を判断し手配する,というのが大まかな内容です.
 
 
今回の訓練で私が初めて経験した指示は,「ある程度の期間,運用継続可能な施設を設営する」というものでした.理由としては「①さいたま市内である程度の機能が残存しているのは,さいたま赤十字病院のみ」「②さいたま赤十字病院は,トリアージタッグ赤(緊急度が高く,すぐに高度な治療介入をしないと救命できない)患者を数十名対応しており,既に参集したDMAT 30隊の補助を受けているものの,手一杯の状態である」という2点の状況が追加されたためです.他に活動可能な医療施設がなく,トリアージタッグ黄(歩行は困難で,超緊急処置は必ずしも必要ないが,一定の評価と治療は必要である)とトリアージタッグ緑(歩行は可能だが,治療介入の必要がある可能性もある)の患者への対応が事実上不可能な状態になっており,その対応を現場救護所が担おう,というものでした.
 
いままで私がイメージしていた「現場救護所」は,短期的にトリアージと応急処置を行ない,赤・黄の患者を順位付けして医療機関へ搬送する,というものでした.しかし大規模災害になり,ライフラインも麻痺した状態になると,搬送する「医療機関」がかなり限定され,現場救護所が「医療機関」の肩代わりをしなければならない状況が生じうる,ということを意識させられました.
 
その想定の中で,12時から13時までの1時間で,設置されていたテントなどを用いて診療ブースの設営を行ない,13時から実際の患者(模擬患者さんがやってくださいました)への対応を行いました.詳細は煩雑かつ専門的になるので割愛しますが,非常にごちゃごちゃした状態となってしまいました.途中休憩をはさみ,休憩時に変更・修正すべき点を話し合って,後半に望みました.後半は,修正の甲斐あってか,前半と比べるとかなり上手く患者対応ができるようになっていました.
 
 
実際に訓練を終えてみて感じたのは,長期的運用の難しさでした.たった1時間30分だけの訓練でも,かなり患者数が多く,設営していたテントに収まりきらない数の入院待機患者が発生してしまった,という状態で,これが丸1日,場合によっては数日単位で続くとすると,すぐに医療資源や医療者側の体力が底をついてしまいそうだなと思いました.
 
本来なら酸素投与や点滴だけでしばらく時間を稼げる状態の患者さんが,点滴の不足や酸素の制限により状態が悪化していく,というリスクを常に考えながら医療資源の配分をしていかなればならない,というのは通常時(医療資源が十分に有る場合)との大きな違いで,災害医療の基本ではあるのですが,実際にその状況に追い込まれた場合,我々医療者は何とも無力なものになってしまうのだな,と改めて感じました.その状況を作らないために,平時から災害対応の準備をしておくこと,医療資機材の準備を怠らない事,というのが大事だということを再認識しました.
 
 
一方で,日本赤十字社の力というものも感じられました.各支部から集まった医療スタッフもさることながら,災害ボランティアの方々や,支部の皆さんがいなければ,活動の維持は困難なものとなります.特にボランティアスタッフの方々の力は,資機材・人員が不足する環境で,非常にありがたいものでした.医療スタッフにできることは,「自分たちの力だけでの運用には限界がある」という事をしっかり理解して,「お願いできることはお願いして」負担を分散し「自分たちができること,やるべきことを明確にしてそこに力を注ぐ」ということなのかな,と思いました.
 
医療者としてではなく,一市民としても,災害の準備はしておかないといけないと感じました.自分の周りの人が安全でない環境で,医療者としての十分な活動はできないからです.日頃から準備をしておかなければいけないなぁ,と改めて思いました.
 
 
最近,御岳山の噴火や,大雨・大雪に伴う被害がニュースで流れています.気候が不安定になっている,以前とは違うという印象は,おそらく皆さんも受けていることと思います.この冬もまた都市部の大雪などがやってくるかもしれません.事前の準備をし,落ち着いて対応ができるように,またその中で余裕があれば,周りの助けになれるように,日々を過ごしていこうと思います.
 
 
 
追記:年の瀬になり気候も厳しく,病院に来る患者さんも重症の方が増えております.年末年始の休みも長く,今週いっぱいで休みとなってしまう医療機関も多いと思います.皆さん,無理をして具合が悪くなる前に,くれぐれも早め早めの受診をお願い致します.

2014年12月26日金曜日

『教育』も医師の大切な役割です。~EM Alliance Education Fellowship を受講して~

藤塚です。
12/67に湘南鎌倉病院で開催された、EM Alliance Education Fellowshipに中村医師と一緒に参加してきました。


医師の役割として、臨床・研究・教育の3本柱があります。今回は、『教育』について学んできました。
実際には、成人教育は難しいです。ある程度考えを持った人たちが相手であり、行動変容を起こさせるのは容易ではありません。
 
今回はいくつかの講義のほかに、他の参加者とのディスカッションをする機会が多く、色々勉強になりました。皆、悩みは同じであり、しっかりとした教育システムが確立していない現状があり、これから整備をしていくという意見が多かったです。
 
 
現時点で、当科には
ER勉強会(学会・講習会等の報告、予演会、科としての決定事項検討など)
PreHospital 勉強会(病院前診療を中心に、明日から使用できることを検討)
・症例検討会
・他科の先生からの最新診療講義
・他
などを企画し、行っています。
 
今後、もっとも大切な日々の診療教育もしっかりとした体制を作り、充実させていきたいと思います。


☆前橋赤十字病院 高度救命救急センター 集中治療科・救急科は 『EMA研修病院』の仲間です。
詳細はこちらをどうぞ ⇒ http://www.emalliance.org/wp/hospital_membe/kant/maebashi

2014年12月25日木曜日

今年もきれいに飾られています。~Merry Christmas !~

今年も残り1週間になりました。1年は本当にあっという間ですね。
12月になって救急科で入院する患者さんが増えていますが、当院には救急科専用の病棟やベッドはありません。救命センター内の重症ベッドに入院することが多いのですが、一般病棟に入院する際はもちろん患者さんの病態により近い患者さんが多く入院している病棟の空きベッドを探します。しかし現状はそんなにベッドに余裕がなく、本当に様々な病棟に入院しています。

この時期は各病棟の入り口にクリスマスを意識した飾りつけがされています。
確かに入院生活はつらいことが多いですが、少しでも入院生活におけるちょっとした心の安らぎになっていただいているとうれしい限りです。
いろいろな病棟を回診している僕たちにとっても、各病棟の季節に応じた飾りつけを楽しみにしています。
 


今年も皆様のもとには素敵なプレゼントが届いたでしょうか?残り少ない平成26年ですが、最後に素敵なことが何かありますように・・・Merry Christmas !


小児病棟には今年も大きなサンタさんがやってきました!

2014年12月24日水曜日

病院側も対策を!~過去最高の救急車出動件数、過去最長の救急搬送時間との戦い~

町田です。

つい先日以下のような記事が報道されました。
平成25年において、
①救急車出動:過去最多の591万件、入院必要ない人が半数
②救急搬送:過去最長の39分、出動件数増が影響
とのことです。

どっちもなんだか残念なニュースですが、もうちょっと原因をひも解いてみましょう。

①に関しては、明らかな高齢者人口の増加に伴うものです。65歳以上の搬送が54%を占めているとのことです。医療が進化し一般市民の皆様も「長寿」を願う世の流れの中、高齢者に対する社会制度が整っていないのが現実です。具合が悪くなると時間外でも近くに診てもらえる病院がない、家族がいない、そして病院に行く手段がない・・・結局救急車を要請して救命センターや総合病院に行くしかないのです。
必ずしも入院をする人しか救急車を使用してはいけないということはないと思っています。病気やけがには重症度のみではなく緊急度も救急車を要請する大切な要素です。緊急度が高い状態でもすぐに処置することによって最終的に軽く済む場合も多々あります。
大切なことは「救急車の不適切利用をやめさせる」ことばかり唱えるのではなく、「こういう時は必ず救急車をよんでください」という適正利用の教育をしなくてはいけないと感じています。ちなみに僕自身はもともと循環器系を専門にしていたので、心筋梗塞や脳卒中など血管のトラブルに伴う症状に関しては、すぐに救急車を要請するように市民講座などで訴えていました。

②に関しては、出動件数の増加に伴い救急車が相対的に不足して、遠い消防署から救急車が応援に駆けつけなければいけないことが増えていることが原因のようです。救急隊の行える処置が拡大されてことで現場滞在時間が増えたことも一因のようですが、これに関しては高度の医療が早期介入されるということなので悪いことではありません。

 上記のようなポスターも大切ですが・・・

 このようなアドバイスもとても大切だと思います!
(先日の前橋地区高等学校養護教諭研修会で使用したスライドから抜粋)


高齢者社会の加速化と社会制度の遅滞のギャップをすぐにどうすることはできないので、すぐに救急車の増台、救急隊の増隊に期待するのは困難です。
そこで今すぐできることはやはり早期医療介入に向けた各病院の取り組みです。いかにスムーズに救急車の受け入れる体制の整備を行うか・・・それも一つ一つの病院だけではなく、各地域がスクラムを組んで助け合うことが必要です。
どの病院がいまどれだけ救急隊に対応しているか、ここ最近でどれくらいの救急隊を受け入れているかなどが表示される「救急搬送支援システム」が群馬県に導入されて間もなく2年がたちますが、実は群馬県は受け入れ困難件数の激減と搬送時間の短縮が得られています。各病院の現状が消防、病院で『見える化』したことで医療者の意識の改革が起こっているように感じます。

実はこのシステムは佐賀県の県庁職員のアイデアから生まれたもので、群馬県には佐賀県庁の全面的アドバイスを頂いて導入されたものです。その開発に関わった佐賀県庁の職員の特集をTBS系列『夢の扉』(日曜日夕方)で行うとのことですが、群馬でもきちんと活用されていて結果を出し始めているということで、先日当院でも密着取材が行われました。(ちなみに番組放送は来年2月頃を予定しているとのことです。)



さらに、重症度や緊急度が高い患者さんにドクターヘリで向かうことで、さらなる医療介入時間の短縮を図ることができます。ドクターヘリも要請数が増えてきているのに伴い、不応需数や連続出動による到着の遅延も増加しています。しかし、病院スタッフがもう少しうまくやればセカンドスタッフとしてドクターヘリピストン出動やドクターカー出動でもっともっと多くの患者さんのもとへ迎えると感じています。
群馬県ドクターヘリと高崎ドクターカー

①②のような記事を読むとどうしても一般市民の皆様に責任を押し付けがちのところもありますが、時代の流れである程度仕方ないところもあると思います。
だからこそ開業医の先生方を含めて地域の病院が協力して、地域の住民を普段からいかにして守っていくかを考えないといけません。

2014年12月22日月曜日

「大きなお鼻」のヘリが来ています。(JA6917活躍中!)

町田です。
12月は仕事も天気も大荒れ模様です。群馬平野部は雪が全くありませんが、急激な冷え込みと猛烈な北風にさらされている日々です。
今月のドクターヘリも半分以上が地上待機場所の群馬ヘリポートからの出動になっています。当院は市街地の真ん中に病院があるため、屋上ヘリポートが使えないと直近に着陸できる場所がなく大変不便な環境に様変わりです。せめて風がおさまってくれるとよいのですが・・・春までこの風との戦いが続きます。


12月9日にドクターヘリの機体交換がありました。
群馬の主力機であるJA6910は神奈川県に移動して、かわりに茨城からJA6917がやってきました。

JA6910と同じ機種(BK117C-2)ですが、ちょっと違うところがあります・・・
わかりますか?
現在ドクターヘリが全国で飛び回っており、ほとんどの基地病院で出動件数が右肩上がりで伸びています。その分ヘリの整備の回数が増えてきています。しかしヘリ整備に関わる国の予算はなかなか伸びず、各機体の出動数のバランスをできるだけ保つように時々このようなローテーションが行われています。


今回やってきたJA6917の特徴は・・・

ど~んと「大きなお鼻」がついています!なんとな子供たちに人気のヒーローに似ている雰囲気も・・・

ちなみにお鼻の中に以前は気象レーダーなどが入っていたそうです。(今は空っぽとのことです。)
しばらくお鼻が特徴のヘリが群馬やその周囲の空を駆け回ります。どうぞよろしくお願いします。

2014年12月19日金曜日

壁を突破する!vol.2 ~組織を超えた連携~

町田です。

爆弾低気圧の影響で全国で大きな被害が出てしまい、犠牲者も出てしまったことがとても残念です。心よりご冥福を申し上げるとともに、これから冬の寒さが厳しくなる中で皆様が健康に過ごしていただけるよう心より願っております。
群馬県では前橋市内を含めて平野部ではまったく雪が降り積もっていませんが、北部や山沿いではすっかり雪景色になっています。同じ県内ですが雪が全くない基地病院からヘリコプターで5分飛んだだけでいきなり雪景色に変わってしまいます。
屋上ヘリポートから赤城山を望む・・・
ヘリでたった5分の山頂付近はすっかり雪山です。


「壁を突破する!」シリーズの第2弾は“組織の壁”です。

救急・災害医療においては医療チームだけでは対応しきれないことばかりです。そもそも救急搬送事案であれば救急隊との連携、ドクターヘリ事案であれば支援隊との連携、そして救助事案であれば救助隊・航空隊との連携を当たり前のように行っている日々です。また交通事故・事件などであれば警察との連携、大規模災害であれば自衛隊との連携、そして特に当院では赤十字やボランティアとの関係性もとても重要であります。

「組織間の壁」がいつもおおきな問題になりますが、群馬県は比較的組織間の連携が良い(良くなっている?)と感じています。
ドクターヘリの場合、防災ヘリとドクターヘリの連携活動は日常茶飯事であり、さらに県警ヘリで救助した患者さんをドクターヘリで引き継ぐことも行っています。県警ヘリの方から「この事案はドクターヘリにすぐ引き継ぎたい!」と管轄警察署を通じて消防本部に進言することもあり、医療チームとしては本当にうれしい限りであります。
前橋管内の救助事案であれ接防災ヘリから直接受け入れることも行っており、
将来的には県警ヘリの救助事案も直接受け入れられるようにしたいです。


ドクターヘリ・防災ヘリ・県警ヘリのさらなる連携強化のために、半年に一度で『群馬県ヘリコプター勉強会』を開催しています。
今回もドクターヘリ関係(朝日航洋、前橋赤十字病院)、群馬県防災航空隊、群馬県警察航空隊、そして陸上自衛隊第12旅団、赤十字飛行隊群馬支隊の方々に集まりました。またヘリ同士の引継ぎ事案で中枢を担っていただく消防本部の方々、そしてあらゆる組織の連携において協力にバックアップしていただいている県庁の方々も参加していただきました。

今回は各機関のヘリ同士の連携マニュアルの草案に対していろいろご意見を頂きました。ドクターヘリ側で思っていることが防災ヘリ、県警ヘリの立場では全然違うように感じていたり、現場での消防や警察の情報のやり取りの実際を知ることができたりなど、今回もとてもまさにリアルな現場の声を聴くことができて有意義な時間となりました。
また先日群馬県で開催された関東ブロックDMAT訓練でご協力いただいた陸上自衛隊第12旅団方より、自衛隊の立場から災害時の医療対応、ヘリの運用に関して貴重なご意見を頂くことができました。本当にいつもまさに明日から生かせる内容をお話ししていただいいます。
ドクターヘリ・防災ヘリ・県警ヘリ連携活動の実績
「県警ヘリの救助事案を直接当院屋上に降ろす時の連携は?」
このような提案(題材)をもとに各機関から様々な意見を頂きました。
 
このような勉強会などでまた顔を合わせることでさえあ仲良くなれることもとても大切なことです。防災航空隊、警察航空隊、陸上自衛隊の方が、勉強会の後に寒い廊下ので熱くディスカッションしている姿を見た時に、「現場レベルにはすでに壁はなくなるつつある」ことを実感しました!

2014年12月18日木曜日

壁を突破する!vol.1 ~県境を越えた応援~

町田です。
爆弾低気圧が猛威を振るっていて、北日本や日本海側を中心に大雪の被害が出ています。皆さん、本当にけがや事故に十分気を付けてください。
 
 
先日の新聞に「長野から岡山まで小児重症心疾患のヘリによる転院搬送」のニュースが掲載されていました。長野県の病院に入院中の重症心疾患の小児患者を、手術目的のため岡山県の病院に防災ヘリで搬送していますが、長野県の防災ヘリが大阪の空港まで搬送し、大阪の空港からは岡山県の防災ヘリが引き継いで搬送したとのことです。
燃料の残量、ヘリの帰還時間のことを考慮して、2県の防災ヘリがまさに「命のリレー」を行っています。そしてバトンを引き継いだ場所も大阪府であり、まさに県境を越えた応援活動が行われていました。
 
群馬県ドクターヘリも栃木県・茨城県と広域連携を結んでお互い助け合っていたり、長野県からは応援出動していただいていたり(群馬から長野への応援出動も可能になりました!)、来年は埼玉県とも広域連携を結ぶ予定でいます。
また過去に群馬県防災ヘリのみならず、栃木県、長野県の防災ヘリから患者を引き継いだこともあります。
当院屋上ヘリポートに飛来した栃木県ドクターヘリ
栃木県防災ヘリで救助した患者を群馬県ドクターヘリへ引き継ぎ

県境だけではありません。市町村の境も同じです。
前橋市消防局のドクターヘリ事案で最も近いランデブーポイントが伊勢崎市内であったため、伊勢崎市消防本部が支援に入ったり、全くその逆の場合もあります。その他の地域でも同じようなことが何度かありました。
 
 
地図にははっきりと書かれていますが、空から見ると県境、市町村の境はわかりません。実際の活動中に見えない線をあえて引いていろいろ制限をかけているのは大人の勝手な事情の場合が多いと感じています。
少なくとも医療については、「あの地域ではいいけど、この地域ではだめ」というような地域間格差をできるだけ少なくするために、県境、市町村の境を越えた応援活動はとても重要です。

2014年12月14日日曜日

生徒を守るために!~前橋地区高等学校養護教諭研修会~

町田です。

寒波の影響で北日本、日本海側の大雪が続いているようです。そして群馬県も山間部では雪が積もっており、病気や事故による患者さんが急増しています。風邪やインフルエンザのみならず、事故にも十分気をつけてお過ごしください。


今年度は教職員対象AED&エピペン講習の開催をはじめ、前橋市内の高等学校養護教諭の先生方と連携する機会が多くなっています。学校は大切な生徒の命を預かっている立場であり、生徒の安全と健康は本当に重要なことです。
そして12月12日に群馬県立渡良瀬養護学校しろがね分校で『前橋地区高等学校養護教諭研修会』が開催され、そこで「事故やけがから生徒を守る」という内容で講演をする機会を頂きました。



養護教諭の先生にとって、やはり生徒のケガや急病時の対応は本当に不安や心配が多いようです。前橋市内は119番通報から救急車が現場到着までに平均時間は6分(全国平均は8分)です。いかに生徒の安全に救急隊や病院に引き継ぐか・・・
「初期対応」の重要性を理解していただくためにたっぷり2時間の講演の予定でしたが、質疑応答の時間も含めて2時間半にわたって一緒に多くのことを学ぶ時間となりました。






以上のスライドは今回の講演内容のほんの一部ですが、普段行っている救急対応の中で実感している体験談も踏まえながら学校の先生方にもできることをお話しさせていただきました。

最後にはリクエストが多かった「学校の救急バックの中身」について先生方とディスカッションしました。たくさんのご意見をうかがえてなかなか盛り上がりましたよ!



救急医療の本当のスタートは、救急現場に居合わせた発見者・同伴者などいわゆる「バイスタンダー」といわれる方々です。これからもバイスタンダーの皆さんに初期対応の大切さを伝えていく活動を続けていきます!

2014年12月12日金曜日

遠く離れていても思いは同じ!~同級生の活躍~

町田です。
僕は高校時代までずっと北海道で過ごしていましたが、大学から本州に出てきて今に至っています。なかなか長期の休みが取れない年月が続いていると、昔の同級生がいま何をしているかどんどんわからなくなってきます。(逆に故郷にいる同級生にしてみれば「町田はどこで何やってんだろ~?」という感じになると思いますが・・・)
 
 
「同級生との再会は突然思わぬところであるものです。」
 
2年前の6月に話はさかのぼりますが、北海道で4機目のドクターヘリ(道南ドクターヘリ)導入に向けて基地病院となる市立函館病院救命救急センター長の武山先生が当院に視察にいらっしゃった際に、なんだか見たことがある人が・・・「あれ~、岡本君じゃないの??」
なんと高校卒業以来一度もあっていなかった同級生と18年ぶりに再会しました!高校時代の同級生が救急の道でしかもドクターヘリ導入に向けて中心となって頑張っている姿に本当に感動しました。
2012年6月 前橋赤十字病院屋上ヘリポートにて・・・
(真ん中が同級生の岡本先生、右は武山先生です。)
今年7月に僕が道南地方に講演会で出かけた際には、今度は函館で出迎えていただき目の前に迫ってきているヘリ導入に向けての熱い思いを語ってくれました。
2014年7月 市立函館病院屋上ヘリポートにて・・・
 
大学時代に帰省すると一緒にテニスの相手をしてくれたこれまた僕の高校の同級生が、数年前まで道央ドクターヘリのフライトドクターとして活躍していました。
卒業以来遠く離れていても、同じ道を選んで頑張っている同級生がいることは、本当にうれしいことであり、なによりもいっぱい刺激をもらうことができます。
 
 
「遠く離れていても思いは同じ!」
僕の第2の故郷である函館の空をドクターヘリが舞う日は2015年2月16日です。その日は同級生の活躍を思い浮かべながら北の空を見つめようと思います。
 
 
 
そんな同級生の岡本先生は、先日まで道北ドクターヘリで同乗研修を行っていたとのことです。
いよいよ大詰め、ここまでくると秒読み段階です!

東日本大震災の時にたくさん助けていただいた
旭川赤十字病院の山下看護師との一コマ・・・
旭川赤十字病院救命救急センター長の住田先生との一コマ・・・

2014年12月11日木曜日

医療職の枠を超えた大きな次元で行われるチーム医療!~第29回ドクターヘリ講習会への参加報告~

後期研修医 増田衛です.
1129-30日,神戸にて第29回ドクターヘリ講習会を受講してきました.

ドクターヘリ講習会の案内
(日本航空医療学会ホームページより)

スケジュールは普段我々が受講しているJATECBLS, ACLSなどといった実技中心の講習とは違い,知識教授のための座学が主でした.

最後には,飛行実習と称して神戸港の周囲を約10分間フライト.写真は神戸港上空から大阪方面を向いて撮っています.
 

 
群馬県ドクターヘリの基地病院でヘリ関係者として働くうえで,ヘリにまつわる様々な知識を得ることが出来ました.

重症外傷や急性冠症候群・脳卒中など,一刻を争う疾患を発症した患者の予後を改善させる.この目的を達成するためには,
【発症から診療開始までの時間を最短にする】=【現場へ医者・看護師を最速で派遣する】
ことが重要です.これを広範囲で可能にするための手段が,ドクターヘリです.

加えて重要なのは,この目的が達成されるためなら,交通手段は車でも自転車でも,なんなら医者・看護師が走って現場に向かってもいいのです.ヘリは上記目的達成のための手段の一つに過ぎないとも言えるのです.
(ヘリに携わる人間として,このようなクールな視点も必要と思う次第です.)

 
そして今回の講習会での一番の収穫は,
“ドクターヘリを飛ばすためには,医療施設の職員やヘリ運航企業だけでなく,いかに多くの組織が関係していることか!”
これを実感できたことでした.

例えば,
・国会=ヘリを支障なく飛ばすための法律を作り,改正する.
・都道府県行政=ドクターヘリ運航にゴーサインを出すのは知事.
・消防=現場から119番への通報を受け,救急車・ヘリの出動を要請.
・警察=ヘリ着陸地の安全を確保.
・国交省・ネクスコ=ヘリは一般道や高速道にも降りる.
・教育委員会=ヘリは学校のグラウンドにも降りる.
・広報・マスメディア=住民への周知.
・住民=騒音と爆風をまき散らすヘリが街中へ降りることに対し,理解をしていただく
DMAT=災害時には,ヘリは患者や物資の搬送手段に欠かせない存在.
 etc...
他にも僕の認知しきれない領域で,もっと多くの人がヘリに関係しているのでしょう.

 
「チーム医療」という言葉が広まって久しいですが,このドクターヘリ事業は,医療職の枠を越え,「さらに大きな次元で行われるチーム医療」とも言えるような気がしています.以前,防災ヘリ実習について記事を書いた時にも同じようなことを述べました.改めて医療というものをより大きな枠で捉える必要があると感じた2日間でした.

2014年12月9日火曜日

北の大地で災害対応について考える!②~全国赤十字救護班研修会(札幌)への参加報告~

先月後半に北海道で開催された災害医療に関する研修の参加報告第2弾です。
*第1弾は第1回北海道MCLSマネージメントコース in 釧路
 ⇒ http://drheli-gunma.blogspot.jp/2014/11/mcls.html


みなさん、こんにちは 高橋栄治と申します。
先日、すごい久しぶりではございますが、全国赤十字救護班研修 in 札幌に参加して参りましたので、ご報告させて頂きます。
この研修会は、以前は日赤救護班とDMATとの関係強化のために日赤DMAT研修として企画されていたもので、主旨の一部としての日赤救護班とDMATとの関係強化のためというところは引き続きのコンセプトとして残っておりますが、それだけではなくて救護班の全体のレベルアップを図るということを企画主旨としての研修として、現在は全国赤十字救護班研修として名うって行われているものです。

その参加しての感想ですが、以前私が参加した頃(開催初期)は、インストで講習会前日まで、またその夜の懇親会のさなかも侃々諤々のやりとりの末やっと行っていた未完成なもののでしたが、久々に参加してこれほど洗練された災害医療班研修は他にはないのではないかと思えるほどのものになっていて大変びっくりしました。
もちろん時間が限られている中での研修会のため、災害救護の全てを網羅しているわけではありませんが、さすが日赤救護班と思える急性期から亜急性期、慢性期にかけての考え方も入っていて、さらには御嶽山の報告があったりして、最新の情報提示などあり、大変面白い研修会と思いました。

また、研修会とは別に、札幌開催ということで、連日の夜(朝市もいきましたが)は北海道の美味しいものづくしという印象で、こうしたところからも大変楽しい研修会に参加してきたというのが当方の感想です。
 

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