2013年5月25日土曜日

へき地の病院や診療所に学ぶこと・・・

町田です。

2つ前のブログで、『群馬県の各医療機関で積極的に受け入れる文化がいままでなかったのをうち破っていく!』ということを書きました。ちょっと乱暴に聞こえるかもしれませんが事実「とりあえず受けて何とかしよう!」という病院は群馬県内に少なく、救急車がなかなか現場を離脱できない実情があります。

でも中にはそうではない病院もあります。特に救命センターや3次対応病院まで遠い地域にある地域医療の中心を担っているへき地の病院や診療所に助けていただくことが多々あります。
先日も夜中に重症患者の救急車を当院で受けることになりましたが、当院までの搬送予定時間は約2時間・・・なんと直近の病院がまず救急外来に受け入れて確実な気道確保と初期輸液療法を行い、しかもその病院の先生が1時間半かかるところを救急車に同乗していただき、患者さんをより安全に搬送してくださいました。この病院はいままでもドクターヘリが着くまでの15分の間に初療を始めてくれたりしていたこともあります。

急にお願いしてもなかなか「うん」と言っていただけることは少ないのですが、普段からこのような体制で診療を望んでいるからこそ、いざというときにも颯爽と行っていただくのですね。
この病院は当院初期研修医の地域医療研修の研修先にもなっていていますが、ここで研修を受けて帰ってきた研修医はいつもふたまわりは大きくなって帰ってくる印象を受けています。「困っている患者さんのためにできること」をいつも考えていれば、きっと病気や怪我の発生からより早期に医療介入ができる群馬県になっていくような気がします。

最終的に根治治療を行える医療機関に早期に運ぶことが大切ですが、初期診療のために早く医療チームが患者さんに接触して手を差し伸べてあげる方法をもっともっと考えていかなくてはいけませんね。
ドクターヘリももっと早期要請していただけるための消防機関への啓もう活動、重複要請にもできるだけ対応できるようにするためのインフラの整理を早急に行うことが必要です。

6 件のコメント :

  1. よくドラマで救急車を走らせながら受け入れ要請してるシーンを見ますが、実際は停車してるんですね。私の記憶違いかもしれませんが^^;

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  2. コメントありがとうございます。
    基本的には受け入れ先が決まってから救急車は動き出します。もちろんあまりにも現場が奥地で、搬送先がどこになろうともある程度同じ道を走るようなときはすでに動いているときもあるようです。
    重症な患者さんの場合は、受入要請のファーストコールは簡単でよしとしています。まずは最低限の現場処置を行い、治療ができる病院までまず向かうために簡単な情報でも受け入れてあげる・・・そして搬送中の観察で追加所見をセカンドコールで送ってもらうのでもよいのです。少ない情報でも対応できないようであれば救命センターとしては失格ですね。逆に救急隊もきちんと現場の傷病者の状態から適切な搬送先を選択するスキルも必要となります。
    病院に搬送するよりもドクターヘリを要請した方が医療開始が早いときは、もちろん早期に迷わず要請する必要があります。

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  3. 町田先生こんばんは、ずいぶん前にコメントさせて頂いた者です。
    ご多忙にも関わらず精力的なブログでの情報発信、お疲れ様です。

    救急医療事情の決して良くない当地において、写真の病院が開院した当時はとても喜ばしかった事を憶えております。西部管内は観光地であり、救急出動も多いようですので、その病院がある事で「救急車が管内からいなくなる」事も減り、大変心強いなぁと感じている次第です。

    さて、ドクターヘリの統計を拝見していていつも不思議に思っている事があります。
    「吾妻地域は相変わらず転院搬送が多い」という点です。
    重篤そうな患者さんだったらその場で要請があるべきだと思いますが、近くの病院に搬送したのち結局ヘリ要請になるのなら、現場で即刻要請した方が患者さんのためになるのではないでしょうか。

    こう書いてしまうと、地元消防さんを始め関係者の方のお叱りを受けてしまいそうですが、せっかく県内でもトップクラスのヘリ活用をされているので、もっともっと出来る事があるのではと感じコメントした次第です。
    山間地でランデブーポイントの確保が難しい、ヘリ要請時の支援隊の確保など、消防さんも大変なご苦労をなさっているのだと思いますが、様々な困難が今後解消されていく事を願っております。

    一般人が生意気に失礼いたしました、間違い等ありましたらご教示下さい。

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  4. EBSさん、コメントありがとうございます。ここまでドクターヘリの活動のことをしっかり見ていただけるのはうれしいことであり、また自分たちの活動を見直す良いきっかけにもなります。
    吾妻地区の転院搬送の件ですが、当初に比べて割合はだいぶ減ってきました。運航当初の頃は「最初から現場から要請してほしい症例」が多かったのが事実ですが、いまは消防本部や救急隊も積極的に現場から要請していただけるようになりました。
    それではなぜ吾妻地区のみ転院搬送がまだ多いのか?実は病院が地域にとても頼りにされているので、患者さんがまずその地域の病院を救急車を利用せずに受診することが多いのです。そしてその病院で迅速な診断を行い、ヘリで救命センターや大学病院に搬送する流れです。また、朝方の温泉地での脳卒中や心疾患を救急車でずっと前橋・高崎まで陸送するより、ヘリ運航時間を待った方が救命センター到着が速いと判断した場合は、その地域の病院でヘリが来るまで初療してくださっています。
    吾妻地域の交通事情を考えると、現在の転院搬送の割合は適切であると考えています。消防のドクターヘリ適応の判断もしっかりしており、この地域にはドクターヘリ、消防、病院の良い連携が取れています。
    これからもどんどん疑問点やご意見をお願いします。このことをきっかけにまたいろいろ考えることができます。本当にありがとうございました。

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  5. 町田先生、ご多忙の所ご丁寧に回答して下さいまして誠にありがとうございました。
    大変勉強になりました。
    少し話がそれてしまうかも知れませんが、確かに私の近所の人間も皆、まずは近くの「かかりつけ」医院・病院の先生をとても頼りにしています。
    何かあればまず「○○先生のところへ飛んでくぞ!」と車を走らせるか、または往診して頂く事が多いです。
    病気で救急車を要請するという事が非常に少ないです。(近くに来てもほとんど事故です)
    当地では、身近な医院・病院の先生と患者さんとの良好な関係がしっかり根付いているという事なんですね。
    地域のいいところに気づかされました。

    また先生や関係者のご迷惑にならないようにご質問させて頂ければと存じます。よろしくお願いいたします。

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  6. EBSさん、群馬県中でそのような関係が気づかれていくことを望みながら、僕たちはいざというときにいつでも救急対応できるように心構えをしっかりしておきます。
    これからも何かありましたらご気軽に質問してください。

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