群馬県内は慢性的ベッド不足!?~2012年のICU,ERの実績から~

年末年始の休みが明けて本日から仕事始め・・・とはいっても、実際には1月1日からフル稼働していた当院救急救命センターです。年末年始6日間では、救急外来の受診者数が連日約100名ずつを数えていました。
とはいえやっぱり仕事始め、朝には年始の院長挨拶もあり、気を引き締めて新たな年のスタートです!

連日ベッドコントロールに悩まされている当院です(他の救命センターや3次対応病院も同じです)が、2012年はICU入室数が785名とここ5年間で最高となり、ERの救急車受入台数も5032件と、数年ぶりに5000件を超しました。救急外来受診者数は17772名と減少傾向にありますが、救急車受入数やドクターヘリ出動数が増えていることを考えると、当院が重症患者の対応にかかる割合が増えていることが示唆されます。
全次型救急である当院としてはあらゆる傷病者に対応する姿が理想ですが、群馬県お救急医療の事情を考える限りある程度重症に特化する部分も必要と考えられます。
新たに救急搬送支援システムを見ていても、結局のところ集まるところには搬送が集中している傾向があります。また、同じ病院でも日によって極端に大きなばらつきがあり、その病院のベッド満床の具合やホットラインを持つ人の力にも大きく左右されてしまっているのが現状のようです。

今日も救急車をすべて受け入れていますが、ベッドがないために当院で初療後に他の病院にお世話になる症例が数例ありました。超重症患者の早期治療開始のためにベッドのあるなし関係なしに受け入れることが悪いとは思っていませんが、結局転院搬送になってしまい患者、家族、搬送する救急隊、受け入れていただき病院に負担をかけていることも間違いなく・・・2013年も相変わらずベッド不足に悩まれるスタートとなってしまいました。

でも本当に群馬県はベッド不足なのでしょうか?最終的にはどの救急車もどこかしらの病院に搬送されています。(ちなみに群馬県では1日平均300件前後の救急車出動があり、全病院あわせて受入不可が毎日100回以上あるようです。)
消防の適切な搬送先選定、病院の適切なホットライン対応ができていれば、そして各病院間でもっと目に見える連係ができていれば、実はベッドコントロールに悩まされない日が早々に来るのではないでしょうか!?

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