ラリーのコースドクター!vol.2

 青山です。昨日の続きです。

 さて、ラリーは初日のSS1から順調に予定を消化し、快晴の天候のもと、大きな事故等なく、二日目のSS14を迎えました。このコースは曲がりくねった山道ながら、平均速度が120km/hを超えるという、かなりの高速ステージです。ここで我々の担当するスタート地点は突然のゲリラ豪雨に見舞われます。競技車両はドライ舗装専用の溝の少ないタイヤを装備しています。突然の豪雨でコースは川のように水があふれています。雷雨の中での競技運営スタッフの安全等を確認し、少し時間を押して競技続行となりました。

 
ドライ路面専用タイヤでこのようなヘビーウエット路面を走るのは雪道よりも滑るほどです。俗にいうハイドロプレーニング現象ですね。コースクリアを確認する先行車からは「雨で前が見えない!滑ってまっすぐ走らない!」との無線連絡。いやな予感がします…。

さあ、ステージ開始です。次々とスタートしてゆく競技車。しかし、ほどなく通過確認スタッフから「ゼッケン○○号車、通過なし!!」の無線情報。即座に緊張が走ります。チーフがてきぱきと無線で情報を集めます。行方不明の車両はコースアウトして路肩に停車している模様。クルーに怪我はなく、安全は確保されていると情報が入り、一同一安心…。医療介入は行わずに済みました。結局このステージだけで上位争いに絡む3台がクラッシュ、リタイアとなり、ラリー終盤で大荒れの展開となってしまいました。ヘビーウエット路面で一発逆転を狙ったマキシマムアタックの結果です。しかし、いずれのクルーにも大きな怪我等がなかったのは不幸中の幸いでした。天候の急変、恐るべしです。

 
こうして今回のモントレー2014 in 群馬は成功裏に幕を閉じました。今回は観客動員数も約2万人と非常に多く、このような盛大なイベントに微力ながらも貢献させていただけたのはうれしい限りです。いずれ、仮称、「スーパー・ハイブリッド・ドクターカー」なる、簡単な手術や検査、観血的な処置、レントゲン撮影なども行える装備車両等も開発、帯同できれば、ドクターヘリと併せて、さらに安全性を担保できるんだろうなぁ…などというような将来の夢を描きながら、今後もこのような経験を生かし、日常診療の中で、より迅速で的確な救急医療の提供に役立てていければと、あらためて気を引き締めなおした2日間でした。

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