2013年3月31日日曜日

2012年度もおしまいです。

町田です。

2012年度も今日でおしまいです。

この1年もいろいろありゆっくり振り返ろうと思いましたが、今週末もそのような暇はなく救急外来、集中治療室は大忙しです。集中治療室はいつもベッドが満床の状態の中で、この3か月で229名の入室がありました(2.54人/日)。12月に入った救急搬送支援システムはとても素晴らしいシステムですが、まだまだその利用に関しては有効に活用されておらず、2013年度も当院がギリギリいっぱいでベッドコントロールする状況は変わらなそうです。

昨日も夕方ぎりぎりにドクターヘリの要請がありましたが、気が付くと今年度1000件目の要請でした。下り坂の天気と迫りくる日没の中で、搬送元病院、3消防本部、救急隊、受入病院すべての連携で1秒でも早い根治治療のていきょのために活動することができました。最終的に2012年度は要請1002件、出動770件でした。1日当たり要請2.75件、出動2.11件・・・いろいろな意味でまだまだですね。




先週末は退職される看護師さんの寂しい涙の分かれのシーンが病院のあらゆる部署で見られました。また週末オンコールで病院にいると、年度末ギリギリまで働いていた異動する先生方が医局の荷物をあわてて片付けていました。



2012年度も様々な病院スタッフの皆様に支えられた高度救命救急センターでした。本当にありがとうございました。そして当院を旅立つ皆さんのこれからのますますのご活躍を心からお祈りするとともに、2013年度もさらに当センターが発展するように頑張ろうと思います。

2013年3月29日金曜日

ドクターヘリの動きを把握せよ!~ドクターヘリ運航動態システム~

町田です。

一昨日に群馬県ドクターヘリは運航開始から3000件の要請を頂きました。そのうち実際に出動できたのは2309件で、約700件は未出動になっています。今年度もあと5件で要請が1000件になりますが、約1/4弱が未出動で約90件が重複要請で対応不能となっています。未出動の原因として天候不良や時間外に関しては仕方がないこともありますが、重複要請による未出動をもう少し減らすための次なる現場医療スタッフ派遣手段を基地病院も消防本部ももっと考えなくてはいけませんね。


昨日当院では密かなミッションが行われていました。
ミッションの名前は『ドクターヘリ運航動態システムに関する研究』です。災害医療センターの小井土先生が主任研究者である「東日本大震災における疾病構造と死因に関する研究」のなかの一つで、日本医科大学千葉北総病院の松本先生を中心に行っている研究です。災害時のドクターヘリ運航調整を担当している当院ももちろん本研究に協力し、昨日は中村先生を中心にJAXAやweathernewsの担当者も当院に集合しました。
基地病院、航空会社、JAXA、weathernewsのスタッフが集まりました。

実際にヘリに専用の機械を搭載してされた機体を用いて(群馬県はまだ搭載されていません・・・)、『D-NET』(JAXA)と『FOSTER-GA』(weathernews)の2種類のモニタリングでヘリの動態を監視しました。
昨年9月1日に四国で行われた内閣府広域医療搬送実動訓練ですでにD-NETはでも使用され、各県庁、高松空港、松山空港でヘリの動きを監視することができました。
また先日も当院でFOSTER-GAによる訓練が行われ、ちょうどその機会を搭載している但馬ドクターヘリの出動をリアルタイムに把握することができました。基地病院に帰還する頃に雨雲がちょうどかかっていることを把握することができ、但馬救命センターに確認の電話をしたところ小林センター長自ら「今帰って来たよ~!でも雨雲がかかってきたから格納中です。」とご報告を頂きました。
D-NET by JAXA
FOSTER-GA by weathernews

東日本大震災におけるドクターヘリ活動の大きな問題点として、ヘリと各本部との通信の確立が難しかったことが挙げられます。石巻市立病院の患者避難活動でも最大8機のドクターヘリが活動しましたが、実際にドクターヘリ運航調整本部のあった福島県立医大CS室ではヘリの動きがわからず、石巻市立病院でもいつヘリが来るのか把握できないままの活動になりました。運航会社の皆さんのプロフェッショナルな活動のおかげで、各地で無事故かつ有効な活動ができましたが、本当に安全かつ効率的なヘリの采配をするにはこのような一括にヘリの動きを把握できるシステムが必要になってくると考えられます。
 東日本大震災では、ホワイトボードと地図を駆使してヘリの動きをフォローしていました。

 昨年度の9.1訓練ではD-NETを試用しました。
 
このようなシステムは災害時以外にも様々な可能性があると感じています。
ドクターヘリが全国的に配備が広がり、各地域で県境を越えた活動ができるように広域連携も進んできています。今の時点では「自県のヘリが出動できなければ隣県のヘリを要請してよい」という連携が多いようですが(北関東区域連携もそのようになっています)、患者さんを中心に考えれば発生地点に最も早く駆けつけられるヘリを要請するのが最も有効的です。
例えば、各道府県のドクターヘリが県境関係なく活動できるような仕組みができていて(これが一番大変だと思いますが)、各消防本部の通信指令課にこのようなドクターヘリ運航動態システムが入っていれば、ドクターヘリが必要時にそのモニタリングから最も早く到達できるヘリを要請することが簡単にできると思います。普段要請しているヘリが他事案に出動していたとしても、その様子がリアルタイムに把握できるので、現場に向かっているならすぐに次に近いヘリを要請したり、すでに病院に向けて搬送していたらそのヘリに続けて要請したりするなど、いちいち電話で確認しなくても要請する側の判断で決められる可能性が出てきます。このようにして近隣ヘリ同士でカバーし合えると、最初に書いた重複要請により対応できなかった事案を減らすことも可能でしょう。

災害時には活動の支障となるいろいろな障壁が次々と襲ってきます。だからこそ災害時のみではなく平時より活用できるシステムを構築して、災害時はその応用として活用できればものすごく良いシステムが出来上がるような予感がします。
今回はまだ研究に協力している段階ですが、ものすごい可能性を感じてわくわくしながら画面をのぞきこんでいました。

2013年3月27日水曜日

初期研修医の旅立ち!

町田です。

3月25日は前橋赤十字病院初期研修医第8期生修了式がありました。
特にこの学年については、学生時代の見学や面接からよく顔を知っていて、また初期研修医時代も患者さんがよくなるために最後まであきらめずに本当に一所懸命に頑張っていました。

2年間の研修が終了し、いよいよ旅立ちの時が来ました。
『まずは患者さんのために』という今の気持ちを忘れずに、これからも活躍してください。
指導医として2年間が終わり、これからはお互い専門科の医師としてさらに熱いディスカッションができる日を楽しみにしています。


修了式の様子について、今回は写真を中心に・・・

 
初期研修医2年生の旅立ちを祝って、多くの指導医や病院スタッフが集まりました。
2年生から4月から後輩ができる1年生にむけて、最後の申し送りがあったようです。
 
 
2年生の皆さん、研修お疲れ様でした。
いよいよこれからが本番ですよ!
ちなみにその頃病院のICUでは・・・
ちょうど1年前に初期研修医を終了し集中治療科・救急科に飛び込んだ2人が、
重症患者さんの管理について熱いディスカッションをしていました。


小林&矢野両先生に続き、今年も当院初期研修医が当科に入ってくれます。
星野先生(写真左)、4月からどうぞよろしくお願いします!
 
そしてもう1人研修を無事終了した人が・・・
雨宮先生(写真右)も当院での3年間の後期研修が終了しました!
 
 
2次会にも多くの研修医が集合!
院長先生も2年連続日付が変わるまで参加していただきました。
最後は15名以上でラーメン屋で〆させていただきました・・・
 
 
集中治療科・救急科については、今年度のメンバーはそのまま前橋赤十字病院に残り、4月からは星野先生とともに5名のスタッフを迎えることになりました。
2013年度は19人のスタッフでさらなる発展を目指して頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。

2013年3月25日月曜日

日本DMATインストラクター研修に参加しました。~ふくしまからはじめよう。~

町田です。

この週末は日本DMATインストラクター研修に参加しました。
全国32都道府県から97名の日本DMATインストラクターが参加し、津波被害や原発問題でいまだ復興への取り組みに追われているいわき市のスパリゾートハワイアンズで2日間の日程で開催されました。

最初に福島県立医大の田勢教授より「福島の復興の象徴であるフラガールの聖地で行ったことに大きな意味がある』という挨拶から始まりました。
特に東日本大震災で課題となったロジスティックス(後方支援)の充実に向けて、講義、机上演習などでかなり活発なディスカッションが行われました。
 
2日目にはDIGというDisaster Imagination Game”を行いました。
東南海・南海地震が発生した想定で、付与された被害状況からチーム毎に神奈川~宮崎県までの各県の県庁内調整本部として地図を使いながら作戦を立てる参加型地域版図上演習です。
ちなみに僕は今回三重県を担当しましたが、ドクターヘリ基地病院である三重大、伊勢日赤ともに水没、その他のヘリポート、駐屯地も水没とのことで、県庁対策本部の移動、奈良県、滋賀県への早期応援要請などの手配をしたり、あまりに甚大な被害で広域医療搬送困難となり現場で戦うために各機関と交渉が必要になるなど、図上訓練でありながらもその地域のリスクや必要な連携が見えてきてとても有効な訓練である実感が持てました。
 
そして『ふくしまからはじめよう。~Future from Fukushima~』というテーマのもと、地元病院の先生(いわき市立総合磐城共立病院の活動)、保健師さん(行政保健師の活動と今後の展開)、介護施設長さん(老人福祉施設の現状と今後の展開)、DMAT事務局(震災関連死と生活不活発病)、県庁の担当の方(福島県の対応と復興に向けた取組について)から震災により起こった現状とその背景を教えていただき、これからのために何ができるかとても心のこもった意見を聞くことができました。

今回の研修において、福島県立医大、福島県庁の皆様の温かいホスティタリティマインドに心より感謝いたします。多くの方々が地元のために尽力してきたことが心に真っ直ぐ届き、これからももっと応援していこうと感じました。

2013年3月23日土曜日

空飛ぶ産婦人科医の旅立ち・・・

町田です。
年度末は送別会がつづきややさびしい気持ちになっている今日この頃です。

4年前に群馬県ドクターヘリが始まった時のスターティングメンバーである鈴木大輔先生が、この3月をもって前橋赤十字病院から旅立ます。
5年前に僕が当院に来た時は救急科医の先輩として救急外来やICUでの管理を教えていただきました。そして200年2月17日に行われたドクターヘリ運航開始式で、『いよいよですね!』と屋上ヘリポートで歓喜の握手をした思い出があります。

翌年度には元の産婦人科に戻りましたが、引き続きドクターヘリや救急外来で支援していただきました。

術中出血量が多くなることが予想される産科手術や緊急手術などでは、積極的に大動脈遮断バルーン(IABO)を有効利用することを提案していただき、救急科医が緊急時にスムーズに手術に一緒に参加できる大きなパイプを作っていただきました。

そして救急科医が苦手(怖い!?)としている産科救急領域も、周産期対応プロトコールの作成やBLSOへの参加を促してくれたりなどしていただき、僕たちも現場で周産期症例に対応できる体制を作っていただきました。

また東日本大震災の時に『地元福島を助けたい!』と翌日にドクターヘリで被災地に向けて飛び立った勇姿は、いまだに全員の記憶の中に焼き付いています。

昨日今まで本当にお世話になった感謝の気持ちをこめて送別会を開催しました。
少し地元に近いところに移りますが、これからもますますのご活躍を心より願っております。

 大輔先生、ありがとうございました。
写真右:東日本大震災の際にドクターヘリで被災地に出動したメンバーとともに・・・
 

2013年3月22日金曜日

災害医療コーディネート研修会 in 石巻赤十字病院

中野です。

3/20-21に石巻赤十字病院で開催された、災害医療ACT研究所主催の『災害医療コーディネート研修会(実践コース)』に参加しました。
 

本研修会は、現時点では日本では初めての災害医療コーディネーターを要請することを目的とした研修です。

中野はスタッフとして、中村副部長、高寺看護師は受講生として参加しました。

「避難所運営ゲーム:HUG」という避難所を運営する責任者になったという想定で、避難所の運営をシミュレーションするカードゲーム中の写真です。

日本DMAT事務局の近藤先生も講師なのに初めてのゲームなので、高寺看護師のグループの
プレーヤーに混ざってプレーヤー以上に避難所運営者になりきって楽しんでおりました。

2013年3月21日木曜日

病院から出られない・・・

町田です。

2,3月は全国でも強風のニュースがたびたび聞かれますが、もともと冬に『上州のからっ風』という強い北風が吹き付けている前橋市は、今年は特に例年以上に風が吹き付けています。今日も未明から強風が吹き付けており、屋上ヘリポートは70ノット以上(風速35m以上)を記録しました。ドクターヘリは地上に待機していましたが、あまりの強風のため快晴にもかかわらず終日運休となってしまいました。

こういう日はウインドソックは横になびきません・・・縦です!

ドクターカーの試行事業も間もなく2カ月がたちますが、あくまでドクターヘリの補完事業とのことで17時45分までの運航時間は変わらず、今この時期はドクターヘリ要請終了時間から30分もしないままでドクターカーも終了になってしまっています。
また今日のように強風でドクターヘリ運休の時も、あくまで補完的な試行事業とのことで確実にドクターヘリが終日運休と決定するまではドクターカーに移行することができず、今日も要請にドクターヘリもドクターカーも出動することができませんでした。

何事の最初の1歩を踏み出すにはいろいろな苦労があり、今回ドクターカーの試行事業が始まったことは本当に関係者の皆さんの努力のたまものであることは間違いありません。しかしながら現場から要請がありハードもソフトもそろっているのに、まだルールが整っていないことで病院から出られないことは本当につらいことです。
はやく次の1歩が出せるように、『すべては傷病者のために』を合言葉に全員で進んでいきましょう。

2013年3月20日水曜日

第49回日本腹部救急医学会に参加しました。

先週の13,14日と福岡で開催された『第49回日本腹部救急医学会』に当科スタッフ3人が発表を行ってきました。


・藤塚医師
『肝硬変患者における出血源同定が困難であった外傷性腹腔内出血の1例』
・雨宮医師
『非代償性肝硬変患者におけるPasteurella multocidaによる特発性細菌性腹膜炎の1例』
・小倉医師
『大動脈遮断バルーンカテーテル(IABO)付属専用シースを用いた動脈圧測定』


最近は腹腔内損傷に対する治療方針について外科と合同勉強会を行ったり、実際に出血が多くなることが予想される産科手術にIABOをもって救急科医が一緒に立ち会うなど、救急科が積極的に参加する腹部救急領域の事案が増えています。
当科はER型救急ですが、各専門科と対等にディスカッションするためには自分たちの知識とスキルをアップしなければいけません。

2013年3月17日日曜日

群馬県内の4つのヘリチームが集結!~防災ヘリ・ドクターヘリ合同勉強会~

群馬県は3つのヘリを所有しています。『群馬県消防防災ヘリ(はるな)』、『群馬県警察ヘリ(あかぎ)』、『群馬県ドクターヘリ』です。また災害時などに絶対に連携が必要となってくる『自衛隊ヘリ』の存在があります!


これらのヘリはそれぞれの所属でその指示のもと群馬の空を飛んでいますが、時としてともに活動することがあります。
今まで防災ヘリの救助事案をドクターヘリが引き継いだり、ドクターヘリの重複要請時にセカンドスタッフが防災ヘリに乗ってドクターヘリ的運用で出動することがあります。

防災ヘリとコラボレーションの活動が多いことから、お互いのコミュニケーションをさらに高めよりスムーズな活動を行うために、『防災ヘリ・ドクターヘリ合同勉強会』を開催しています。

その後県警ヘリとのコラボレーション活動もあり、前回の勉強会から県警ヘリも参加していただけようになりました。
そして今回の勉強会では自衛隊ヘリ関係者も参加していただきました。自衛隊ヘリは特に災害時においてともに活動することになります。

3月14日に行われた『第5回防災ヘリ・ドクターヘリ合同勉強会』は、ついに『防災ヘリ・県警ヘリ・自衛隊ヘリ・ドクターヘリ合同勉強会』と群馬の空を飛び回る4つのヘリチームが集結するようになりました。

 
 1つのコラボ症例に対して、管轄消防本部、現場救急隊、防災ヘリ、ドクターヘリから
それぞれ活動報告を行い、そしてそれに対して様々な検討を行います。
今回県警や自衛隊の方から貴重なアドバイスをいただきとても充実する会になりました。

これからも積極的に勉強会を開催し、さらに4つのヘリ機関の連携がさらにスムーズになるように活動していきます。
 勉強会終了後も帰還を超えた熱いディスカッション続いていました。
(左)防災ヘリ&県警ヘリ (右)自衛隊ヘリ&ドクターヘリ

2013年3月15日金曜日

形成・美容外科との勉強会

当科は様々な専門科の協力のもとで診療を行うことができています。過去に外科、整形外科と勉強会を行っていますが、今日熱傷の治療戦略について形成・美容外科との勉強会が開催されました。(ちなみに今月はさらに術後の呼吸管理について心臓血管外科と勉強会を開催する予定です。)


当院は北関東唯一の熱傷センターです。
・認可:厚生労働省広範囲熱傷特定集中治療室管理料認定施設
・学会認定:日本熱傷学会専門医認定研修施設
ドクターヘリの導入後はますます県内全域また近隣県の重症熱傷患者が当院に搬送され治療を行っています。

重症熱傷の治療は、積極的な病院前からの初期治療、集中治療、手術治療(焼痂切除、植皮)、リハビリテーションなど、初期から慢性期まで気の抜けない治療がずっと続きます。熱傷管理の初期の水分管理や感染症との戦い、術後の創処置の仕方など、様々な難題が待ち受けております。
当院では主に手術と長期フォローを主に形成・美容外科が、初療から集中治療を主に集中治療科・救急科でタッグを組んで行っております。

一緒に行っていくからこそ共通の認識が必要なため今までも話し合いは行われてきましたが、昨年から正式に形成・美容外科と集中治療科・救急科で「熱傷勉強会」を開催しています。
特に最近は『培養表皮』を移植する治療を積極的に行っており、それに向けての手術のタイミングや培養植皮後の創の管理など、過去の経験や最近の知見を織り交ぜながら共通のプロトコール作りに向けて動いています。


ちなみに当院は県内唯一の日本形成外科学会認定施設で、熱傷以外にも顔面骨折、口唇口蓋裂、再建手術など全国でもトップレベルの手術数と成績を残しており、当科にとっても最強のパートナーと働くことができてうれしいかぎりです。
☆当院ホームページより⇒http://www.maebashi.jrc.or.jp/gairai/details.php?eid=00022

2013年3月14日木曜日

相馬原駐屯地で実機訓練を行いました。

町田です。

以前より国では『広域医療搬送計画』というものがたてられています。
広域医療搬送計画については、内閣府のホームページに以下のように記載されています。
『大規模震災時被災地では、重傷を含む多数の負傷者が発生する他、医療施設の被災による機能低下や医療従事者の負傷などにより、十分な医療を確保できないことが予想されます。そこで、重傷者の救命と被災地内医療の負担軽減を図るために、重傷患者搬送に従事する災害派遣医療チーム(DMAT)・救護班を被災地外から派遣し、重傷患者を被災地外の災害拠点病院等へ搬送し救命することが必要であり、これら一連の活動が広域医療搬送です。』

簡単に言うと、被災地内で対応しきれない分を被災地外で助けてあげる仕組みで、被災地内⇒搬送⇒被災地外で傷病者の安定化を図るのがDMATの役割です。そして被災地内から被災地外への搬送に“自衛隊大型ヘリ”を使用するものを広域医療搬送と呼びます。
もともとは東海・東南海・南海地震に対して計画されていたものでしたが、2年前の東日本大震災においてはじめて『広域医療搬送』が行われました。


DMAT隊員は主に病院から派遣されますが、もちろん普段から病院での勤務中に自衛隊大型ヘリに乗る機会はありません。当院もドクターヘリ基地病院でありますが、ドクターヘリ以外にはやや大きめの防災ヘリに乗ることはあったとしても、当然ながら自衛隊機の大型ヘリに乗る機会はありません。
しかしこの先も日本では大きな地震が起こることが予想されており、広域医療搬送が再び行われなくてはいけない状況になるかもしれません。特に群馬県においては、首都直下地震や東海・東南海地震などで多くの傷病者を受け入れるべき県になることは、行政、消防、医療関係者においてはすでに心構えができているはずです。
その際に群馬県で唯一の飛行場がある陸上自衛隊相馬原駐屯地で、3月12日に自衛隊大型機による実機訓練が行われました。

日本DMAT事務局がある災害医療センターDMATインストラクターと陸上自衛隊第12旅団の皆さんの多大なるご支援のもと、中野センター長の進行のもとで訓練が行われました。
参加DMATは県内6チームを含めて10チーム約40名が集まりました。当院および日赤群馬県支部からもスタッフとして6名、受講生として4名が参加しました(当科からは中野センター長、町田がスタッフで、藤塚先生が受講生として参加)。

(*本ブログに掲載の画像はすべて了解を得て掲載しています。)
今回使用したCH-47をバックに記念撮影です!副旅団長の『一期一会を大切に』の言葉で実現しました。

今回の訓練で使用したのは“チヌーク”とよばれるCH-47という機種で、人員輸送なら最大55名、担架による患者輸送であれば24名を一度に運べる大型ヘリです。
広域医療搬送においては、重症傷病者に対して医療資器材も一緒に搭載するため、4名の傷病者とDMAT 2チームで1機という基本フォーメーションを予定しています。

 
傷病者を移動する際のレスキューカーや担架の使用法、ヘリに搭載する資器材のバック
ボードへの固定法を練習し、そして実際に担架を機体に搭載して固定する訓練を行いました。

 
そして今回の訓練では実際にCH-47が上空を旋回していただくことになり、ローターが回って周囲に強いダウンウォッシュが吹き付けている状態での機内への安全な搭乗や、実際に機体の中でのバイタルチェックや急変時の対応を経験しました。

とくに騒音の中でいかに機内で円滑に活動するか、また自衛隊とDMATでいかに連携できるかは、すべてコミュニケーションがうまくできるかどうかにかかっています。機内ではジェスチャー・ハンドサインが必要であったり、乗り込む前に作戦をしっかり立てておく重要性を、初めて実機に乗ることによって痛感することができました。


今回の訓練では相馬原駐屯地の第12旅団の全面的な協力をいただきました。副旅団長が東日本大震災の際に仙台で様々な活動を行っていたとのことですが、 「以前より東北で訓練を繰り返していたことが実際に救護活動で大いに役立った。」とおっしゃっていました。やはりこれから群馬県でも繰り返し訓練が必要です。
そして今回の訓練の開催にあたり、準備から指導まで充実した訓練のために尽力していただいた災害医療センターDMATインストラクターの皆様に心より感謝いたします。


今日は防災ヘリ・県警ヘリ・ドクターヘリ合同勉強会が開催されますが、今回は自衛隊の方も参加していただけることになりました。このようなつながりをこれからさらに深めていきたいですね!

2013年3月12日火曜日

ドクターヘリの機種変更!(1年3か月ぶりのMD902)

 
町田です。

他県ドクターヘリの耐空検査の都合で、昨日から群馬県のドクターヘリの機種が変わっています。

群馬県庁をバックにいつもと違う機種が・・・
群馬県では1年3か月ぶりにMD902が代替機としてやってきました。
MD902は近隣では千葉県や埼玉県のドクターヘリとして使用されており、ドラマ 『コードブルー』でも使用されていた機種です。
☆群馬県ドクターヘリホームページに『BK117C-2とMD902』の比較が載っています。
⇒http://www.gunma-redcross-icuqq.com/dr-heri/summary.html


3月10日の運航終了後(日中は強風のためほぼ運休)、群馬ヘリポートから東京ヘリポートまでJA6924(BK117C-2)を空輸しました。
煙霧にかすむ東京湾岸の景色
 東京ヘリポートについてすぐに朝日航洋の格納庫内でJA6910からJA6902(MD902)への資器材の詰め替えを開始しました。
同機種の入れ替えであればそんなに難しくないのですが、機種が変わると資器材の配置が変わるところがあります。普段フライトナースに任せてばかりの資器材管理ですが、今回は勤務の都合でドクターのみが参加となりました。試行錯誤しながらもなんとか資器材の詰め替えが終了しました。

常日頃からドクターも積極的にこのような作業にかかわっていかないとだめですね。
今回の機体交換は整備士さん3名と一緒に行いましたが、実はこの3名とは2年前の石巻市立病院の患者避難のミッションで一緒に活動したメンバーでした。津波で孤立した病院の外でずっと活動していた時に、ドクターヘリから普段一緒に働いている顔が降りてきたときは本当にうれしかった記憶が今でも鮮明に残っています。
2011年3月14日、左から山口県、千葉県(北総)、群馬県ドクターヘリで
石巻市立病院に応援に来ていただきました。
 
3月11日朝一番に東京ヘリポートから群馬ヘリポートにもどり、通常ミッションの再開です。
テールの部分が特徴的な機影・・・
テール部にローターがない『ノーター』型のヘリです。
 しばらく本機体が群馬の空で活躍する予定です。どうぞよろしくお願いします。



本日自衛隊の実機(CH-47)を用いた搭載訓練が群馬県内で行われました。
当院から受講生3人とインストラクター6人が参加しました。詳細は後日報告します。







2013年3月11日月曜日

東日本大震災から2年・・・

今日で東日本大震災が発生して2年がたちます。

警察庁の発表によりますと3月8日の時点で、
・亡くなられた方 15,881人
・行方不明になられた方 2,668人
・避難・転居をされた方 約31万人
とのことです。いまだ想像しがたい人数です。

まだ傷跡が癒されていない被災地でありますが、少しずつでも前に進めるように僕たちの支援もこれからも続けていきます。
また原発事故でいまだ故郷に戻ることができない状況が続いており、1日でもはやく元に戻ることができるように祈り続けております。


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