ポイントを教えます!~教職員対象AED&エピペン講習会~

町田です。
前回の投稿では前橋市内の高等学校教職員対象としたAED&エピペン講習会の話題を書きましたが、当科ではこのように医療関係者ではない方へ積極的に講習会や講演会を行っています。

個人的にはいままでも小学校への特別授業、幼稚園の保護者へのセミナー、そして高校生への救命講習会、そして大学での講義など、本当にありがたいことに毎年多くのご依頼をいただき、病院や当科の大切な業務としてできる限りリクエストのこたえるようにしています。
特に今回のAEDやエピペンが関係する心肺停止やアナフィラキシーなどでは、救急隊がどんな急いで現場に向かっても病院でどんなに高度な治療をしても、倒れた人のそばにいる方々の行動がなければ助けることができないことがあります。みなさんには「命のリレーの第一走者になってほしい!」という思いだけでこのような活動を続けています。


しかし医療関係者ではない方々にわかりやすく伝えることに最初からうまくできたわけではありません。いろいろな試行錯誤がありました。ちなみに先日行った「教職員対象AED&エピペン講習会」のスライドは、たった3年でAEDはバージョン『6』、エピペンもバージョン『4』と更新し続けています。
おかげさまで講習会もだいぶ好評を得るようになってきました。良いことは皆さんで情報共有するべきだと考えているので、一般市民向けにAEDやエピペンを指導するときの「これは良かった!」と評判であった事例集を紹介します!

1.AEDをとりに行くとき・・・
『先生が自分でAEDを取りに行くよりもっともっと走れる生徒に行った方が早いですね。しかも生徒の方が機会に強いかも・・・そのためには生徒にAEDのある場所rと使い方をきちんと指導してくださいね!』

2.AEDが届いたらまず・・・
『〇○〇ネット〇〇〇では売ってませんが、電化製品(!?)なのでまずは電源を入れないと動きません!』

3.AEDの使い方を忘れてしまった・・・
『人の言うことを信頼できない人もAEDの言うことだけは聞いてあげてください。AEDはおしゃべりで自分の取り扱い方をしゃべってます!逆らうと危険ですよ・・・相手は電気をもっています。』

4.質の良い胸骨圧迫を続けるために・・・
『「助けたい」という強い思いで一人が胸骨圧迫を続けすぎると疲れて質が落ちるので、周囲の人はとにかくちょっとでも疲れてきたら積極的になだめて交代してあげてください。その時だけは年功序列は関係なしですよ!』(質の良い胸骨圧迫の継続するために周囲の人の観察力とチームワークが重要!)

5.8.6分の戦い!
『救急隊が到着するまで日本の平均時間は8.6分・・・皆さんに胸骨圧迫とAEDを続けてもらった時間はまさにこの時間です。なかなか来ないと思ってもやり続けるしかありません!』(実技は実際に救急車が到着するまでの時間を体感してもらう!)

6.来る救急隊の戦力がそがれると1人も助けられない・・・
『たすけている人が危険にさらされて患者が増えると、救急隊の力が分散されてしまい誰も助けられなくなる可能性があります。周りの安全、電気ショックをかける時の安全確認を怠らず!』

7.自分の身の心配を・・・
『年齢的に生徒より先生の方が倒れる可能性は高いです。生徒を助けるためにもまずは先生方の健康管理を怠らずに!』

他にも、部活中に倒れたら周りの部活の練習も中断する(ボールが飛んで来たりする危険があるため、救命に協力してもらうため)、119番を忘れていないか確認する、感染防御の手袋がなければスーパーの袋で代用(できれば救急箱やAEDとゴム手袋は常にセットで)など、現実に起こりそうなことやいままで実際に聞いたことがある話を織り交ぜていくとよいようです。


ちなみに当院では若手スタッフも一緒に講演会や講習会に参加してもらっています。
今年度の救命講習会には、昨年度からの星野先生に加えて、小橋先生、増田先生、劉先生が一緒に参加しています。いかに相手の心をつかみ、そして大切なことを心に残してあげるか・・・教える内容だけではなくよりわかりやすく興味を持っていただく教え方も学んで行きましょう。ちなみに今週は小橋先生を中心にサッカーコーチへの救命講習会が開催されます。このような業務の若手へのバトンタッチも考えつつ、僕自身もまだまだ修行中でございます・・・

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