2014年11月3日月曜日

第42回日本救急医学会総会・学術集会に参加しました。(報告第2弾)

はじめまして、劉です。
1年に1度。全国の猛者が集まり、各々の信ずる持論を展開し明日の医療に思いを馳せる救急の祭典、日本救急医学会総会 at 福岡。昨日の藤塚先生に引き続いて福岡の旅の報告をさせていただきます。
 
 
 
ここ最近の学会の傾向なのか、高サイトカイン血症の動態およびその制御、高サイトカイン血症の結果起こる血管内皮障害を中心とした病態把握、その最たる表現型としての凝固障害の病態把握、診断、治療介入といったものが今年の学会の演題テーマでは多く見受けられました。
以前の医療は、炎症というものをいかに抑えることに注意が向けられていたように感じます。スタチンやら抗炎症作用のある経腸栄養など多くのStudyが優位性を示すことができずにいました。
そして近年出てきたのがCARSMARSといった概念です。じゃあどうすればいいのって、結論は全く出てはいません。しかし、こういった概念を頭におきつつ、血管内皮の障害を思い描き、『よしよーし、もどってこーい、血管内皮!」と思って診療するのも悪くないかなと思います。ただし、実際の診療において高サイトカイン血症を制御できるもち手札が臨床の場においてはやはり少ないのが事実です。
 
今回の学会においても何演題かでみうけられましたが、制御できる可能性のあるものとしてCHDFCHF)を導入されている施設もありました(名古屋大の松田先生は積極的に導入されているとのことでした)。
よくPMXにはエビデンスがないとか、CHDFを導入しようが生存率は変わらないとか、エビデンスのことばかり気にした話をよく耳にします。しかし、個人的にはそれは少し論点が違うような気がします。CHDFを導入してから患者が退院するまで数多くのイベントが患者には起こります。退院してからももちろんいろんなことが起こります。一概にCHDFで生存率がどうのこうのというのは患者の抱えるストーリーを全く無視しているのではないかと感じるのです。
 
エビデンスってそういうものと言われてしまえばそういうものなのかもしれませんが、生存率のことは別としてCHFを導入するとバイタルが安定することはたびたび経験します。
バイタルが安定するということは次に進めるということです。鎮静されている患者であれば、覚ましていき、また離床、リハビリに進めるのです。そうすることで患者の生活機能の向上につながり、退院することができるのではないかと私は思っています。
生存率に帰依しなくとも、患者のよりよい生活を思い描くのであれば導入してしかるべきものなのではないかと近頃は感じています。
 
 
目指すものは治療だけではありません。我々は、患者が元気に退院し、社会復帰できるその手助けをしているに過ぎないのです。
『良医は病を治すが、名医は人生を治す』と昔教わりました。また明日から頑張ろう・・・そう誓った福岡の旅でした。

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