2011年1月30日日曜日

群馬県ドクターヘリ、要請数1,000件に達しました。

集中治療科・救急科&フライトドクターの町田です。よく“誰が書いてるのですか~?”と聞かれるので、きちんと自己紹介してから本文に入ろうと思います。ブログなどで文章を書くことはとても苦手ですが、当科のホームページ担当となったために現在ブログも担当しています。いまはほとんど僕が文章(乱文?)を書いていますが、来月あたりから高度救命救急センターの多くのスタッフに書いていただこうと思っていますので、これからもよろしくお願いします。

寒い日が続いています。今日は都心でも雪が降ったようですね。群馬も朝から氷点下で、日中は晴れていたものの山のほうには雪雲がかかっており、夜7時頃になって帰宅するときすでに-2度まで気温が下がっていました。途中高速道路のICから雪の積もった車が下りてきていました。山のほうはかなり雪が降っていたようです。明日の朝も冷え込むようで・・・布団から出るのに勇気と気合が必要な日はまだ続きそうです。



前橋は晴れていましたが、
空には雪雲も広がっていました。

 今日は珍しく空っ風が弱まっていて、久しぶりに朝からドクターヘリが屋上へリポートで待機していました。前橋市内など平野部は晴れていてドクターヘリは運航可能でしたが、県北部は雪模様でドクターヘリは行けない状態でした。
屋上へリポート(11階相当)の横に吹き抜けがあり、その吹き抜けのそこの隣にICUのカンファレンスルームがあります。今日はICU専属医としてICUで働いていましたが、昼頃にちょうどそのカンファレンスルームで調べ物をしていたら、外からドクターヘリのエンジン音が聞こえてきました。
群馬県ドクターヘリが運航開始して“1年11ヶ月13日”に“1000件目”の要請があり、それに対してヘリが出動態勢に入りました。CS室に行くとCSが要請内容とランデブーポイントを確認していました。ヘリのローターがまわりはじめ、フライトドクター&ナースもヘリポートに到着しヘリに乗り込みすぐに離陸。そのとき再びホットラインが鳴り響き、“ドクターヘリキャンセルでお願いします。”と消防から連絡が入りました。1000件目の要請に対する出動は出動後キャンセルでしたが、傷病者がドクターヘリ対応でなくても良かったことと、またキャンセルを恐れずにドクターヘリを要請した消防本部の対応に安心しました。

運航開始以来、要請数は2008年度(42日)29件、2009年(365日)395件、2010年度(305日)576件と右肩上がりで伸びています。消防本部によって要請数にばらつきはあるものの、毎月ほぼ全消防本部から要請をうけています。また出動後キャンセルもありますが、それはオーバートリアージであることを許容していることに対してキャンセルを恐れずにドクターヘリを積極的に要請しているからです。ドクターヘリは重傷度や緊急度の高い傷病者にできるだけ早期に高度の医療を提供する“空飛ぶ救命センター”です。しかし、ドクターヘリは消防本部からの要請がないと勝手に出動することができません。まだまだ要請までに時間がかかっていたり、内因性疾患に対する要請が少ないなど
、全国的に見るともっともっとレベルアップしなくてはならないことが多い群馬県ドクターヘリですが、これからも消防と医療が協力して一人でも多くの傷病者の社会復帰を目指すためにこれからも群馬の空を飛び続けます。


ところで1000件の要請に対して、実際に出動できた数は795件・・・つまり約2割の205件は未出動になっています。未出動の内訳は以下の通りです。
・天候不良 66件
・待機時間外 51件
・オーバートリアージ 36件
・重複要請 47件
・その他 5件

天候不良はどうしようもありませんが、飛べる可能性があるかもしれないと考えて要請してくる消防本部の姿勢は評価されます。待機時間外も多く、特に日没制限があるので夕方ぎりぎりの要請にはお答えできないことが多々ありました(もっと早く要請すれば間に合ったものもいくつかありましたが・・・)。ただし、早朝の要請については8:45の運航開始時間前でも準備が整い次第要請にお答えしています。オーバートリアージは許容しているので、重症の可能性を疑ったら救急隊到着後の判断を待たずにドクターヘリを要請している結果がオーバートリアージによる未出動です。この数字は多くなってもかまいません。(ちなみにヘリが離陸したあとのキャンセルは出動後キャンセルとなり、出動の数に入ります。)
2008年10月から群馬県防災ヘリ
ドクターヘリ的運用を開始しています。
ドクターヘリ運航開始後も、防災ヘリとの
合同ミッションが何度も行われています。
問題は重複要請時で対応できなかった47件です。重複要請による未出動数は、2008~2009年度8件しかなかったのに対して2010年度は現時点で37件に増えています。重複要請時にもできるだけ連続出動できるように活動を調整したり(もちろん目の前に傷病者がいる時はその方に全力を尽くしますが)、ほぼ同時に要請が入った場合は救急外来の医師かフライトドクターが、どちらに先に対応するかを医学的判断で決断します。また1件でも多くの重複要請に対応するために、群馬県防災ヘリのドクターヘリ的運用(防災ヘリが当院でドクター・ナースをピックアップして現場に向かう方式)を併用して重複したもう1件に対応することがあります。群馬県ドクターヘリが運航開始してから今までに5件の重複要請に対して防災ヘリドクヘリ的運用で対応しました。


まずは消防本部に迷わずにドクターヘリを要請していただき、そして1件でも多くの要請に対して出動できるよう、これからも無事故で活動していきます。これからもドクターヘリへのご理解とご協力のほどよろしくお願いします。




明日は空っ風が強くなるとのことで、ドクターヘリは夕方に群馬ヘリポートに退避していきました。明日は群馬ヘリポートからの出動準備になります。病院にいつもより30分早く出勤です。明日の朝の気温は-6℃・・・がんばって布団から出ます!

2 件のコメント :

  1. 今日は!
    やっぱり町田先生だったんですね( ^ ^ )/☆
    ドクヘリに対する熱い思いと、患者さんの復帰を願い真摯に向き合う姿が伝わります。
    よく検証と対策もなされていて、勉強させていただいてますm(_ _)m
    近頃ホントに寒いですね!最近は、気がつけば休みをほぼ24時間睡眠で終えてることに反省です。。

    返信削除
  2. nakaさん

    たいへん温かいお言葉をいただき恐縮です。当科スタッフ一同、常にドクターヘリをいかにうまく生かすか、患者さんの社会復帰のためにもっとできることがないか、と日々模索中です。検証もまだまだ他のドクターヘリ基地病院に比べて足りないところばかりです。
    本当に寒い日が続いていますね。どさんこでも上州の空っ風の寒さは堪えます・・・睡眠をしっかりとって体調を崩さないようにすることも大切なことですよ。
    これからも応援よろしくお願いします。

    返信削除

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