安全な観光地を目指して!~消防職員以外のランデブーポイント安全確保~

町田です。
群馬県は昨年度ゆるきゃらグランプリでぐんまちゃんが1位に輝いたのにもかかわらず、毎年県の魅力度ランキングで最下位近くをうろついています。もちろん僕の出身地である北海道は1位の常連であることはとてもわかりやすいのですが、今住んでいる群馬県も結構良いところがたくさんあります。県北部には有名な温泉、スキー場があり、多くの観光客が毎年訪れています。
また赤城山、榛名山、妙義山という上毛三山といわれる比較的近郊にもドライブ、登山、冬にはワカサギ釣りのメッカになっている観光スポットがあります。
県北部には草津温泉、谷川岳、尾瀬など観光名所がたくさんあります。
赤丸の榛名湖、赤城山は近くて遠い場所・・・(詳細は以下本文中に!)
スキー場や温泉地にドクターヘリが出動することが多いのですが、群馬県ドクターヘリ運航要領では「消防職員によるランデブーポイントの安全確保がないとドクターヘリは着陸できない」決まりがあり、消防署から現場までが遠いために安全確保の支援隊の到着に時間がかかりドクターヘリの機動性が生かせない状況にあります。
(*ちなみに右上青丸の“尾瀬”はヘリが着陸できる場所がなく、防災ヘリによる救助活動がメインになっています。)

そのような状況を打破するためには「地元の皆さんにご協力によりランデブーポイントの安全確保」をしていただき、支援隊到着前にドクターヘリが着陸できるようにするためのシステム作りが群馬県、各消防局・本部、運航会社、そして基地病院の共同で始まりました。
「消防職員以外のランデブーポイントの安全確保」に関する講習プログラム(講義&実技)を受講し、県から修了証が発行されると「安全確保者」としてドクターヘリの着陸支援をできるようになります。
現時点で、西吾妻福祉病院職員、群馬県消防学校県職員、草津温泉観光公社職員の方が安全確保者として認定されています!


山間部がひろがる県北部ではこのような安全確保者のニースが高いことがとてもわかりやすい話ですが、実は2大都市である前橋市は赤城山、高崎市は榛名山という、ともに山頂に湖沼が広がりドライブや散策、そして冬にはワカサギ釣りのメッカになっている観光地があり、そこはヘリでは10分以内にもかかわらず支援隊が到着まで30分以上かかってしまう「近くて遠いスポット」になっています。
例えば赤城山大洞地区では、救急隊のみの対応では覚知から病院到着まで平均約86分かかります。ドクターヘリで対応した場合も支援隊到着を待つため平均約55分かかりましたが、もし赤城山山頂付近で安全確保者による支援で着陸できれば約10分でその地区にたどり着くことができます。

「近くて遠い観光地」を安心な観光地に向けての動きに、前橋市消防局とともに市長をはじめ前橋市役所の全面的なバックアップを頂き、11月13日に赤城山大洞地区の住民の皆様にドクターヘリ
説明会を行いました。ドクターヘリの恩恵はもちろん観光客だけではなくその地区の住民の皆様にも最も与えられるものです。


今回はドクターヘリの安全確保の話ではなく「ドクターヘリの活動」の紹介でしたが、説明会終了直後より地区の自治会長をはじめ多くの方々から安全確保に向けて前向きのお話を頂きました。そして地元の方と実際にヘリが着陸できそうな場所を回ったりしました。
やはり消防、行政のサポートがあり、実際に地元にヘリスタッフが足を運ぶことが、活動を理解していただく最も良い方法だと感じました。

赤城山の話がついに前に進み始めました!
そうなると次は榛名山です。榛名山も山頂周囲の榛名湖には多くの観光客が集まっています。高崎市役所、高崎市等広域消防局の皆さんとともに頑張っていかないといけません。関係者の皆様、動き始めるには雪が降る前の今しかありませんよ!


コメント

  1. 「消防職員以外のランデブーポイントの安全確保」に関する講習プログラム」、素晴らしいですね。
    広く活用されることを期待します。
    ちなみに、ここが「ランデブーポイント」であることを表示する看板が付けられると良いですね。
    地域の皆さんに、ドクターヘリについて知って貰えると、協力を得やすいと思います。

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    返信
    1. 貴重なご意見を頂きありがとうございます。
      一部のランデブーポイントには看板が設置されていますが、まだまだごくわずかです。行政や消防と前向きに話を進めていきたいと思います。

      削除

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