群馬県ドクターヘリ症例検討会を開催しました。

町田です。


先月の大雪の影響で延期となっていた『平成25年度第4回群馬県ドクターヘリ症例検討会』を昨日開催しました。年度末の忙しい中での開催となりましたが、多くの関係者の方々にお集まりいただきました。本当にありがとうございました。




<検討事例>
☆施設間搬送 渋川広域消防
 
搬送元病院に医師派遣を行い安定化させてから搬送した症例。
☆現場救急 高崎市等広域消防
 除湿剤誤飲で、当院ICUでの緊急血液浄化、ECMOにより救命した症例。
☆出動後キャンセル 多野藤岡広域消防
 高速道路の事案に対して、要請のタイミングに合わせてランデブーポイントを事故現場より前か後かの設定を調整する必要であった事案。
☆現場救急 吾妻広域消防
 要請内容では外傷を疑ったが、救急隊の観察で内因性疾患の存在がはっきりした症例。さらに覚知要請で早期医療介入がなされた症例。
☆現場救急 吾妻広域消防
 持続する胸痛は覚知要請すべき症例。
☆現場救急 前橋市消防
 
CPAを疑う症例の要請について再検討が必要な症例。



今回は初めてキャンセル事案についても検討を行いました。
高速道路事案については群馬県もようやく高速道路上に着陸することができるようにマニュアルが完成しましたが、実際に着陸するための条件や時間を考えると正直降りることは困難なのが現実です。そのような現状の中でいかに傷病者に早期接触するために、医療側と消防側でそれぞれ良いアイデアを出し合うことができました。医療側からは「スタッフをおろすだけなら1分で十分」と提案させていただきました。

また緊急性の高い内因性疾患に対しては、やはり「消防覚知同時要請」が最も大切であることを再認識していただきました。とくに急性冠症候群では命に係わる合併症(心原性ショック、急性心不全、致死性不整脈)も注意しなくてはいけないこと、脳卒中では気道緊急や誤嚥のリスクがあり早期のABC安定化が特に大切であることを強調させていただきました。

まだまだ現着前の要請が5割ちょっとしかありません。
要請が遅いため医療接触までの時間も遅くなるのです。





そして今回はさらに美原記念病院副院長の谷崎義夫先生から、「脳卒中に対する専門的治療について」のお話をいただきました。救急隊が現場で観察し、ドクターヘリで初療を行われた傷病者が、搬送先病院でどのように引き継がれているかを、基地病院ではない病院の先生からお話をいただけたことはとても良い機会になりました。これからも様々な病院の先生方よりお話うかがえる機会を作っていこうと思います。
谷崎先生より貴重なお話をいただきました。


何度も繰り返すようですが、特別な状況ではない限り群馬県の広さを考えると以下の2点はもっと意識して活動しなくてはいけません。 毎回毎回同じことを繰り返し言わなくて済む日が来ることを強く願っています。

消防覚知同時要請、ランデブーポイントの増設にかかっています。
現場活動時間の短縮、病着後の迅速なdecision makingにかかっています。



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