『平成28年度第1回群馬県ドクターヘリ症例検討会』を開催しました。

町田です。
5月24日開催された平成28年度第1回群馬県ドクターヘリ症例検討会の報告です。
今回も会場に100名を超す多くの方々にお集まりいただき、活発なディスカッションを展開していただきありがとうございました。

 

<平成28年度第1回(通算27回目)群馬県ドクターヘリ症例検討会>
 
・日時:2016年5月24日(火) 14~17時
・場所:前橋赤十字病院 博愛館

1.症例検討
☆事案①
『アナフィラキシー症例:ドクターヘリ到着前に本人持ちエピペンを用いた症例』
アナフィラキシーは緊急度が高いが、早期対応で軽症化できる!
各地域で学校とアナフィラキシー、エピペン®に関する話し合いを!
☆事案②
『原因がわかりにくかった心肺停止蘇生症例』
救助に時間がかかるときは、定期的に救急隊による観察も忘れずに!
疾患以外のCPA蘇生においてはABの観察・管理も怠らず!
☆事案③
『多数傷病者事案で救急車搬送からドクターヘリピストン搬送に引き継いだ事案』
隣県のランデブーポイントの把握、協力体制を確立!
多数傷病者事案に関して早期に搬送手段、搬送先の確保を!
☆事案④
『ランデブーポイントに支援車両がなく現場派遣できなかった重症外傷事案』
現場の安全確保が最優先であるが、傷病者へ早く医師接触させることを忘れずに!
 
2.ランデブーポイント設定に関する検討
★事案⑤
「現場直近の隣接消防管轄内のランデブーポイントを利用した事案」
消防管轄を超えた柔軟な対応により医師接触を早めることが出来る!
★事案⑥
「日没間際でランデブーポイント安全確保に時間を要するために群馬ヘリポートに搬送となった事案」
複数機対応事案ではランデブーポイントに複数機が着陸できるような事前調整を!
群馬ヘリポートから3次病院への陸送は時間がかかるので、それを踏まえた現場での時間を意識した活動を!

3.平成28年熊本地震における参集ドクターヘリ活動報告
「今回の活動概要の報告と群馬県におけるシミュレーション」
群馬県にドクターヘリが参集することがなったときに・・・
<参集場所>群馬ヘリポートはスポット数に限りあり他機関ヘリであっという間にいっぱいになる。飛行場はない。相馬原駐屯地・県営敷島陸上競技場が候補か?
<給油場所>群馬ヘリポートが使用できないと給油スポットなし。自衛隊基地ですぐに給油ができるのか?周辺県基地病院がたより?給油ステーションがすぐに設置(運航会社に依頼)できるか?
ということで、受け入れ側になるとほとんど体制が整っていないことが判明したので、これから早急に受援側になったときのことを考えていかなくてはならない。

4.その他
「群馬県・埼玉県および新潟県のドクターヘリ広域連携」
知事会議で基本合意が締結された。これから今後連携の具体的な運用方法について話し合いを進めていく予定。

「消防職員以外のランデブーポイント確保」
6月1日より赤城山住民による安全確保が可能。
榛名湖、片品もいよいよ進めていかなくてはいけない。

「消防無線のデジタル化」
5月30日よりドクターヘリもデジタル対応。

******



今回も3時間の長丁場でしたが、多くの方々よりご意見をいただくことで群馬県におけるドクターヘリ活動の良い点、課題点などがよくわかり、そしてそれに向けてどのように解決していけばよい可のヒントをもらいました。
 
特に今回は熊本地震におけるドクターヘリ活動の報告をもとに、「群馬県に大きな災害がおこったた時に多くのドクターヘリを受け入れることができるのか?」ということをテーマに会場の皆さんと一緒に考えました。正直言うと群馬県は受け入れ態勢は全く整っていないことが露呈し、受援側になったときのことも早急に考えないといけないことを実感しました。
 
また今回はアナフィラキシーとエピペン®に関わる事案の検討があり、大切な子供の命をアナフィラキシーで失わないために「各地域で医療、消防、学校が一体となってアナフィラキシーやエピペン®に関する話し合い、体制構築を積極的に進めていくことが大切である」という認識を皆さんとともに確認できました。実は平成26年5月28日に消防庁救急企画室から各都道府県知事、教育委員会に「今後の学校給食における食物アレルギーの対応について」という通知が出されており、そこには『教育関係者のみならず、医療関係者、消防機関等の幅広い関係者が共通認識を持って食物アレルギー対応にあたることが重要であり、関係者間、関係機関間の連携体制の構築等に努めるべきこと』と書かれています。
 
さらに埼玉県ドクターヘリのフライトドクターから、「現場での観察における呼吸数の大切さ」についてきちょうなご意見を頂きました。
 
 
今回も多くの関係者の方々にお集まりいただいたことで、様々な発見、共通認識の確認ができました。今年度も3か月に1度のペースで開催します。

コメント

  1. 一文字違い2016年5月28日 22:22

    赤い字で書かれているからではないですが、すごい熱気が感じられます。
    多くの皆さんが、人命のために努力されていることがうかがえます。
    5月30日以降、ドクヘリの活動状況が分からなくなりますが、ブログを見守りたいと思います。

    返信削除
    返信
    1. 一文字違いさん、コメントありがとうございます。
      ドクターヘリに関わる人たちが全員同じ目的で活動することが大切です。すべては1人でも多くの人の救命と社会復帰のために!

      削除

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