2014年10月27日月曜日

命のリレーの第一走者!~第11回前橋市立前橋高等学校救命講習会(BLS&AEDコース)~

前橋赤十字病院 集中治療科・救急科 原澤 です.

去る1017日,『前橋市立前橋高等学校 BLS&AEDコース』が開催されました.
医療関係者以外,それも高校生が対象のコースとあって,かなり特徴的なコースでした.


楽しくそして一生懸命に・・・
新たに多くの命のリレーの第一走者が誕生しました!

 
そもそもBLSAEDとはなんぞや?という医療関係者はあまりいないと思いますが,一般の方向けにおさらいです.

BLSBasic Life Support一次救命処置の意味です.一次救命処置とは,「急に倒れた人や,窒息を起こした人に対して,そ場に居合わせた人が,救急隊や医師に引継ぐまで間に行応急手当」ことを言います1.医療用語なのですが,実施する方は一般の方なので,本来は医療関係者“以外”の皆さんにこそ知っておいていただく必要があるのですね.

AEDAutomated External Defibrillator/自動体外式除細動器の意味です.文字通りの意味ですが,「体の外側(=皮膚)に貼って使用する」「自動的に適応か否かを判断してくれる」「“除細動”を行う」器械です.まず“除細動”ってなんでしょう?というところですが,これも文字通り「細かく震えている(=“細動”している)心臓から」「震えを取り“除”く」ことを言います.細かく震えている心臓,というのは,ここでは心室細動のことです.心室細動,という状態になっている心臓は,正しく血液を送り出すことができなくなっているので,その震えを取り除くことで,正しい血液の流れを取り戻そう,という発想です.使い方を知っていれば,心電図の解析と,除細動が必要かどうかの判断は器械が自動的にやってくれるので,専門的知識を持たない一般の方でも使用することができる,というのが最大の特徴と言えます.
 


 

 
さて,話を元に戻します.本コースは,一般的に行われているBLSのコースとの相違点がいくつかあります.
第一に,一般的なBLSのコースは,丸1日かけて,正しい(=質の高い)蘇生処置の方法を教育することが主たる目的となっていますが,本コースは約2時間強,高校の授業の2コマ分を使って行う,という時間の制限があります.
第二に,一般的なBLSのコースは「自ら希望して」受講しにきていただく方々が対象であるのに対し,本コースは「授業の一環で」行われる(=受動的な参加である)ことです.これはモチベーションに大きな差がでます.最後に,対象者が「成人」かそうでないか,という点が挙げられます.

こういった条件があるため,本コースではいくつかの工夫をしています.圧倒的に時間が足りない,そのため目的を絞っています.目的は「BLSという処置が存在すること」「AEDという器械が存在すること」を認識してもらうこと,としています.また,モチベーションを維持するために,オリジナルのシナリオを用いたデモンストレーションを行ったり,参加者の反応に応じて内容を修正できるよう自由度の高いコースにしたりといった,参加者の興味をひくような工夫をしています.


このような工夫もあり,例年,一般的なコースとは異なった雰囲気の,独特なコースとなっています.今年度は教員の方々も受講生として参加してくださいました.学生の皆さんも,はじめは緊張していたり恥ずかしかったりという様子でなかなか積極的に動けていない方もいましたが,徐々に場が和み,最終的には非常に盛り上がっていました.

 
インストラクターの皆さんは完全なボランティアとして,県内の各地域から,さらには県外(埼玉,茨城,栃木など)からも参加していただき,運営へご協力をいただきました.インストラクター個々人が経験豊富でやる気に満ちたメンバーだったことが,今回のコースの盛り上がりの一因になったのは間違いありません.この場をお借りしてお礼申し上げます.

また,今回インストラクターとして参加してくれたメンバーの中には,市立前橋高等学校の卒業生も何人かおり,その中にはこのコースを受講した経験のあるメンバーもいました.こういった活動から,医療,看護,救急の現場に対する興味を持ってくれる人が増えるのは,本当にありがたいことだと感じました.
 

 
 

 
私個人にとっても,「救命の連鎖2」は一般市民の皆さんから始まる,ということをたくさんの方に知っていただき,一人でも多くの人が突然の不幸から逃れられるよう,これからも活動を続けていかなければ,と改めて感じる機会となりました.

来年度以降もぜひ多くの方々に関わっていただき,良いコースが開催できるよう,尽力して行こうと思います.

 
1 参考:日本ACLS協会 http://www.acls.jp/ipn_bls_what.php
2 参考:日本赤十字社 http://www.jrc.or.jp/activity/study/safety/rescue/

 
☆前橋市立前橋高等学校のホームページにも本講習会の様子が掲載されています。
http://www.maeichi-hs.menet.ed.jp/backnumber/backnumber26/10/aed/aed.html

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