救急病院で働くということ。(群馬県ドクターヘリ10月度活動実績更新情報)


Web担当の伊藤です。

筆者も時々ドクターヘリ到着とともに院内を走り回ることがあります。
仕事柄、外傷 を扱う医師の側近にいるという立場上、さらに緊急手術後入院といった場面で様々な文書を正確に作成する、という立場にあることから、早期の情報収集が必要となってくるのです。
フライトドクターが救急隊から情報を収集し、その外傷が緊急手術や緊急処置を要するであろうことが予測されると、各専門医の救急当番の医師に連絡が入ってきます。
例えば、高エネルギー事故で意識クリアで下肢麻痺状態であった場合、頭部外傷の他に脊髄損傷が疑われ、さらにフライトドクター診察後に頭蓋内病変より脊髄損傷による麻痺が疑わしい場合には、整形外科にコンサルとされてきます。
頚椎を骨折していたりすると、麻痺の状態によっては緊急手術、その後ICU入室で呼吸管理を要する場合もあるので、コンサルとされた側の診療科は、すぐ手術できる状態か(すぐ手術の準備が整うか)、ICUが満床だった場合に、一般病棟受け入れ可能か等々検討しなければなりません。
その後時間が経過するにつれ、情報はどんどんと明確になっていきます。
その時々に筆者の立場では、医師が救急部とどのような会話をしているか、当院に搬送されるのか、他院に行ってしまうのか、結論が出るまでしっかりと情報収集していきます。
いざ、当院に来ることが決まると、脊髄損傷などは骨折や麻痺がないと保存的に加療となる場合もありますが、四肢切断事例であったりすると、まず、なんらかの手術は必要です。
そして四肢切断事例がヘリで運ばれてくる、ということが決まると、ヘリの羽音が気になります。
バリバリとひとまるちゃんのプロペラの音が聞こえてくると、「ヘリ来たよ」「じゃ、そろそろ救急外来に行ってきます!」と先生たちは口々にそう言いながら、一目散に出かけて行ってしまいます。
筆者も頃合いを見て、先生の後を追い、救急外来を覗きに行きます。
既に診察が終わっていると、先生達は救急外来の処置室で電子カルテを打っており、その脇には同意書や指示書がサイン待ちで積まれています。
筆者もそれと同時にいっきに情報収集し、入院時に必要な書類の作成にかかります。
救急病院ならではの仕事だなぁ、といつもしみじみ思うのです。
現在の診療科に配属された時、医師に言われました。
「うちは救急外傷を扱うので現場で仕事をこなせるスタッフが望ましい」と。
今、 その言葉の意味を噛みしめています。
座ってパソコンに向かっているだけでは、現場は何もわからない、と。
今、起こっていることを、目の前で、実際に体験し、感じて、動くこと。
そうすることにより「救急病院で働く」意味が見えてくると感じます。
こうして筆者は知らないうちに外傷が大得意になってしまいましたが、これからも救急医、整形外科医の縁の下の力持ちとなって行きたいです。

今回は仕事の話となってしまいましたが、群馬県ドクターヘリ10月度活動実績を更新しております。
どうぞよろしくお願い致します。

http://www.gunma-redcross-icuqq.com/dr-heri/content05.html

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