過去の経験を生かす!~新潟県中越沖地震から6年~

先週は猛烈の暑さの影響なのか1週間でドクターヘリは41件の要請があり、うち33件(未出動のうち隣県ドクターヘリに2件、防災ヘリに1件にご協力いただいた分を含む)に出動しました。
今月は今日までの1日平均4件要請、3件出動となっています。様々な手を駆使しても対応できなかった重複事案に関して対応していただいた救急隊、病院の関係者に心より感謝いたします。
今日は久しぶりに最高気温が30度を下回りちょっと体のクールダウンができましたが、また明日から暑い日が続くようですが、今まで以上に十分体調管理に気を付けていただき、良い夏が過ごせることを心より願っております。

 
 
 
昨日は新潟県中越沖地震から6年目の日でした。この地震で15名の尊い命が犠牲となりました。
当院の日赤救護班もこの地震の対応で新潟県に出動しました。当初は日赤初動救護班(DMAT)として出動し、引き続き救護班として様々な活動に当たりました。当院の日赤救護班の大きな特徴としては、初動時にはDMATとして活動することが可能で、また同じチームでそのまま救護班としての活動にシフトすることができます。また豊富なマンパワーで災害発生の超急性期からこころのケアを含めた慢性期まで活動することができます。

 
日赤DMATとして発災当日に出動し、現地では救護班としての活動も行いました。
 


また今では災害時にすぐに駆けつけるドクターヘリですが、大規模災害時に県外のドクターヘリが被災地に向けて出動したのもこの地震が始めてでした。この時は千葉県(現・千葉県北部)ドクターヘリ【基地病院:日本医科大学千葉北総病院】が、長岡赤十字病院を拠点に重症患者の転院搬送で活躍しました。
写真は東日本大震災での対応で、宮城から当院に転院搬送のために飛来したドクターヘリ。
 
 

東日本大震災での災害救護活動において、ドクターヘリは被害が甚大であった沿岸部から内陸部への患者さんの搬送に有用に活用されました。実はこのような活動は中越沖地震での対応で行われていたのです。
津波被害からの復興に北海道南西沖地震での経験が生かされているように、この地震での経験は今の災害対応のなかで実践され続けています。
 
自然の美しい日本ですが、それとともに地震や火山活動など自然災害が身近にある国でもあります。先日も書きましたが、災害の規模を『想定外』と人が勝手に決めてしまっているだけかもしれませんね。過去の活動を紐解きそれを次に生かすことが大切です。
ちなみに今月の異常な暑さに対しても、先人たちの経験を紐解けばきっと良い対策が見つかるきがします。

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