2013年5月22日水曜日

本音から浮かび上がる問題点~群馬県ドクターヘリ症例検討会を終えて~

町田です。

昨日は群馬県ドクターヘリ症例検討会が行われました。
出動数の増加に伴い、今年度より年3回⇒4回、1回2時間⇒3時間、症例数4件⇒6件と大幅に増やして行いました。時間が長いにもかかわらず、多くの参加者より様々な意見を聞くことができました。


症例検討会では、まず2012年度の活動実績統計とその数値から見える傾向(良い点も悪い点も)について解説しました。




続いて5症例について消防本部とドクターヘリ側からそれぞれの経過を説明し、その後参加者全員で各症例のテーマについてディスカッションを行いました。

医療介入の遅れでPTDになった可能性がある例。
→一人でもドクターヘリの必要性を感じた時点でスイッチを入れなくて行けない。早期医療介入のカギは消防覚知からドクターヘリ要請までの時間にかかっている。
『群馬の大きさを考えると、覚知から傷病者接触まで30分以内、覚知から病院到着まで60分以内が絶対目標!』

②高速道路上の事案で傷病者発見に時間がかかった例。
→上空待機中に現場を見ることで様々な情報を入手することができる。多機関ヘリ、隣接消防本部との応援体制の整備が早急に必要。
『空からは県境や消防管轄の境界は見えません! 』

③搬送先病院を決定せずに現場離脱した例。
→スキー・スノーボード外傷は緊急処置を要することが多く空路での搬送がより必要になる可能性が高いため、現場離脱を早めるための行動が必要になることがある。
『スキー場パトロールなど医療・消防関係者以外との協力体制をもっと整えていく!』

④搬送先RPの安全確保に時間を要した例。
→フライトドクターが決めた搬送方法に問題があれば、根治治療ができる病院到着を最も早くする方法を消防からも提案してほしい。疾患や気象条件によっては搬送先病院が限られたりすることがある。
『基地病院の近くに地上ランデブーポイントがないのがそもそもの大問題!』

⑤複数傷病者事案で1名を一時的に近隣病院に収容した例。
→ドクターヘリでの対応が必要でも時間がかかるときには一時的に直近の病院で収容、初療していただきたい。
『群馬県の各医療機関で積極的に受け入れる文化がいままでなかったのをうち破っていく!』

そして最後の1症例は消防、ドクターヘリに加えて搬送先病院の医師、看護師より発表していただきいただきました。

⑥搬送先選定が正しかったかどうか迷わされる例。
現場での重症度判定、確定診断、日当直体制の受入体制の限界。対応不能時は転送、ドクターヘリ再要請も可能。 
『J-turnした傷病者のフィードバック体制の早急な確立が必要!』

搬送先の病院スタッフに来ていただき、傷病者の経過やドクターヘリ活動に対する率直なご意見をいただけてことは本当にうれしい限りです。最後にはドクターヘリの受入をよくしていただいてる病院の救急担当の先生より、「ドクターヘリの患者さんをこれからもどんどん受け入れる体制を病院としても整えておきますよ!」と心強いお言葉をいただきました。


症例検討会は物事を決定するところではありませんが、そのかわりに何を言っても問題になりません。逆に普段なかなか言いにくい本音を聞き出すことによって、群馬県のドクターヘリにおけるスタックポイントが見えてきました。そのストックポイントはドクターヘリ活動だけではなく群馬県の救急医療にもかかわる大事なことがたくさんあり、現場最前線で戦う県庁、消防関係、病院関係者が一同に集まる機会が少ないだけにとても貴重な時間となりました。
お忙しい中お集まりいただいた関係者の皆様、特に今回は受入病院の方々にも多く集まっていただき、心より感謝いたします。

2 件のコメント :

  1. すごく改善案を感じます。町田先生。
    これからも、この会を大切にして欲しいです。
    傷を負った一人でも多くの人達を、いち早く助けて欲しい。

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  2. chiakiさん、コメントありがとうございます。
    常に先に進まなくていけません。増えてきた要請に対してインフラ整備が追い付いていない現実をきちんと表に出さないと、どの機関もそれに対して話し合いをしようとしない体質改善を図ります。
    まだまだできるはずです、群馬県は!

    返信削除

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