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冬季オリンピックとスキー場への出動数の関係。

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町田です。 3月も冬の群馬の平野部にしてはめずらしく雪や雨によるドクターヘリの運休が多くなっています。風の強さは毎年恒例で同じくらい吹き付けていますが・・・ 群馬県の大雪によりソチで開催されていた冬季オリンピックをなかなかゆっくり見ることができませんでしたが、ベテランから若手まで日本人選手が新種目を始め様々な競技で全力を尽くして感動を与えてくれました。そしていまパラリンピックの熱戦が始まっています。引き続き応援しています! 群馬県北部の山間部は一大スキーリゾートで、首都圏からも高速道路を使って気軽に来れることもあり、毎年冬に多くの観光客の方がやってきます。 しかし毎年必ずスキーやスノーボード(特にスノーボードでのジャンプ)での重症外傷の傷病者が発生し、残念ながらドクターヘリや防災ヘリがスキー場へ出動することがあります。 ここで過去のデータと今年の出動件数を比較してみましょう。 スキー・スノーボード外傷へのドクターヘリ出動数です。(2013年度は3/9まで) 重症外傷の割合が高いのが特徴です。 搬送先も圧倒的に3次対応病院が占めています。 今年は特に件数が増えてしまっています。また年々全出動数が増えている中で2009年度が多いのも特徴です。 2009年度、2013年度が多い・・・実はこれは冬季オリンピックの開催時期と一致しています。実はオリンピックの期間やそのあとのスキー場への出動数が増えているのが事実です。 楽しいスキーリゾートでの行楽も、大ケガをしてしまうとあっという間に悲しい思い出になってしまいます。 オリンピックやパラリンピックに出ている選手の方々は、相当のトレーニングをしてあのように果敢に素晴らしい滑りを魅せてくれています。オリンピックを見てつい真似してしまいたくなるかもしれませんが、自分の装備と実力とよく相談して安全に楽しんでください。 スキー・スノーボード外傷では群馬県外から来られた患者さんが多くなっています。 ドクターヘリだけではなく、防災ヘリでも駆けつけます!  

的場先生、1ヶ月間ありがとうございました。

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京都第一赤十字病院の的場先生の当科での1ヶ月間の研修が終了しました。 来ていきなり大雪に見舞われスタッフが病院になかなか集まるのが大変な中、誰も歩いてない雪道をかき分けて病院に来ていただきました。次々搬送される救急患者さんの入院受け入れのために、集中治療室の患者さんの診療に従事していただきました。 また最後の2日はドクターヘリに同乗していただき、5件の出動を通して群馬県の病院前からの救急医療について学んでいただきました。   強い北風のもとでの出動後の1枚!   短い期間でしたが僕たちもいろいろ勉強になりました。1ヶ月間どうもありがとうございました。   送別会には先月末で研修を終了した氏家先生も駆けつけてくれました。 

ECMO治療の病院間連携に取り組んでいます!

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鈴木です。 群馬県内の重症呼吸不全患者さんの救命率向上を目指してECMO治療の病院間連携に本格的に動き出しました。 年明けから県内の各病院には当院の地域医療支援・連携センターより「重症呼吸不全に対するECMO治療の病院間連携のご案内」をさせて頂いています。 *「 ECMO って何?」という方は『 ECMO 研修 in スウェーデン』参照・・・   → http://drheli-gunma.blogspot.jp/2013/02/ecmo-in-vol1.html      http://drheli-gunma.blogspot.jp/2013/02/ecmo-in-vol2.html      http://drheli-gunma.blogspot.jp/2013/02/ecmo-in-vol3.html   ECMOは肺炎などの重症呼吸不全で瀕死の状態にある患者さんを救命する最終手段です。 しかし、残念ながら日本のECMO治療の成績は諸外国と比べてあまり良くありません。 その原因の一つに病院間の連携不足が指摘されています。 日本呼吸療法医学会は次のような推奨をしています。 超重症例では陽圧換気による肺傷害を回避するために、ECMOの導入が推奨される。重症呼吸不全に対するECMO治療は、循環補助のためのECMOと異なるため、十分な知識と経験を持った施設に相談し、迅速に対処することを推奨する。患者搬送を含め、地域での連携が重要であり、日ごろから関係を構築しておくことを強く推奨する。 この推奨に従い 群馬県においてもECMO治療の病院間連携を図り、重症呼吸不全患者さんの救命に貢献したいと考えています。 われわれは日本呼吸療法医学会ECMOプロジェクトに参加し、質の高いECMO治療を提供できるように準備を進めてきました。 そして、トレーニングと経験を積み重ねた今、質の高いECMO治療を提供できる!と手応えを感じています。    今日もECMO治療が続いています。     群馬県内で下記のような重症呼吸不全患者さんが発生した場合にはECMO治療の適応となる可能性がありますので当院...

『第19回日本集団災害医学会』に参加しました。

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中村です。 2 月 25 日~ 26 日に,東京国際フォーラムで日本集団災害医学会が開催されました.まず,会場が広い!クロークが探せず,しばらくはスーツケースを転がしていました.   <当センターからの参加> ・中野センター長: 一般演題「DMAT」 座長 ・高寺看護師長: 一般演題「DMAT」『局所災害超急性期、DMATによる病院支援・避難』 ・中村: 特別セッション「南海トラフ巨大地震対応」『地域医療搬送の限界-南海トラフ地震-』 一般演題「災害航空搬送」 『動態監視システムを活用した地域医療搬送の試み』     25 日の朝一番に,特別セッション『南海トラフ巨大地震対応』で「地域医療搬送の限界」について話をさせて頂きました.実は,抄録を作成する前は,「頑張って被災地から傷病者を搬送しよう!」と思っていましたが,抄録作成後には愕然としました.現状を医療者だけでなく国民全員で話し合う必要があると感じました. 夕方は,展示ホールに移動し,一般演題の発表でした.ポスターも同時掲載であったため,聞き逃したところを後から確認することが出来,非常に助かりました.しかし,時間の合図の「チーン」が他のブースと被ってしまい,果たしてどの「チーン」が僕のなのか?わかりませんでしたが,とりあえず,あまり時間を越えずに発表出来たようです.   また,一般演題が終了する前から,フライングをしている方々がおり,非常に羨ましく思いました.ここで“景気づけ”と行きたいところでしたが,アルコールに弱い僕にとっては“景気づけ”にはならなかったと思います. なにはともかく,無事に終了?したので一安心しています.

統括DMATデビュー!(平成25年度群馬県災害対策本部図上訓練)

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藤塚です。 先月、統括 DMAT 研修を受講し、統括 DMAT となりました。 統括 DMAT は、本部で活動し、色々な指揮・支援・手配などを行う人たちです(言わばお偉いさんですね)。私のような年代の方はおらず、病院長や部長クラスの先生方でありました。私の年代で受講させていただけたことは非常ありがたく、当院の災害への力の入れよう、また当院の災害対応能力の高さを改めて感じました。 と、それを受けてでしょうか県の災害訓練に参加させていただきました。図上訓練であり、私たちは、 DMAT 調整本部・災害医療コーディネーターとして参加しました。 内容は、太田市で大型地震が起きてしまったという想定で、本部長は鈴木 Dr 、私は副本部長として活動しました。 どの部署の人たちと話せば情報が得られ、行動したいときに誰に頼めばいいのかなど、みなそれぞれの役割がある中でどのようにまとめ、一人でも多くの救助・救命できるかを考えるなど、非常にいい訓練・勉強になりました。   一つの決断が多くの人やものを動かすという責任感は尋常ならぬものがありました。 『事件は会議室で起きているのではない!現場で起きているんだ!』という名言もありますが、いつも現場や前線で活動している私にとって、非常にいい経験になりました。上層部の人たちの軽率な判断や行動が多くの失敗にもつながりかねないことを理解することができました。確実な情報のもと、的確な行動をしなくてはいけないですね。   災害はいつ起きるかわかりません。このような訓練を繰り返し、いざという時に迅速かつ的確に対応できるような体制を常に作っておかなければなりませんね。(そういった面では、改めて当院のすごさをしりました!)

電子カルテ狂想曲!?

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町田です。 医師になってそろそろ15年目を迎えます。当院を含めて今まで4病院で働いたことがありますが、検査やレントゲン、点滴や内服薬ともに電子カルテでオーダーする病院はここが初めてです。実は診察記事をパソコン上に入力するのもこの病院が初めてであったりします。 当院に来て6年が経ち電子カルテでほとんどのことを行うことが当たり前のようになっていましたが、この週末は電子カルテの更新に伴い2月28日(金)から3月2日(日)夜まで電子カルテが使用できませんでした。そのため、検査、レントゲン、点滴、内服のオーダーはすべて手書き伝票、そしてカルテ記載も手書きとなりました。 ベテラン医師の方が手書きオーダーに違和感がなさそうな雰囲気を醸し出していたり、フィルムで出てきたレントゲン写真を初めて見たという若手看護師やそのレントゲン写真を見るための『シャウカステン』を知らない若手医師がいたのには、悲しいことにジェネレーションギャップを感じざるを得ませんでした・・・ レントゲン写真は結果をパソコンの画面上で見られる参照モードがありましたが、特に採血などの検査結果は手書きで検査技師さんがわざわざ各病棟まで配布してくれていました。検査技師長を始め検査部スタッフ総動員で対応していただきました。(土日にも関わらず100件を超えるオーダーがあったとのことです。)また加藤副院長が陣中見舞いに救急外来や集中治療室にわざわざ足を運んでくれました。 細かいトラブルはいろいろありましたが当院事務職員や業者さんの頑張りもあって、ひな祭りを迎える前にほぼ完全復旧しました。もちろん今回の更新を理由に患者さんに大きな負担をかけたり救急外来の受け入れを制限することはありませんでした。

群馬県ドクターヘリ&前橋ドクターカー 2月活動実績速報

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3月になりました。初日から悪天候のスタートで、朝は高崎、前橋などの群馬の都市部も霧につつまれている状態でした。 霧に包まれた前橋市内。 晴れた日はこのような景色ですが・・・ 病院は2月28日夜から電子カルテが更新のために停止しているため、紙ベースでのオーダー・記録で対応中です。各部署とも休日夜間当番者(部署によってはスタッフ総動員)で週末の救命救急センターの対応にあたっています。もちろん電子カルテの更新を理由に外来や入院制限は行っていません。 ☆群馬県ドクターヘリ2月活動実績速報☆   〇要請:67件(2.39件/日)・・・先月-27件、昨年同月-12件 〇出動:54件(1.93件/日)・・・先月-14件、昨年同月-2件  ・現場出動              42件  ・施設間搬送            5件  ・出動後キャンセル             7件(キャンセル率:13.0%)  ・その他                 0件 〇未出動:13件  ・重複要請                6件  ・救急隊現着後キャンセル     1件  ・天候不良               2件  ・運航時間外                2件  ・医師判断               1件  ・その他                1件 2月は2度にわたる大雪の影響で7日間はドクターヘリが運休せざるをえない状態でした。ドクターヘリの運休を補完するドクターカーも、道路の除雪がなかなか進まずに要請するどころではなかったようです。 北海道・東北地方、そして日本海側の基地病院の皆さんの冬の雪に対する苦労や出動できないストレスを感じることができました。そして雪に対する対策の脆さも・・・公設ヘリポートである高崎ヘリポートが使用できるまで12日もかかったのは大きな問題でした。誰が雪かきをするのか?誰の管轄?...