合言葉は『30分以内で接触&60分以内で病着』です!~ドクターヘリ症例検討会を開催しました。~

町田です。

10月に台風が続いた日々がウソのように11月は風が強い日はあるものの比較的穏やかな日々が続いています。東京では例年の倍以上の小春日和が記録されているようです。
と言うことを書いていたら、あっという間に強風で屋上ヘリポートから群馬ヘリポートでの待機となりました。群馬の冬期間の強風に悩まされる時期が始まりました・・・


昨日は当院で『平成25年度第3回群馬県ドクターヘリ症例検討会』が開催されました。今回も多くの方に集まっていただきました。

<内容>
①群馬県ドクターヘリ活動実績報告

全国における群馬の活動レベルもお話させていただきました。
もちろんまだまだ一層の努力が必要です。
 
②症例検討(5例)

いつも現場出動した救急隊とドクターヘリスタッフからの発表がほとんどでしたが、
今回は防災航空隊や通信指令課の方々にも発表していただきました。
今回は症例検討の中に防災ヘリとの連携や連続要請に対する対応など、連携の大切さについて主眼を置いた事例も取り上げました。

③日本航空医療学会の演題紹介
ドクターヘリによる予後の成績をこれからもっと消防関係者に示していきます。
予測生存率50%以下の重症外傷では、消防覚知から30分以内と30分を超えた場合では生存退院率に有意差をもって差が付きました。とくに予測生存率25-50%の範囲では、消防覚知から30分以内にドクターヘリスタッフが傷病者に接触していた場合、当院に搬送した全例で生存退院しています。


群馬県は離陸から20分以内で全県域をカバーすることができるため、要請が早ければほとんどの症例において覚知から30分以内に傷病者に医療スタッフの接触が可能です。特に大量出血などでは何も治療されないと30分で約半分の方が亡くなってしまいます。
また医療スタッフの現場活動時間も出来るだけ短縮することで、決定的治療を行える病院までの搬送を消防覚知から60分以内で行うことができます。

高エネルギー外傷では、決定的治療(手術や止血術など)を開始するまでの時間が1時間を超えるか否かによって生死が分かれると言われています。この最初の1時間はGolden Hourと呼ばれています。消防の覚知から要請までの時間短縮、医療の現場活動時間の不必要な延長を避け、『消防覚知から30分以内での傷病者接触、60分以内での病院到着』を合言葉に、消防と医療が連携して活動していきましょう。

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