新生、前橋ドクターカー!~ヘリ&カー同時待機体制へ~(前橋ドクターカー 2月活度実績速報付)

2013年2月より群馬県ドクターヘリの補完事業として運行開始した『前橋市消防局と前橋赤十字病院の協働によるドクターカー(以下、前橋ドクターカー)』も3年がたちました。
前橋市消防局管轄内の限定ですが、「①ドクターヘリの運航終了時間が日没により早まった時間帯の補完」から始まり、続いて「②悪天候などでのドクターヘリ運休時の補完」、さらに「③ドクターヘリ重複要請時の補完」、そして今は「④ヘリよりカーの方が医療介入が早いと判断した時の出動可」というように、だいぶ活動の幅が広がってきています。

しかしながら一番の問題はセカンドドクターの確保でした。
当科はスタッフ数は多いのですが、現場で戦う知識と技術を持ったフライトドクターの育成の遅れ、多種にわたる院内業務に対する臨機応変の対応力の弱さなどがあり、なかなかセカンドドクターの常備ができていませんでした。
しかしながら今年度6月より平日限定とはいえ看護部がセカンドナースを常に確保してくれるようになっており、ドクター側の遅れがますます早急に解決しなくてはいけない問題となってきました。

その後も試行錯誤、紆余曲折がありましたが、やはり当院の救命医療の責任感をスタッフ全員であらためてしっかり考えて、前橋ドクターカーは今月から新体制でスタートすることになりました。
“ドクターヘリ&ドクターカーの同時運用開始”です!

前橋市消防局管内、ドクターヘリ運航時間(8:45~17:45)の限定ではありますが、ドクターヘリ運航可能中であっても前橋市消防局が「ドクターカーの方が有効」と判断すれば直接ドクターカーホットラインでカー要請することができるようになりました。

そしてその要請に対して最初からセカンドドクター&ナースで出動するようになったため、ヘリとの複雑な調整もなくなり、またセカンドドクター&ナースがいる時間が多いことでドクターカーのみならず重複要請時のヘリセカンドスタッフとしてもすぐに出動できるようになりました。
全国のヘリ&カーの基地病院では当たり前に行っていることかもしれないためあえてこのブログで紹介するほどのものではないかもしれませんが、近隣消防本部の救急車によるピックアップ方式で行うドクターカーの仕組みとしてはかなり練ったものが出来上がりました!

前橋ドクターカー (上)要請数・(下)出動数
いずれにしてもまだまだ全国に誇れるほどの要請・出動数ではありませんが、この新体制をきっかけに空からも陸からも傷病者のもとに駆けつけられる「より強い病院前医療」を行っていきますので、これからもご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします。



<前橋ドクターカー 2月活動実績>


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