意識改革!~スピードが命です~

町田です。

群馬は冬に“上州の空っ風”といわれる強い北風が吹きつけ、晴天でもドクターヘリが運休になることがあります。しかし、今年度は春になっても強風が吹きつけていて、5月10日までの40日間で強風による未出動が12件もあります。これも地球の環境破壊によるものなのでしょうか?


先日強風のために病院屋上ヘリポートに戻れず群馬ヘリポートで待機していたところ、ドクターヘリの要請が入りました。残念ながら強風のためドクターヘリが運休でしたが、ドクターヘリよりやや大型のヘリを使用している防災ヘリでは飛行可能とのことで、すぐに防災ヘリの格納庫へダッシュして防災ヘリドクターヘリ的運用で出動しました。


今年度からドクターヘリ要請のスイッチをいれる各消防本部通信指令課と基地病院、県庁で「通信指令課ワーキンググループ」を立ち上げて、メーリングリストで情報共有をしています。早期要請が良いのは当たり前のことですが、なぜよいのかを基地病院からは実際の成績を示して情報提供をしています。

そしてその情報交換の成果が今月に入って目に見えて現れています。5月1~10日の10日間で現場出動に関わるドクターヘリ要請は34件ありましたが、なんと『82.4%』にあたる28件が救急隊現着前要請です。先月までは現着前要請がどうしても60%を超えることがなかったので、しっかりと意識改革ができているように感じます。実際に今月だけでも早期要請でなかったら救命できなかったと思われる症例が何例もありました。
またドクターヘリが重複要請や天候の都合で出動できない時も、防災ヘリや隣県ドクターヘリへの切り替えも早くなっています。ドクターヘリが出動できず防災ヘリに切り替えても救急隊現着前に出動できることもありました。
メーリングリストでは『覚知要請率80%』、『覚知から要請まで30分以内』を合言葉(まだ一方的に言っているだけかもしれませんが・・・)にしています。


このことはドクターヘリの要請だけではなく、僕たち病院にも良い影響を与えています。病院に患者が入った瞬間から決定的治療開始までの時間に関しても、さらなる時間短縮をスタッフがさらに意識するようになっています。

重症度や緊急度の高い患者さんは「スピードが命」です。そして時間とともに質の高い医療を提供することを忘れずにさらなるレベルアップを目指していきたいです!

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