「急性期災害医療(レベルⅠ)コース」を受講しました!

後期研修医 金畑です。
824日に院内で開催された「急性期災害医療(レベルⅠ)コース」という講習に参加してきました。インストラクターには当院救急科の医師や看護師の他に、前橋市消防局の方がいらっしゃったり、受講者も当院職員の人ももちろんいましたが、県内の病院から何人も参加されていたりして、院外にもオープンな講習会でした。
http://www.gunma-redcross-icuqq.com/seminar/ksic.html

講習の内容としては、災害発生時に必要となる医療がどんなもので、何が必要となるのか、どういうことをするのかといったことの、基本的なことを学びます。災害医療に関しての入口のような講義だった印象でした。


構成としては、座学の他に、実技が後半にありました。座学で学んだことについて、実技(といっても厳しいテストのようなものではありません)実践するといったものでした。トランシーバーの使用方法や通信について、START法を使ったトリアージの練習、多数傷病者が発生した想定で、制限時間内に全員のトリアージを行うといったシミュレーションをしました。

トランシーバーを使った通信では、トランシーバーの特徴から必要となる使い方、例えば感度テストや通信時に、誰から誰宛ての通信なのか、「どうぞ」と言った決まり文句などを実際に行いました。実際にやってみると、短い文章で簡潔に伝え、決まり文句も漏らさず言うのが案外大変でした。

次に、トリアージの練習をしました。
ご存知とは思いますが、トリアージは多数の傷病者が出たときに治療・搬送の優先度を決める方法です。いくつかある方法の中のSTART法という、10秒程度で判断する方法を練習しました。これについては、もともと学んだことがあったので、すんなりと理解できた(つもりでした)が、そのあとのシミュレーションに苦労しました。
 
シミュレーションは、受講者がトリアージをするチームという設定で、6-7人のチームになります。そして、トリアージタグをたくさん渡され、「ビルが倒壊して、多数の傷病者が居ます。安全は確保されているので、傷病者のトリアージをしてください」という大雑把なシチュエーション説明のみで、ビルの(実際には教室の)扉が開けられて、シミュレーションに放りだされます。すると、電気が消えて(消されて)薄暗いビル(教室)の中には、多くの人が倒れていたり、歩いていたり、助けを求めていたり(これがまた演技派で…)という状況の中でトリアージを行い、制限時間が来たところで、赤タグ、黄色タグ、緑タグ、黒タグが何人だったのかという答え合わせをする、といった流れでした。
トリアージを正しくやることはもちろんですが、シミュレーションが始まる前に数分の時間が与えられるので、それまでに準備(チーム分けやトリアージタグの下準備など)を行っていないと、シミュレーション中に慌てて、情報共有がされず、最終的には時間もかかるし、正しいトリアージも行えないという結果になってしまうので、下準備の大切さも同時に学ぶことができました。
 
最後には、筆記テストとSTART法の簡単な実技テストを行い、修了式後に解散となりました。


いわゆる自然災害といったときも必要となりますが、多数傷病者が発生した時の「災害」時にもつながる基本となる講習会でした。今後、pre-hospitalをやるうえでも必要となる知識の習得につながりました。

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