「横浜ITLS Pediatric Course」で指導してきました。~外傷から子供を守る!~

町田です。
8月が涼しかったせいか9月の日中のちょっとした蒸し暑さだけでも体のしんどさを感じる今日この頃です。日の入りも早くなってきて「秋の夜長」を楽しみたいところですが、いまはさっさと仕事を終わらせて1分でも早く寝床に入りたい日々です・・・

 
 
前回は西村先生より「北海道ITLS Advanced Course」の受講について報告してもらいました。
病院前の外傷患者の初期対応についてよりアドバンスな考え方で学んでもらうように僕も指導者として参加しました。コースでは高齢者や妊婦を含めてほぼ成人患者が対象でしたが、その中で30分だけ小児外傷の講義を担当させていただきました。
もちろん小児外傷をたった30分の講義だけでは伝えられるわけはありません。そこで小児外傷に特化した病院前診療を学ぶ「ITLS Pediatric Course」というものがあり、実は釧路のAdvanced Courseの半月前に横浜で開催されたコースに指導者として参加しました。会場は外傷診療に携わるものであればだれもが知っている済生会横浜市東部病院でした。

小児外傷は成人に比べて頻度が少なく対応する機会は少ないのですが、いざ来た時にはきちんと診療できないといけません。「小児は特殊だ!」という抵抗感を持った時点で負けです・・・救急医は小児から高齢者まで構わずみなくてはいけなません。

とはいえ、「頭が大きいので頭部外傷が多い」「バイタルサインが成人と異なる」「呼吸・循環の予備能が少ない」など、成人とは異なる小児ならではの特徴もたくさんあります。
また、「怖がっている子供からいかに所見をとるか」「家族とのかかわりをどのように保つか」「虐待の疑いはないか」など、観察に一工夫が必要なこともたくさんあります。

このような知識や技術を2日間かけて学ぶコースが「ITLS Pediatric Course」となっています。


自分自身も決して小児外傷を見る頻度は多いとは言えませんが、それでもドクターヘリ・カーで出動した時に重症小児外傷に対応することがあり、小児における様々な知識がその時に出てくるかどうかで処置のスピード、決断力に大きく影響が出てきます。
子供はますますスピードも求められるため、臨床経験で不足分を積極的にコース指導に参加して常に頭の中の小児外傷の引き出しを開けておくようにしています。


子どもはみんなにとって大切な宝物です。
小さな命に詰まった大きな希望を守るために、日々の努力を怠らない様にしていきたいと思います。
それと同時に周囲の大人に「事故の予防の大切さ」を啓蒙し続けていきます。
僕は子供をチャイルドシートに装着していない家族には、たとえ後で苦情が来ようとも本気で怒りますよ!

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